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エンジェルラウンドとは?主な資金調達方法と成功のコツ・注意点を紹介

#資金調達

エンジェルラウンドとは、製品やサービスがアイデア段階にあるスタートアップのラウンドを指し、資金調達ラウンドでは初期に該当します。エンジェルラウンドがどのような状態かを理解していなければ、資金調達の際に不利な条件を提示される可能性もあるため注意が必要です。

本記事では、エンジェルラウンドの概要を解説します。また、エンジェルラウンドにおける主な資金調達方法やメリット、注意点、成功に導くポイントも紹介します。

目次

エンジェルラウンドとは

まずエンジェルラウンドとは何かについて、事業の段階と一般的な資金調達額や期間、資金使途と併せて説明します。

事業の段階

エンジェルラウンドとは投資ラウンドにおけるステージの一つです。

資金調達ステージの初期段階を指し、「プレシードラウンド」とも呼ばれます。一般的には創業前後において、製品やサービスがアイデアの域にある段階のことです。

資金調達額や期間、資金使途

エンジェルラウンドでの資金調達額は、一般的に数百万円から数千万円程度です。これは事業がまだアイデア段階なため、さほど大きな金額を必要としないことに理由があるようです。

調達までに要する期間は、1日〜数ヶ月程度を目安に考えておきましょう。投資家との交渉や契約手続きに取り組みながら、同時に事業計画のブラッシュアップやプロダクトの開発を進めます。

資金の主な使途は、プロトタイプの開発費用や市場投入前の調査費用です。また、営業活動やマーケティング活動、初期メンバーの給与などにも使用されます。

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エンジェルラウンドでの主な資金調達方法

エンジェルラウンドにおける主な資金調達方法は、次の3つです。

  • エンジェル投資家
  • クラウドファンディング
  • インキュベーター・アクセラレータープログラム

それぞれの資金調達方法の概要とともに、メリットとデメリット、注意点を解説します。

エンジェル投資家

エンジェル投資家とは、まだ実績が少ない企業に出資する個人投資家のことです。エンジェル投資家からの出資を受けるメリット・デメリットは次のとおりです。

メリット デメリット
  • 返済の義務がない
  • 経営のアドバイスを受けられる可能性がある
  • 取引先を紹介してもらえる可能性がある
  • 出資額が少ないことがある
  • 経営に干渉される可能性がある
  • 企業側が望むスピードより急激な企業成長を望まれる可能性がある

エンジェル投資家はビジネスモデルや新規性、将来性を見込んで出資を判断します。そのため、出資を期待する場合には、自社のビジネスアイデアやビジョン、競争優位性、イグジット戦略などを明確にし、わかりやすく伝えることが求められます。

ベンチャーキャピタルとは異なり、エンジェル投資家はあくまで個人投資家であるため、出資額が少なくなる可能性があることを理解しておきましょう。エンジェル投資家の詳しい概要やメリットについては、次の記事をご覧ください。

「エンジェル投資家とは?メリットや出資してもらう際の注意点について解説」

クラウドファンディング

クラウドファンディングとはエンジェルラウンドにおける資金調達方法の一つで、インターネットを通じて多くの人から出資を受ける仕組みのことです。

クラウドファンディングのメリット・デメリットは次のとおりです。

メリット デメリット
  • 幅広く出資を集められる
  • 認知度が向上し、ファンを増やせる
  • 自社の製品、サービスに対する消費者の反応を知ることができる
  • 期待した額の資金が集まらないことがある
  • 事業が円滑に進まない場合、スケジュールやリターンに遅延などの影響が生じて出資者に迷惑をかけることがある

クラウドファンディングは一般的に、クラウドファンディングサイトを通じて実施されます。より詳しく知りたい方は、次の記事も参考にしてください。

「クラウドファンディングとは?種類や出資を得るやり方とメリット、注意点を解説」

インキュベーター・アクセラレータープログラム

インキュベーターとは、ビジネスアイデアの実現や事業成長をサポートする組織のことです。アイデア段階から起業までを支援するため、支援期間に期限を設けない場合が多く、数年にわたり支援を受けられることがあります。ただし、インキュベーターが提供するリソースや方向性に依拠することになるため、資金調達をする企業の自由度が低くなる点がデメリットです。

アクセラレーターとは、シード期以降のスタートアップのビジネス拡大を目的として資金投資やノウハウ提供などのサポートを行う組織のことです。数週間から数ヶ月の支援により、ビジネスを急成長させるための共創や協業を促すアクセラレータープログラムを提供しています。最近では、エンジェルラウンドにも提供範囲を広げています。

