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ベンチャーが利用できる融資制度とは?それぞれのメリット・デメリットも紹介

ベンチャー企業にとって、融資制度の活用は資金調達の一つの選択肢と考えられます。ただし、すべてのベンチャーが必ずしも事業融資できるわけではありません。そのため、融資制度以外の資金調達方法も視野に入れておくことが重要です。

本記事ではベンチャー企業が利用できる融資制度の紹介と、融資を受ける際の注意点やポイント、融資制度以外の資金調達方法などを解説します。

目次

ベンチャー企業が利用できる融資制度

ベンチャー企業にとって、融資は重要な資金調達方法の一つです。ただし、融資と一口に言ってもいくつか選択肢があります。融資は返済が必要なため、自社にとって適切な融資制度を見極めることが重要です。

ベンチャー企業は主に次の機関や団体からの融資を検討できます。

  • 日本政策金融公庫
  • 信用保証協会
  • 民間金融機関
  • 地方自治体
  • ノンバンク

それぞれ詳しく解説します。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は国が100%出資している株式会社で、主にベンチャー企業や中小企業に向けた融資制度を提供しています。創業間もないベンチャー企業でも、審査に通れば低金利で融資を利用できるのが魅力です。

日本政策金融公庫にはさまざまな融資制度があります。

  • スタートアップ支援資金
  • 新規開業資金
  • 女性、若者/シニア起業家支援資金 など

例えば、女性、若者/シニア起業家支援資金の場合、「女性、または35歳未満か55歳以上」かつ「新たに事業を始める」もしくは「事業開始後約7年以内」といった条件に当てはまれば、審査のうえ、最大で7億2千万円(直接貸付の場合)の融資を受けることができます。

日本政策金融公庫のメリット・デメリットは次の通りです。

日本政策金融公庫のメリット 日本政策金融公庫のデメリット
  • 融資の種類が多い
  • 金利が低め
  • 申込から融資が決まるまで時間がかかる
  • 審査が厳しい傾向にある

融資の種類が多く、比較的金利が低めに設定されている一方で、申込から審査結果が出るまで約2週間と時間がかかり、審査も厳しい傾向があります。詳しいメリットや融資を受ける流れなどは、次の記事で詳しく解説しています。

日本政策金融公庫で融資を受ける流れを解説!注意点や審査のコツも紹介

信用保証協会

信用保証協会は、中小企業が金融機関から融資を受ける際に、信用力をサポートし円滑な融資をはかるために設立された公的機関です。

ベンチャー企業は大企業に比べて実績が乏しく、貸し倒れになるリスクが高いため、融資を得ることは容易ではありません。そこで、信用保証協会はベンチャー企業が金融機関から融資を受ける際に保証人となり、返済困難になった場合は金融機関に代わって代位弁済を行います。

信用保証協会のメリット・デメリットは次の通りです。

信用保証協会のメリット 信用保証協会のデメリット
  • 信用力に乏しくても利用しやすい
  • 返済困難になっても負担を負わずに済む
  • 基準を満たす必要がある
  • 保証料を支払わなければならない

信用保証協会の融資制度を利用する際には、一定の基準を満たす必要があります。例えばサービス業の場合、資本金5,000万以下、従業員数100人以下が条件です。

参考:全国信用保証協会連合会|初めての融資と信用保証

また、一定の保証料を支払わなければなりません。信用保証料は、経営状況に応じて9つの料率区分から適用されることになります。

参考:全国信用保証協会連合会|信用保証料

民間金融機関

民間の金融機関による融資とは、メガバンクや地方銀行、信用組合などの商品を利用して資金調達するというものです。一般的に審査基準が高く、融資を受けると企業の信用が向上する可能性があるでしょう。

民間金融機関のメリット・デメリットは次の通りです。

民間金融機関のメリット 民間金融機関のデメリット
  • 金融機関によってさまざまな種類の商品がある
  • 商品によっては条件が優遇されたり保証なしで融資を受けられたりする
  • 審査や条件が厳しい
  • 金融機関によっては時間がかかる

