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スタートアップ企業が使える補助金一覧|申請する流れや注意点も解説

#資金調達

スタートアップ企業にとって、補助金は事業を加速させるために有効な資金調達の一つです。補助金は原則として返済不要で、場合によっては数千万円の資金調達が可能です。


本記事では、スタートアップ企業が使える補助金を一覧で紹介しています。補助金以外の支援制度や受給までの流れ、申請する際の注意点などもわかりやすく解説します。

目次

スタートアップ企業が使える補助金一覧

スタートアップ企業が使える補助金は、主に次のようなものがあります。

  • ものづくり補助金
  • 小規模事業者持続化補助金
  • IT導入補助金
  • 事業再構築補助金

それぞれの対象者や助成額などを詳しく紹介します。

補助金と助成金の違いについては、次の記事をご参考ください。
補助金と助成金の違いは?申請の手順や注意点も解説

ものづくり補助金

補助金の対象者
  • 中小企業
  • 小規模事業者 など
補助金の上限額
(※カッコ内は大幅賃上げを行う場合)
【省力化(オーダーメイド)枠】
5人以下:750万円(1,000万円)
6〜20人:1,500万円(2,000万円)
21〜50人:3,000万円(4,000万円)
51~99人:5,000万円(6,500万円)
100人以上:8,000万円(1億円)

【製品・サービス高付加価値化枠】
・通常類型
5人以下:750万円(850万円)
6〜20人:1,000万円(1,250万円)
21人以上:1,250万円(2,250万円)

・成長分野進出類型(DX・GX)
5人以下:1,000万円(1,100万円)
6〜20人:1,500万円(1,750万円)
21人以上:2,500万円(3,500万円)

【グローバル枠】
3,000万円(3,100万円~4,000万円)
補助率 【省力化(オーダーメイド)枠】
中小企業:1/2
小規模・再生:2/3
※補助金額1,500万円までは1/2もしくは2/3、1,500万円を超える部分は1/3

【製品・サービス高付加価値化枠】
・通常類型
中小企業:1/2
小規模・再生:2/3
新型コロナ回復加速化特例:2/3

・成長分野進出類型(DX・GX)
2/3

【グローバル枠】
中小企業:1/2
小規模・再生:2/3
対象経費
  • 機械装置・システム構築費
  • 運搬費
  • 技術導入費
  • 知的財産権等関連経費
  • 外注費
  • 専門家経費
  • クラウドサービス利用費
  • 原材料費
  • 海外旅費
  • 通訳・翻訳費
  • 広告宣伝・販売促進費
活用イメージ 人手不足解消のため、AIや画像判別技術を用いた自動組立ロボットを開発・導入する場合、など

参考:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業公募要領(18次締切分)1.1版

ものづくり補助金は、中小企業等の生産性向上や持続可能な賃上げ等を支援するための制度です。「省力化(オーダーメイド)枠」「製品・サービス高付加価値化枠」「グローバル枠」の3つに大区分されており、それぞれで上限額や補助率が異なります。

受給するには、以下の条件を満たす3〜5年の事業計画書を策定し、実行する必要があります。

  1. 付加価値額年平均成長率+3%以上増加
  2. 給与支給総額年平均成長率+1.5%以上増加
  3. 事業場内量低賃金が地域別最低賃金+30円以上

参考:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業公募要領(18次締切分)1.1版

小規模事業者持続化補助金

補助金の対象者 小規模事業者
補助金の上限額 【通常枠】
50万円

【その他の枠】
200万円
補助率 2/3
(※賃金引上げ枠において、赤字事業者は3/4)
対象経費
  • 機械装置等費
  • 広報費
  • ウェブサイト関連費
  • 展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)
  • 旅費
  • 開発費
  • 資料購入費
  • 雑役務費
  • 借料
  • 設備処分費
  • 委託・外注費
活用イメージ 古民家をカフェとして営業するために厨房を増設する場合、など

参考:小規模事業者持続化補助金<一般型>第 16 回公募要領

小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者等に対し、販路開拓等に取り組む費用や業務効率化に関わる経費の一部を補助する制度です。2024年6月時点で16回の公募が実施されています。主に機械装置の購入や広報活動、ウェブサイトの構築、展示会への出展費用などが対象となります。

IT導入補助金

補助金の対象者
  • 中小企業
  • 小規模事業者
補助金の上限額 【通常枠】
1プロセス以上:5万円以上150万円未満
4プロセス以上:150万円以上450万円以下

