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日本政策金融公庫の新規開業資金とは?審査に通るポイントや注意点解説

#資金調達

日本政策金融公庫では、これまで 創業融資として『新創業融資制度』がありましたが、2024年3月をもって廃止され、新たに開業間もない人を資金面で支えるための制度として『新規開業資金』が拡充されています。新旧の制度の違いはどこにあるのか、どこが改善されているのでしょうか。

本記事では日本政策金融公庫の新規開業資金について解説します。新創業融資制度との違いや改善点、審査に通るポイントなどにも触れています。ぜひご一読ください。

目次

日本政策金融公庫の新規開業資金とは

2024年3月をもって、日本政策金融公庫の新創業融資制度は廃止されました。上限3000万円のこちらの融資は、新たに起業する人や事業開始後2期を経過していない事業者に数多く利用されてきましたが、現在は拡充された新規開業資金が、そうした方々の受け皿となっています。

日本政策金融公庫の新規開業資金とは、新たに事業を始める人や事業開始後おおむね7年以内の人を対象に上限額7,200万円まで融資を行う制度です。

名称に違いはあるものの、実質的には従来の新創業融資制度は、新規開業資金に組み込まれていると考えていいでしょう。

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日本政策金融公庫の新規開業資金の概要

日本政策金融公庫の新規開業資金の概要は以下の通りです。

  • 対象者:新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方
  • 資金使途:新規事業開始や事業運営に必要な設備資金および運転資金
  • 融資限度額:7,200万円(うち運転資金は4,800万円まで)
  • 返済期間:20年以内(設備資金)、7年以内(運転資金)
  • 設備資金:最長20年(据置期間5年以内)
  • 運転資金:最長10年(据置期間5年以内)
  • 利率:基準利率が適用されます。特定の条件を満たす場合、特別利率が適用されることがあります
  • 担保・保証人:利用者の希望に応じて相談可能
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新創業融資制度が廃止になって制度が改善された新規開業資金制度

従来は創業期の企業に向けた「新創業融資制度」という制度が設けられていましたが、2024年3月31日で取り扱いが終了しました。その代わりに、新規開業資金制度の内容が拡充されて運用されています。ここでは、具体的な変更点を解説します。

場合によっては担保と保証人が必要ない

新規開業資金制度では、創業期の事業主が資金調達で苦労しないよう、事業開始前または税務申告が2期未満の事業主は、原則無担保・無保証人で申し込み可能です。そのため、資産や保証人を用意できない事業主でも、融資を受けられる場合があります。

ただし、場合によっては必要になるケースもあるので事前に確認しましょう。

返済期間が延長された

新規開業資金制度では、返済期間が従来の新創業融資制度よりも延長されました。具体的には、設備資金の返済期間が20年以内(据置期間5年以内)に延長されています。

また、運転資金は7年以内から10年以内(据置期間5年以内)に変更されました。

利率が一律0.65%引下げられた

利率の引き下げも改善点の一つです。新規開業資金制度において新規事業者や税務申告2期未満の事業主は、利率が一律で0.65%引き下げられています。

なお、雇用拡大を行う場合は0.9%の利率の引下げとなります。

自己資金要件が撤廃された

従来の新創業融資制度では、「創業資金総額の1/10以上」の自己資金が必要でした。たとえば、5,000万円の創業資金の場合は、500万円の自己資金が求められていました。

新規開業資金制度では、2024年以降は自己資金なしでも申し込みが可能です。

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日本政策金融公庫の新規開業資金の3大特典

日本政策金融公庫の新規開業資金を利用すると、さまざまな特典があります。ここでは代表的な3つの特典を解説します。

女性、若者、シニアが創業する場合

女性や若者、シニアの方が創業する場合、基準利率よりも低い特別利率が適用されます。

廃業歴等があり、創業に再チャレンジする場合

新規開業資金は、前事業の債務を返済するための資金としても利用できます。ほかの融資制度の一般的な返済期間は7年以内となっていますが、15年以内に延長されています。

中小会計を適用して創業する場合

中小会計を適用して創業する場合も特典があります。具体的には、事業計画書を策定し、認定経営革新等支援機関による指導および助言を受けている人は、特別利率が適用されます。

ただし、「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を適用しなければならない点に注意が必要です。

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日本政策金融公庫の新規開業資金の審査に通るポイント

日本政策金融公庫では、融資を行う上で審査を設けています。ここからは、審査に通る3つのポイントを解説します。

事業計画で成長性や返済能力について明確に説明する

審査に備え、事業計画や成長性、返済能力について明確にして説明できるように準備しましょう。審査では事業計画書の内容が重視されるため、収益見込みや市場調査をしっかり行うことが大切です。

面談では、計画の具体性や数字の根拠を明示し、収益性と返済能力をアピールすることが重要です。計画が実現可能であることを説明して、事業の成長性や市場での競争力を強調すると審査に通りやすくなります。

できる限り自己資金を用意しておく

新規開業資金制度では、自己資本要件が撤廃されています。しかし、依然として自己資本は重要な要件であるため少額でも積み立てを行い、計画性をアピールすることが望ましいです。

なぜなら、自己資金は事業への本気度や資金調達の計画性を示す重要な要素だからです。自己資金が多いほど、融資を受けやすくなるでしょう。

代表者自身の信用情報に問題がないか確認する

事業だけでなく代表者自身の信用情報に問題がないか確認することも重要です。代表者の過去の金融事故や延滞履歴が審査に悪影響を与える可能性があるからです。

融資前に信用情報機関(CICやJICC)で自身の信用状況を確認し、問題があれば事前に対処しましょう。また、税金や公共料金の未払いなど、細かい点にも注意を払う必要があります。

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日本政策金融公庫の新規開業資金に関する注意点

日本政策金融公庫の新規開業資金の利用にあたっては注意点もあります。代表的な3つの注意点を紹介しますので、理解しておきましょう。

資金使途が新規開業に限られる

日本政策金融公庫の新規開業資金制度の融資対象は、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方です。そのため、既存事業の運転資金には利用できません。

また、設備投資や開業準備に特化しているため、資金用途を事前に明確化しておかなければなりません。資金使途に合致しない場合は、ほかの融資制度を検討するのも良いでしょう。

着金までに時間がかかることもある

審査から融資実行まで時間がかかる可能性があります。事前に長い審査期間を見越して、資金繰り計画を余裕を持って立てる必要があります。

また、面談・審査における書類不備や追加書類の提出などで、さらに時間がかかる場合も考えられるでしょう。開業準備のスケジュールに影響が出ないように、早めに申請を行うことが重要です。

場合によって担保・保証人が求められる

新規開業資金制度では、基本的には無担保・無保証での融資を行っています。しかし、融資額や事業規模によっては担保・保証人を求められることがあるので注意が必要です。

必要に応じて、担保となる資産の評価や保証人の同意を得ておくとスムーズに手続きを進められるでしょう。

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まとめ

日本政策金融公庫の新規開業資金制度は、従来の新創業融資制度の問題点を踏まえて改善された新たな融資制度です。融資制度の対象者は、新たに事業を始める人や、または事業開始後おおむね7年以内の人です。ただし、着金までに時間がかかることや、場合によっては担保や保証人が求められるケースもあります。

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