民間金融機関によって、さまざまな種類の商品があります。例えば、メガバンクでは、上場を目指すためのコンサルティングサービスを受けることもできるでしょう。

一方、金融機関によっては厳しい審査や条件を設けているところもあります。また、融資の実行までに時間がかかる可能性もあるため注意が必要です。詳しくは次の記事で解説しています。

法人が銀行から融資を受ける方法とは?必要書類や流れもわかりやすく解説

自治体の制度

地方自治体には、制度融資を設けているところもあります。制度融資とは自治体や信用保証協会などが協力し、企業が資金を借りやすくする制度のことです。例えば、東京都には最大3,500万円を融資する「創業」という制度があります。

参考:東京都|東京都中小企業制度融資『創業』

制度融資のメリット・デメリットは次の通りです。

制度融資のメリット 制度融資のデメリット
  • 比較的低金利で利用できる
  • 利子や信用保証料を補助してもらえる
  • 時間や手間がかかる
  • 自治体ごとに制度が異なる

自治体の制度融資は、低コストで利用できます。利息や信用保証料の補助、原資預託などを自治体が行っているためです。一方で、金融機関、信用保証協会、自治体といった複数の機関が関与するため、通常の融資に比べ手続きに時間や手間がかかります。

ノンバンク

ノンバンクとは、銀行以外の金融機関を意味します。代表的なノンバンクは民間のクレジットカード会社や信販会社、消費者金融です。

ノンバンクのメリット・デメリットは次の通りです。

ノンバンクのメリット ノンバンクのデメリット
  • 無担保や無保証で利用できることがある
  • スピーディーに資金調達できる
  • 一般的に金利が高い傾向がある
  • 返済期間が短めに設定されていることが多い

ノンバンクのビジネスローンは、無担保・無保証で利用できることがあります。また、審査が迅速であるため、最短即日での資金調達できるケースもあります。

しかし、多くの場合、高めの金利や短い返済期間が設定されています。

ベンチャー企業の融資制度のメリット

ベンチャー企業にとって資金調達は事業の成功を左右する、重要な要素の一つです。資金調達にはさまざまな種類がありますが、ここでは融資制度を選択するメリットを2つ紹介します。

  • 株主や株価への影響が少ない
  • 経営権を失わない

それぞれ詳しく解説します。

株主や株価への影響が少ない

融資制度は、企業が新たに株式を発行することなく資金を調達できる方法です。株式を第三者に提供する必要がなく、既存株主の持ち分を希薄化することもありません。会社の株価や市場評価に影響を与えることなく、比較的安全に資金を確保できます。

融資を受けた場合は、借り入れた資金と利息を返済する必要があります。その代わりに企業は経営権を維持することが可能です。

このように融資制度は、経営体制や市場での評価を変えずにキャッシュフローを増やしたい、といったベンチャー企業におすすめの資金調達方法といえるでしょう。

経営権を失わない

企業の経営権を保持できることも、融資制度のメリットです。例えば出資を受けた場合、株式を渡すことになるため、投資家が経営の意思決定に関与してくる可能性があります。

特にベンチャー企業の場合、企業価値が低くなるため、多くの株式を投資家に譲渡しなければならないケースも珍しくありません。資金調達の選択肢も少ないことから、不利な条件を突きつけられる可能性もあるでしょう。

対して融資によって資金調達をする場合、貸し手は企業の経営に介入しません。経営者は自社に関する決定権を保持し続けることができます。

ベンチャー企業の融資制度のデメリット

ベンチャー企業の融資制度にはデメリットもあります。

  • 利息を含めた返済をする必要がある
  • 融資の審査に通らない可能性がある

それぞれ解説します。

利息を含めた返済をする必要がある

融資は借り入れた元金だけでなく、利息も一緒に返済していく必要があります。最初に借りた金額よりも返済金額のほうが多くなるため、企業のキャッシュフローに影響を与える可能性があるでしょう。