【インボイス枠(インボイス対応類型)】
・インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト:350万円以下(50万円以下は補助率3/4以内、4/5以内)

・PC、ハードウェア等
PC・タブレット等:10万円以下
レジ・券売機等:20万円以下

【インボイス枠(電子取引類型)】
350万円以下

【セキュリティ対策推進枠】
5万円以上100万円以下

【複数社連携IT導入枠】
3,000万円以下(一部200万円以下)
補助率 【通常枠】
1/2以内

【インボイス枠(インボイス対応類型)】
・インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト
50万円以下:3/4以内、4/5以内
50万円超〜350万円以下:2/3以内

・PC、ハードウェア等
1/2以内

【インボイス枠(電子取引類型)】
中小企業、小規模事業者等:2/3以内
その他事業者等:1/2以内

【セキュリティ対策推進枠】
1/2以内

【複数社連携IT導入枠】
4/5〜1/2以内
対象経費
  • ITツール(ソフトウェア、サービス等)
  • 相談対応等のサポート費用
  • クラウドサービス利用料
  • パソコン
  • タブレット端末
  • プリンター
  • スキャナー など
活用イメージ 業務効率化のためにソフトウェアサービスなどを導入

参考:IT導入補助金2024

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者に対し、業務効率化やDXなどに向けたソフトウェア、サービスなどの ITツール導入を支援する制度です。補助金対象の例として、パッケージソフトの本体費用やクラウドサービスの導入・初期費用などがあります。

事業再構築補助金

補助金の対象者
  • 中小企業
  • 中堅企業
補助金の上限額
(※カッコ内は大幅賃上げを行う場合)
【成長分野進出枠(通常類型)】
従業員数20人以下:100万円~1,500万円(2,000万円)
従業員数21~50人:100万円~3,000万円(4,000万円)
従業員数51~100人:100万円~4,000万円(5,000万円)
従業員数101人以上:100万円~6,000万円(7,000万円)

【成長分野進出枠(GX進出類型)】
従業員数20人以下:100万円~3,000万円(4,000万円)
従業員数21~50人:100万円~5,000万円(6,000万円)
従業員数51~100人:100万円~7,000万円(8,000万円)
従業員数101人以上:100万円~8,000万円(1億円)
中堅企業等:100万円~1億円(1.5億円)

【コロナ回復加速化枠(通常類型)】
従業員5人以下:100万円~1,000万円
従業員6~20人:100万円~1,500万円
従業員21~50人:100万円~2,000万円
従業員 51 人以上:100 万円~3,000 万円

【コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)】
従業員数5人以下:100万円~500万円
従業員数6~20人:100万円~1,000万円
従業員数21人以上:100万円~1,500万円

【卒業促進上乗せ措置】
各事業類型の補助金額上限に準じる

【中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置】
100万円~3,000万円

【サプライチェーン強靱化枠】
中小企業者等、中堅企業等ともに1,000万円~5億円
補助率 【成長分野進出枠(通常類型)】
【成長分野進出枠(GX進出類型)】

中小企業者等 1/2(2/3)
中堅企業等 1/3(1/2)
(※カッコ内は大幅賃上げを行う場合)

【コロナ回復加速化枠(通常類型)】
中小企業者等 2/3
(従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合は800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは3/4)

中堅企業等 1/2
(従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合は800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは2/3)

(※カッコ内は大幅賃上げを行う場合)

【コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)】
中小企業者等 3/4(2/3)
中堅企業等 2/3(1/2)
※()内はコロナで抱えた債務の借り換えを行っていない者の場合

【卒業促進上乗せ措置】
【中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置】
【サプライチェーン強靱化枠】

中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3
対象経費
  • 建物費(建物の建築・改修等)
  • 機械装置・システム構築費
  • 技術導入費(知的財産権導入に要する経費)
  • 外注費(加工、設計等)
  • 広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)
  • 研修費(教育訓練費等) など
活用イメージ 建築物の解体をおこなう業者が、解体作業時に発生する素材を使用した燃料製造を新たに開始

参考:事業再構築補助金

事業再構築補助金とは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業等を対象に、ポストコロナ・ウィズコロナ時代に対応するための事業再構築を支援する補助金です。具体的には、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編などの大胆な事業再構築を行う企業を支援します。

