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エクイティストーリーとは?つくり方のポイントや事例を紹介

#資金調達

エクイティストーリーとは、投資家に向けて会社の特徴や成長戦略、企業価値を増大させる道筋を説明するためのストーリーのことです。

本記事では、エクイティストーリーとは何か、概要とつくり方、魅力的なエクイティストーリーをつくるポイントを解説します。また、エクイティストーリーの作成事例も紹介します。

目次

エクイティストーリーとは?

経済産業省の定義によると、エクイティストーリーとは、投資家に向けて会社の特徴・成長戦略・企業価値の増大の道筋についてを説明するストーリーのことをいいます。

ここでは、エクイティストーリーが重要とされる理由とエクイティストーリーを作成するタイミング、記載される主な項目について解説します。

参考:経済産業省|スタートアップの成長に向けたファイナンスに関するガイダンス

▼より詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
「エクイティ(Equity)とは株主資本のこと!エクイティファイナンスのメリットや手順を解説」

エクイティストーリーが重要な理由

エクイティストーリーが重要な理由は、エクイティストーリーには投資家に自社の魅力を伝え、自社の企業価値を向上させる役割を果たす役割があるためです。

エクイティストーリーが魅力的であれば、多くの投資家が出資のメリットを感じられます。株価を決定する際にも重要な材料のひとつとなるため、入念にストーリーをつくりこんでおくことが必要です。

エクイティストーリーを作るタイミング

エクイティストーリーがつくられるタイミングは、企業が置かれたステージによって異なります。IPO前のスタートアップ企業の場合、シード期・アーリー期・シリーズAなどの成長ステージで資金調達のために作成されます。

IPOのタイミングでも、主幹事証券を決定する際にエクイティストーリーを使っての説明を求められることが多くなります。資金投資ラウンドの詳細や各ステージに適した資金調達方法については、次の記事もご覧ください。

「資金調達ラウンド(投資ラウンド)とは?スタートアップが知っておくべきステージや資金調達方法を解説」

エクイティストーリーの主な項目

投資家は、スタートアップが属する業界についてすべての情報を把握しているわけではありません。そのためエクイティストーリーを作成する際は、自社目線ではなく、投資家目線で知りたい情報を記載し説明することが重要です。

一般的に、エクイティストーリーには次の項目が記載されます。

  • 事業の内容
  • 収益構造
  • 市場構造
  • 競合環境
  • 競争優位性
  • 成長戦略
  • 経営指標
  • 利益計画/前提条件
  • 進捗状況
  • 認識するリスク及び対応策
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エクイティストーリーのつくり方

エクイティストーリーのつくり方に具体的な既存のルールはありません。一般的には、経営者や主要メンバーにヒアリングを行ったうえで、大筋のシナリオを組み立て細部を詰めていきます。

エクイティストーリーをつくる際は、自社のビジョンやミッションを構築し、事業戦略の仮説と検証、成長ストーリーのロードマップ作成などを繰り返し、メンバー間で議論を重ねながら、社内外で納得のいくストーリーを作成する事が大切です。

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エクイティストーリーをつくるポイント

次の5つのポイントをおさえることで、魅力的なエクイティストーリーをつくることができます。

  • エクイティストーリーの目的を明確にする
  • ターゲットを分析する
  • ストーリーに一貫性を持たせる
  • 具体的かつわかりやすくまとめる
  • 市場の成長可能性や成長率をアピールする

詳しく解説します。

エクイティストーリーの目的を明確にする

エクイティストーリーの作成において重要なのは、資金調達や市場拡大、成長戦略説明などの具体的な目的を定めることです。目的を明確にすることで、ビジョンや独自性、競争力を強調し、投資家に関与すべき理由を説明できる魅力的なストーリーを作成できます。

投資家の共感を喚起するためにも、自社目線で作成するのではなく、投資家のニーズにも注意を払い、彼らの共感が得られる要素を取り入れましょう。

ターゲットを分析する

エクイティストーリーの対象となる具体的なターゲットを分析することも大切です。投資家、株主、ビジネスパートナーなど、それぞれのスタンスの特徴や差異などを分析しましょう。