特に、売上が少なくキャッシュフローが不安定なベンチャー企業の場合、利息の支払いが財務計画や運営資金に対して重荷となるケースもあります。融資を受ける前には、返済計画をしっかりと策定することが大切です。

融資の審査に通らない可能性がある

そもそもベンチャー企業は融資の審査に通らない可能性があります。新しく事業を開始したばかりであり、安定した経営の段階に達していないことが多いためです。

特に、設立から日が浅い企業や顕著な収益を上げていない企業は、金融機関にとって貸し倒れのリスクが高いと判断されやすく、融資を得るのは困難になります。

ベンチャー企業が融資を通すうえで重要な点

融資は審査に通過しなければ利用できません。信用力に乏しいベンチャー企業が融資を通すポイントは次の通りです。

  • 計画的な事業計画書を作成する
  • 自己資金をある程度確保する
  • 資金使途を明確にする
  • 自社の返済能力をアピールする
  • 経歴や信用情報に問題はないか確認しておく
  • 誠実な態度で接する

すべて詳しく解説します。

計画的な事業計画書を作成する

まずは計画的な事業計画書を作成しましょう。ベンチャー企業の融資にとって、事業計画書の準備は非常に重要です。説得力のある事業計画書があれば、実績が乏しくても金融機関に対して事業の実現可能性をアピールでき、高い返済能力を示すことができます。

事業計画書は実際のデータや根拠をベースにして、現実的な成長戦略や利益の予測を立てることが重要です。非現実な予測や現実離れした計画は、かえって金融機関の信頼を損ねる恐れがあるため注意が必要です。

自己資金をある程度確保する

自己資金をある程度確保することは、ベンチャー企業が融資を受ける際に重要です。金融機関に対して企業が安定した経営基盤を持ち、返済能力があることを示す指標となるためです。

そもそも金融機関によっては、自己資金がなければ融資を利用できないところも少なくありません。例えば、日本政策金融公庫の新創業融資制度では、必要資金の10%以上を自己資金として確保する必要があります。

※参考:日本政策金融公庫|新創業融資制度

資金使途を明確にする

融資を受ける際には、資金使途を明確に示すことが大切です。明確な資金使途を示すことは、融資額が妥当であることを金融機関に納得させるうえで役立ちます。

資金使途が不明確だと、必要以上に大きな額を希望しているような印象を与え、経営者の信用を損ねる可能性があります。融資で調達する資金に対して、常に明確な説明ができるように準備しておきましょう。

自社の返済能力をアピールする

ベンチャー企業が融資を成功させるためには、自社の返済能力をアピールし、金融機関に計画通りの返済が可能であると確信してもらうことが大切です。具体的には、税引後利益に減価償却費を加えた金額が、求められる返済額をカバーできるかどうかを検証することが重要です。

ただし、十分な利益が出ていないベンチャー企業も少なくありません。創業間もないベンチャー企業は、将来のビジネスモデルや成長戦略に基づく信頼性の高い返済計画を示しましょう。将来的に安定して収益を上げられることを具体的な数字やデータで示せれば、金融機関からの融資を受けやすくなります。

経歴や信用情報に問題はないか確認しておく

審査を受ける前には、経営者の経歴や信用情報に問題はないかを確認することも大切です。ベンチャー企業が融資を受ける場合、経営者自身も審査対象の一つとなります。事業計画に問題がなくても、経営者に支払いの遅延や自己破産などの金融事故が記録されている場合、審査に悪影響を及ぼす恐れがあるでしょう。