補助金は原則として後払いであり、事業計画書や経費明細書などを提出し、厳しい審査を経て交付されます​。

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スタートアップ企業が使える補助金以外の支援制度

補助金以外にも、国や自治体にはさまざまなスタートアップ支援制度が用意されています。ここでは2つの支援制度を紹介します。

  • 始動Next Innovator
  • 新規開業支援資金

それぞれ詳しく見ていきます。

ベンチャー企業の資金調達方法については、次の記事を参考にしてください。
ベンチャー企業の資金調達方法5選!それぞれのメリットや注意点も解説

始動Next Innovator

対象者
  • 社会にインパクトを与えるイノベーションを起こしたい方
  • 個人として独創的なアイデア・プランを持っている方 など
内容
  • 国内プログラム
  • シリコンバレープログラム

※参考:始動Next Innovator

「始動Next Innovator」とは、スタートアップに挑戦する人材を広く募集・選抜し、シリコンバレーの投資家や起業家との交流を通じて、イノベーションのキーパーソンを育成するプログラムです。経済産業省とJETROの主催で、2015年にスタートしました。

「国内プログラム」「シリコンバレープログラム」という2部構成になっているのが特徴です。国内プログラムは全13回で、受講者全員が参加します。講演やレクチャーを通じて事業計画をブラッシュアップし、フィードバックを受ける機会が設けられています。シリコンバレープログラムは、国内プログラムからの約30名の選抜者が参加し、現地でのスタートアップエコシステムの体験や事業ピッチを行います​。

これまでに9期が実施されましたが、2024年6月時点では10期目の募集は未定です。直近のプログラム状況はwebページや公式SNSをご確認ください。

新規開業支援資金

対象者
  • 新たに事業を始める方
  • 事業開始後、おおむね7年以内の方
内容 新規開業等を支援する融資制度

参考:日本政策金融公庫

新規開業支援資金は日本政策金融公庫の融資制度です。新たに営もうとする事業に必要な資金の貸付けに関して、貸付利率等に特例を設けて新規開業等を支援しています。新たに事業を始める方や、事業開始後おおむね7年以内の方が対象です。

事業開始のための設備資金や運転資金に利用でき、女性や若者、高齢者など、特定の条件を満たす方には、さらに低金利となる特例があります。融資限度額は最大7,200万円で、返済期間は設備資金が最大20年、運転資金が最大10年です。

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スタートアップ企業が補助金を申請する流れ

スタートアップ企業が補助金を申請する流れは、補助金によって異なります。

一般的には、次のような流れになります。

  1. 申請準備
  2. 申請
  3. 採択結果の通知・交付申請
  4. 交付決定・事業の実施
  5. 中間報告
  6. 事業実績の報告・補助金の受給
  7. 事業状況の定期報告

まず、経済産業省や地方自治体に相談し、自社のスタートアップに適した補助金を選定します。自社に合った補助金を見つけたら必要な書類を準備し、不備がないか確認してから郵送や電子申告で申請しましょう。審査期間を経たのち、採択結果が事務局や公式サイトで公開されます。

採択されたら、計画どおりに事業を実施します。事業にかかる経費を正確に記録し、領収書や納品書などを保管しましょう。事業が完了したら、かかった経費をもとに交付を申請してください。交付申請が受理されると、補助金が振り込まれます。

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スタートアップ企業が補助金を申請する際の注意点

スタートアップ企業の補助金申請には、いくつか注意点があります。まず、補助金は一般的に後払いであることを理解しておきましょう。補助金は事業の完了後に支給されるため、初期費用は自己資金でまかなう必要があります。

次に、補助金には書類の準備から支払いまで多くの手間と時間がかかります。特に事業計画書や経費明細書の作成には注意が必要です。早めに準備を開始し、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

補助金は要件を満たしていても、枠に限りがあるため必ずしも受け取れるわけではありません。また、書類に不備があれば申請が受理されないことがあるうえ、不正受給は厳しい罰則の対象となります。正確で誠実な申請を心掛けることが大切です。

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まとめ

スタートアップ企業は、新たな製品開発や技術革新、市場拡大などを目的に、さまざまな補助金を申請できます。利用するには正確な申請書類の提出、計画に沿った適切な資金の使用、事業計画の具体的な実行計画の準備が求められます。

補助金はスタートアップ企業の資金調達において、有効な選択肢の一つです。ただし、原則後払いのため、プロジェクト開始前の資金計画は慎重に作成する必要があります。より迅速かつ効率的な方法を求めるなら『マネーフォワード トランザクションファイナンス for Startups』がおすすめです。

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