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資金調達時の金利相場を調達先別に解説!金利が決まる要素も紹介

資金調達するときの金利は、調達先によって相場が異なります。日本政策金融公庫や民間の金融機関などの目安と、実際に適用される金利が決まる要素について解説するので、ぜひ参考にしてください。また、少しでも低い金利で借りる方法についても紹介します。

目次

資金調達する方法

創業するときや新規事業に着手するとき、また事業拡大するときなど、さまざまなシーンで資金調達が必要になります。一般的な資金調達の方法としては、次の4つが挙げられるでしょう。

  • 金融機関から融資を受ける
  • 出資を募る
  • 補助金制度を利用する
  • ファクタリングを利用する

それぞれの方法の特徴やメリット、注意すべきポイントについて詳しく解説します。

金融機関から融資を受ける

資金調達の必要が生じたときは、金融機関から融資を受ける方法が一般的です。銀行や信用金庫などの民間金融機関から借りる場合や、民間金融機関の補完目的で設立された日本政策金融公庫などから借りる場合があります。

いずれの金融機関から借りる場合も、借り入れた資金を返済することは借りた側の義務です。また、借り入れた元金だけでなく、利息も合算して返済します。なお、利息は借入金額と借入期間、適用金利によって決まるため、借入期間が長いときや適用金利が高いときは利息総額が多くなる点に注意しましょう。

▼より詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
「日本政策金融公庫で融資を受ける流れを解説!注意点や審査のコツも紹介」

出資を募る

融資と返済はセットです。そのため、融資を受けた後は返済が始まり、融資を受ける前よりも毎月の支出が増えることになります。

一方、出資は返済を伴わない資金調達方法です。ベンチャーキャピタルなどから出資を受けたり、クラウドファンディングサイトなどを使って出資を募る方法があります。

なお、ベンチャーキャピタルは、出資先の企業が将来成長したときに利益を獲得することを目的として出資します。そのため、出資先から株式を受け取ったり出資先の経営に積極的に関わったりすることも多いです。ベンチャーキャピタルから将来性が高いと判断されないときは、出資を受けることは難しいでしょう。

またクラウドファンディングでは、出資を募る際に事業内容や将来性についてインターネット上で紹介し、出資者の共感を得ることが必要です。出資者は主に個人であるため、個人が共感しやすい内容の事業であることが好ましいでしょう。

▼より詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
「クラウドファンディングとは?種類や出資を得るメリット、注意点を解説」

補助金制度を利用する

国や自治体では、不定期に補助金制度や助成金制度を実施しています。事業拡大やIT化、創業などに使えることがあるので、募集要項を確認し、条件に合致するときは申込みましょう。

補助金・助成金のいずれも返済の義務はないため、負担なく利用できる点も特徴です。ただし、基本的には予算が決まっているため、早期に打ち切られることがあります。補助金・助成金の案内をこまめにチェックし、利用できそうな制度を見つけたときはすぐに申込むようにしましょう。

▼より詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
「補助金と助成金の違いは?申請の手順や注意点も解説」

ファクタリングを利用する

ファクタリングとは、未回収の売掛金があるときなどに利用できる資金調達方法です。融資や補助金を受けるときには審査に2週間~1か月ほど時間がかかることが多いですが、ファクタリングは入金されるまでの期間も短い傾向にあります。

また、ファクタリングは売掛金を回収する先、つまりファクタリングを申込んだ側ではなく取引先の信用を重視して審査を行うことが一般的です。そのため、金融機関の融資審査に通過できなかったときや、金融機関からの借入れ額が大きく返済能力が低いと判断されるときでも利用できることがあります。

ファクタリングには主に2者間ファクタリング3者間ファクタリングの2つの種類があるので、それぞれのメリットや注意点を理解してから選ぶようにしましょう。

2者間ファクタリングとは

2者間ファクタリングは、ファクタリング会社と利用者だけで資金のやり取りを行う方法です。利用者はファクタリング会社に売掛債権を譲渡し、手数料を差し引いた形で資金を受け取ります。取引先から売掛金が入金されたときは、全額をファクタリング会社に送金することが必要です。