個人の信用情報は、日本信用情報機構(JICC)株式会社シー・アイ・シー(CIC)のサイトから取得することができます。

誠実な態度で接する

金融機関の担当者と接する際は、誠実な態度を心がけましょう。審査は人間が行うため、態度や対応によっては良くない印象を持たれる恐れがあります。

例えば、不誠実な態度や不適切な対応を取ると、経営者としての資質を疑われてしまう可能性があるでしょう。特に、ベンチャー企業は実績でのアピールが困難であるため、担当者と良好な関係を築いておくことは非常に重要です。

ベンチャー企業が融資以外に資金調達をする方法

融資以外にも、ベンチャー企業はさまざまな方法で資金調達できます。ここでは4つの選択肢を紹介します。

  • 助成金・補助金
  • ベンチャーキャピタル
  • クラウドファンディング
  • ファクタリング

それぞれ詳しく解説します。

助成金・補助金

助成金と補助金は、どちらも返済不要な支援金ですが、目的や管理機関に違いがあります。補助金は中小企業や小規模事業者を支援する目的で、主に経済産業省や地方自治体が管轄するものです。例としてはIT導入補助金やものづくり補助金などがあります。

助成金は雇用の増加や人材育成を目的とし、主に厚生労働省が管轄しています。利用するためには制度の条件を満たし、審査に通過する必要があります​​。

返済不要というメリットはありますが、どちらもかならずしも採択されるとは限りません。例えば、ものづくり補助金の採択率は50%前後です。助成金と補助金の違いについては、次の記事で詳しく紹介しています。

補助金と助成金の違いは?申請の手順や注意点も解説

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルとは、未上場のベンチャー企業やスタートアップに出資を行う投資会社です。資金だけでなく経営ノウハウや戦略的アドバイスを提供し、企業の成長をサポートします。

株式の譲渡と引き換えに出資を受けるため、融資と違って返済する義務はありません。一方で、株主となることから経営に関与されたり、場合によっては株式の買い取りを迫られたりする可能性があります。

ベンチャーキャピタルのメリットや注意点は、次の記事を参考にしてください。

ベンチャーキャピタル(VC)とは未上場企業への投資会社!メリットや注意点は?

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、インターネットを介して日本中、世界中の人から資金を集める方法です。実現したいことや挑戦したいことを「プロジェクト」という形にし、目標金額を公開して支援を受けるシステムです。購入型や融資型、株式投資型、寄付型などさまざまな形態があります。

クラウドファンディングは一般的に審査や手続きが不要で、利用規約に違反していなければ誰でも簡単に資金調達が可能です。しかし、目標金額に達しないリスクがあり、プロジェクトによっては資金提供を受けられない場合も考慮する必要があります​​。

具体的な種類やメリット、注意点は次の記事で解説しています。

クラウドファンディングとは?種類や出資を得るメリット、注意点を解説

ファクタリング

ファクタリングは、企業が所有する売掛金を売却するという資金調達方法です。ファクタリングの大きなメリットは、スピーディーに資金調達できるという点です。

融資の場合、実行までに数ヶ月かかることも珍しくありません。審査によっては時間がかかったにもかかわらず、融資が実行されない可能性もあるでしょう。

一方、ファクタリングは最短即日で資金調達できます。そのため、次の資金調達までのブリッジファイナンスとして使う場合や、人材の採用やマーケティングなど短期間で局所的に資金を投じたい場合に用いられます。

ファクタリングを利用する際の注意点として、他の方法に比べて手数料が割高になる点と、3者間ファクタリングの場合は売掛先も交えて取引が行われる点が挙げられます。
詳しくは次の記事を参考にしてください。

ファクタリングのメリット・デメリットとは?

まとめ

ベンチャーの融資にはさまざまな選択肢があります。自社の投資ラウンドやシリーズに合った調達先を検討し、適切に計画を練ることが大切です。

融資以外にも、助成金・補助金やベンチャーキャピタルといった選択肢がありますが、素早い資金調達を視野に入れている場合は、スタートアップ向けのファクタリングサービス『マネーフォワード トランザクションファイナンス for Startups』がおすすめです。
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