ターゲット分析にあたっては、ターゲットのニーズと価値観を理解することが重要です。ニーズと価値観を理解し、その要素を盛り込むことでストーリーに厚みが増し、アプローチを選定できる資料が作成できます。

また、投資家となるターゲットに合わせた言葉を選ぶことも大切です。専門用語を避けたり、敢えて使ったりしながらターゲットの興味を惹き、共感を生み出すようにエクイティストーリーを伝えることが肝要です。

ストーリーに一貫性を持たせる

投資家の共感を呼ぶエクイティストーリーをつくるには、ストーリーに一貫性を持たせることが求められます。ブランドの根幹をなすコアバリューを抽出し、メッセージの基盤として活用しましょう。

さらに、エクイティストーリー全体を一つの物語として組み立てて、始まりから結末までの一貫したストーリーラインをつくります。ブランドの個性を反映して、読者や投資家に対して信頼性と一貫性のあるストーリーに仕上げることが大切です。

具体的かつわかりやすくまとめる

エクイティストーリーの実現可能性を具体的かつ、わかりやすくまとめることも不可欠です。

たとえば、投資家が理解できるように、技術的に開発可能なプロダクトやサービスなのか、チーム(CEOやCTO)がプロダクトやサービス開発に関連するスキルや経験を有しているかなどの情報を、数字やデータを用いて説明しましょう。

また、実現可能なマイルストーンや事業計画、実施スケジュール、イグジットまでにどれくらいの資金調達が必要かなど、先を見通した要素を加えることで、より具体的で現実的なエクイティストーリーをつくることができます。

市場の成長可能性や成長率をアピールする

エクイティストーリーの作成時は、潜在的に考えられる市場規模のサイズ感(TAM/SAMの大きさ)、その市場の成長可能性と成長率に関する説明が求められます。

自社の製品やサービスがどの程度のマーケットシェアが取れるのか。競合の状況や競合優位性に関しての説明を加えることで、より説得力が増すストーリーの構築ができます。

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エクイティストーリーに必要な項目例

ここでは、経済産業省の事例をもとに、エクイティストーリーの項目例をご紹介します。

■参考例 東京証券取引所のグロース市場におけるエクイティストーリーの項目例

項目 おもな記載内容 概要
ビジネスモデル 事業の内容 製品・サービス内容や特徴、事業ごとの寄与度、将来必要となる許認可の内容・プロセス
収益構造 収益・費用構造、収益構造に重要な影響を与える条件が定められた契約内容、キャッシュフロー獲得の流れ
市場環境 市場構造 市場の内容(顧客種別、エリアなど)、規模
競合環境 競合他社の内容、自社のポジショニング、シェア
競争力の源泉 競争優位性 成長ドライバーとなる技術や知的財産、ビジネスモデル、ブランド、ノウハウ、人材
事業計画 成長戦略 経営方針や成長戦略と実現のための具体的施策の内容(研究開発、マーケティングなど)
経営指標 経営上重視される指標(採用理由や実績値、目標値など)
利益計画/前提条件 中期利益計画を公表する場合はその内容と前提条件
進捗状況 前回記載事項の達成状況、更新内容、次回開示を予定している時期など
リスク情報 認識するリスク及び対応策 成長実現や事業計画の継以降に重要な影響を与えうるおもなリスクと対応策

※参考:経済産業省

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まとめ

エクイティストーリーが必要となるタイミングは、企業の置かれたステージによって異なります。一般的にスタートアップではシード期やアーリー期などの成長ステージの資金調達の場面で必要になるでしょう。エクイティストーリーを作成することで、投資家とのコミュニケーションが密になり、そこから自社の企業価値向上へとつながる可能性もあります。

エクイティストーリーの作成時は、目的を明確にしてターゲットを分析します。ニーズと価値観を理解したうえで投資家にとって魅力的でわかりやすいストーリーを展開しましょう。市場における成長可能性や成長率を数値で示すことも大切です。

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