エクイティ投資は投資家側(出資する側)にも企業側(出資を受ける側)にもメリットがあります。たとえば、企業側にとっては返済義務がないため、資金調達しても経営を圧迫しない利点があります。
一方で、デメリットがいくつかあることも事実です。本記事ではエクイティ投資とは何かを説明し、メリット・デメリットと出資を受けやすい企業を紹介します。
エクイティ投資とは、投資家が企業の成長や利益に期待し、企業の株式を対価にして投資を行う投資方法です。
ここでは「エクイティとはなにか」を説明し、エクイティファイナンスやデット投資との違いを紹介します。
エクイティとは、株主資本のことです。株主資本とは株主からの出資金や資本準備金、利益剰余金などの株主に帰属する資本を指します。
エクイティ投資では、投資家が企業に資金を出資し、対価として株式を取得します。投資家は、企業が成長した際に、株価の上昇や配当といった利益を得ます。 一方で、企業の業績悪化によっては損失を被るリスクもあります。詳しくは次の記事を参考にしてください。
エクイティ(Equity)とは株主資本のこと!エクイティファイナンスのメリットや手順を解説
エクイティ投資とエクイティファイナンスは、どちらも基本的な内容は同じです。ただし、視点が異なります。
エクイティファイナンスは企業側からの視点です。企業が株式を発行して、資金を調達する方法を指します。エクイティ投資は投資家側からの視点です。投資家が企業の株式を取得し、企業の成長に伴うリターンを期待する投資行動を指します。
エクイティファイナンスについては次の記事で詳しく解説しています。
エクイティファイナンスとは?向いている企業や成功させるポイントを紹介
デット投資とは、企業にお金を貸して利息を受け取る投資のことです。銀行にお金を預けると利息がもらえるのと同じように、お金を貸し付けて利息を受け取ります。
投資家にとって、エクイティ投資と比べると、デット投資のほうが一般的にリスクは低いといわれています。企業が倒産した場合でも、債権者は株主よりも先に返済を受ける権利があるためです。一方、リターンは株式投資に比べると低い傾向にあります。
「投資される側」から見たデットファイナンスのメリット・デメリットは次の記事を参考にしてください。
企業側は、自社に資金調達が必要かどうかを慎重に見極める必要があるでしょう。エクイティ投資を受ける場合は、自社の株式を譲渡することになるため、経営面に対してのリスクも内包するからです。
ここではエクイティ投資のメリットを、「投資家(出資する側)」「企業(出資を受ける側)」それぞれの視点から紹介します。
投資家側にとっては、投資先の企業が成功すれば、投資金額をはるかに超えるリターンを得られる可能性があるでしょう。たとえば、スタートアップが新規上場を果たすようなケースでは、株式価格が大きく高騰し莫大な利益を生み出すこともあります。
また、優秀な起業家やほかの投資家との人脈を築ける点も大きなメリットです。人脈を築くことで、新たなビジネスチャンスの道が拓ける可能性もあります。
さらに、エクイティ投資には税制面での優遇措置も用意されています。エンジェル税制などの制度を利用することで、スタートアップへの投資や株式売却益に対して税負担を軽減できる場合があります。
企業にとって大きなメリットの一つは、資金の返済義務がないという点です。銀行からの借り入れとは異なり、元本を返済する必要がないだけでなく、利息の支払いも不要です。利益が出た際には配当金を株主に還元する必要はありますが、銀行融資のように毎月の返済に追われることがないため経営を圧迫しません。
エクイティファイナンスで得た資金は、貸借対照表上で自己資本とみなされることも大きなメリットです。自己資本比率が高まると経済力のある企業として認められ、取引先や金融機関からの信頼も厚くなり、事業拡大の機会も広がっていくでしょう。
また、銀行融資では現在の収益状況が重視されるのに対し、エクイティファイナンスは将来性や成長性が評価されます。現時点では赤字であっても、投資家から資金調達できる可能性があります。
エクイティ投資はメリットばかりではありません。ここでは「投資家側(出資する側)」「企業(出資を受ける側)」それぞれのデメリットを紹介します。
投資家側は、エクイティ投資がハイリスク・ハイリターンであると認識しておく必要があります。経営判断の誤りや想定外の市場変化、世界情勢の変動など、さまざまな要因によって事業が失敗に終わる可能性があるためです。
コンサルティング能力や戦略立案力に自信のある投資家であれば、投資先企業の経営に関与し、事業を成功に導くこともできるでしょう。しかし、必ず成功するとは限りません。経営陣との意見の相違や予期せぬトラブルによって、期待通りの成果を上げられないケースもあるでしょう。
未上場企業への投資は、特に注意が必要です。必要以上の出資額を求められたり、経営への関与を制限されたりすることもあるため、投資トラブルに詳しい弁護士に相談するなど自衛策を講じておくことが重要です。
企業のデメリットとしては、既存株主の持株比率が希薄化するという点が挙げられます。新たな株主が増えることで、既存株主の持ち株比率が低下し、経営に対する影響力が弱まる可能性があるでしょう。
場合によっては、保有株数を増やした投資家が経営に関与してくるケースもあります。最悪の場合、創業者が経営権を奪われてしまうリスクもあるため、慎重な検討が必要です。
エクイティ投資はデットファイナンスと異なり、赤字の企業でも投資対象になりえます。だからといって、すべての企業が出資を受けられるとは限りません。
場合によっては、ほかの資金調達を余儀なくされることもあるでしょう。ここではエクイティ投資の対象になりやすい企業の特徴を紹介します。
投資家が重視するポイントの一つが「今後の成長が期待できる企業か」にあります。投資家は将来性を見越して出資するため、現在の実績だけではなく、将来的な成長の可能性に注目します。企業が成長し、将来的にIPOを果たせば、投資家は大きなリターンを得られる可能性があるからです。こうした背景から、上場を視野に入れている企業は投資先として選ばれやすい傾向にあるでしょう。
特にスタートアップは、エクイティ投資の対象に選ばれやすいです。大企業に比べて成長のスピードが速く、大きなリターンが期待できる可能性を秘めているからです。スタートアップがエクイティファイナンスで資金調達するメリットについては、次の記事を参考にしてください。
スタートアップがエクイティファイナンスで資金調達するメリットとは
新規市場を開拓している企業は、すでに一定の顧客基盤や事業ノウハウを持っている場合が多く、新規事業の成功確率が高いとみなされやすいでしょう。ゼロから事業を立ち上げるスタートアップに比べて、リスクが低いと判断される傾向があります。
また、新規市場を開拓する企業は、今までにない革新的な製品やサービスを生み出しているケースが多く、競合との差別化をはかりやすいという特徴も持ち合わせています。市場のニーズと合致すれば、爆発的な人気を獲得し、大きな利益につながる可能性があるでしょう。
上場によるイグジットを目指している企業も投資対象として注目されやすいです。企業が上場を果たせば、株式は市場で自由に売買できるようになり、投資家は保有する株式を売却することで、大きな利益を得られる可能性があります。
また、企業は厳格な上場審査基準を満たすために、約3年ほどの時間をかけて財務状況の改善や内部管理体制の強化、事業計画の見直しなどの取り組みを徹底的に行います。経営の透明性を高め、持続的な成長を追求していく必要があるため、投資家にとって安心できる投資対象といえるでしょう。
エクイティ投資は、大きなリターンを期待する投資家にとって有効な投資方法の一つです。赤字の企業でも投資対象となりますが、必ずしも出資してもらえるとは限りません。場合によっては、資金調達までかなりの時間がかかることもあるでしょう。
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