アクセラレータープログラムを利用するメリットは、大手企業の持つ設備やノウハウ、市場ネットワークの利用によって、資金などのリソース不足を補える点です。ただし、事業の方向性やプログラムの方針に相違がある場合には、トラブルが生じる可能性もあるため注意が必要です。

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エンジェルラウンドを成功に導くポイント

エンジェルラウンドにおける資金調達を成功に導くには、次の3つのポイントをおさえておきましょう。

  • 投資家と良好な関係を築く
  • 自社の価値を客観的に評価する
  • プレゼンテーションやピッチの練習をしておく

詳しく解説します。

投資家と良好な関係を築く

エンジェルラウンドは、エンジェル投資家から出資を受けることが多数を占めます。エンジェル投資家は個人であり、自身が経営者であることも多く、良好な関係を築けば事業に関するアドバイスや貴重な人脈の紹介をしてくれたりする可能性があります。

エンジェル投資家を探す場合、自社のビジネスモデルやその業界に精通している人を選ぶことが重要です。自社に合ったエンジェル投資家を選ぶことで、資金面のほかさまざまなサポートを得られるでしょう。過去の投資先や成功事例を調査し、信頼性や実績を確認することも重要です。

エンジェル投資家から出資してもらうには、自社のビジョンやミッションを明確に伝え、共感を得ることが大切です。さらに、円滑なコミュニケーションを維持し、定期的に連絡や報告を行いましょう。

自社の価値を客観的に評価する

エンジェルラウンドにおける資金調達を成功に導くには、客観的に自社の価値を評価することが重要です。自社の評価を高く見積もると、客観的な評価額との乖離が生まれ、投資家からの信頼を失う可能性があります。結果として出資を受けにくくなり、実現可能性の信用度が低下します。

自社の価値を正確に評価するには、資料やデータを用意することが大切です。市場調査や競合分析を通じて、市場での立ち位置や顧客のニーズを把握し、事業の成長可能性を示します。また、過去の業績や将来の収益予測を詳細に示し、収益性やコストの構造を明確にしましょう。

評価額の算定方法には、DCF法やマルチプル法などがあります。DCF法では将来のキャッシュフローを基に現在価値を算出します。マルチプル法では同業他社の評価額を参考にします。これらの方法を用いて自社の評価額を算定し、適切な資料とデータを基にプレゼンテーションすることで、資金調達の成功率を向上させられるでしょう。

プレゼンテーションやピッチの練習をしておく

エンジェルラウンドの資金調達においては、プレゼンテーションやピッチの練習をしておくことが大切です。投資家に会ったりアクセラレータープログラムに参加したりすると、プレゼンテーションやピッチの機会が増えるためです。

プレゼンテーションとは、特定の相手に投資などのアクションを起こしてもらうために情報や要点を説明することを意味します。一方、ピッチとは投資家等を相手に行われるプレゼンテーションの一つで、数分間といった短時間で自社製品やサービスを紹介します。

プレゼンテーションもピッチも、制限時間を定めるケースがほとんどです。2分、5分、10分など、どのような長さであっても自社のサービスを魅力的に説明できるよう準備しておきましょう。

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エンジェルラウンドでの資金調達の注意点

エンジェルラウンドの資金調達においては、次の2点に注意する必要があります。

  • 持株比率を減らしすぎない
  • 事前に契約書に目を通しておく

それぞれ解説します。

持株比率を減らしすぎない

エンジェルラウンドの資金調達においては、持株比率を減らしすぎないように注意しなければなりません。エンジェルラウンドはアイデア期であるため企業評価額が低くなり、多くの資金を得るために株式を渡しすぎてしまう可能性があります。

たとえば、外部の出資比率が50%以上になった場合、現在の経営者が経営における決定権を失ったり、株式を保有する投資家から解任されたりという危険性が高まります。このようなリスクを減らすためにも、持株比率には留意しましょう。

事前に契約書に目を通しておく

資金調達を受ける際は、事前に契約書に目を通しておくことも注意すべきポイントです。確認が甘いまま契約を進めてしまうと、自由に経営できなくなる恐れがあります。

契約によっては事前承認条項が盛り込まれているケースもあるため、多少費用はかかっても、契約書は弁護士や司法書士などに見てもらうことが大切です。

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まとめ

エンジェルラウンドでは、資金調達で大きな金額を必要としないことが多いため、エンジェル投資家やクラウドファンディング、インキュベーターやアクセラレータープログラムからの資金調達方法が適しています。事前に投資家と良好な関係を築いたりピッチの練習をしたりして、最適なタイミングでの資金調達を実現させましょう。

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