2者間ファクタリングでは、すべての手続きをファクタリング会社と利用者だけで行うため、資金繰りが厳しいことを取引先に知られないというメリットがあります。その一方で、2者間ファクタリングでは直接ファクタリング会社が売掛債権の回収を行わないため、この後説明する3者間ファクタリングに比べると手数料が高めに設定されている場合があります。

3者間ファクタリングとは

3者間ファクタリングでは、ファクタリング会社と利用者、そして売掛金をまだ支払っていない取引先の3社で資金のやり取りを行います。利用者はファクタリング会社から資金を受け取り、取引先は売掛金をファクタリング会社に支払う方法です。

3者間ファクタリングでは、取引先からファクタリング会社の利用に関して承諾を得ることが前提になります。そのため、取引先に資金繰りが厳しい状態にあることを知られてしまうという懸念点があるでしょう。しかし、取引先に入金を催促しなくても良くなること、手数料が比較的低めであることなどのメリットもあります。

メリットと注意点を比較し、適切なファクタリングを選びましょう。ただしファクタリング会社によっては2者間、3者間のどちらかのみに設定していることもあるため注意が必要です。

▼より詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
「2者間ファクタリングと3者間ファクタリングの違い」

資金調達時の金利相場

出資や補助金、ファクタリングで資金調達をするときには、返済の義務はありません。しかし、融資によって資金調達するときは返済の義務があるため、どの程度の利息が発生するのか調べておくことが必要です。

利息は、適用金利と借り入れた金額、借り入れる期間によって計算されます。そのため、適用金利が低いと、長期間借り入れても利息が大きくなりにくいというメリットがあるでしょう。

金利は金融機関ごとに異なりますが、金融機関の種類によっても異なります。日本政策金融公庫と銀行・信用金庫、消費者金融などのノンバンクの3つの種類に分けて、金利の相場を見ていきましょう。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、民間金融機関を補完する目的の国の機構のため、低金利に設定されています。また、創業向けの融資を実施していることも日本政策金融公庫の特徴です。民間金融機関では融資審査時に事業実績や今までの金融機関との取引なども重視するため、実績も金融機関との取引もない創業時などには借りづらいことがあります。しかし、民間金融機関の補完目的で設立された日本政策金融公庫なら借りられる場合があるでしょう。

日本政策金融公庫では貸付期間ごとに適用金利の基準を定めています。例えば2022年7月1日時点での中小企業向けの融資に対しては、年0.3〜1.65%の金利です。ただし担保の有無や融資の種類によっても適用される金利は異なるので、注意しましょう。

参考:日本政策金融公庫「金利情報|中小企業事業(主要利率一覧表)」

銀行、信用金庫

銀行や信用金庫などの民間金融機関では、借入金額や借入期間だけでなく、審査の結果によっても適用される金利が異なります。そのため、日本政策金融公庫と比べると金利の幅が広く、年1%程度の低金利で借りられることもあれば、年14%程度の高めの金利となることも珍しくありません。

また、変動金利が適用されることもあります。変動金利とは、適用される金利が借入期間中に変わる可能性がある金利方式です。銀行や信用金庫では、借入期間が長い場合は変動金利に設定し、政策金利が高くなったときなどのリスクに備えることがあります。

消費者金融などのノンバンク

消費者金融や信販会社などのノンバンクから資金調達することもあるでしょう。ノンバンクとは預金業務を行っていない金融機関で、審査は早く、急いで資金調達したいときにも対応できるという特徴があります。審査や借り入れる金額などによって適用金利は変わりますが、年3〜18%程度と銀行や信用金庫に比べると高めのことが多いです。

なお、ノンバンクではビジネス向けの融資であっても、特に使途を問われない商品もあります。そのような商品を利用するときは、借りた資金を事業資金以外、例えば生活費などに使うことも可能です。ビジネスと生活が直結する傾向にある個人事業主にとっては、利用しやすいかもしれません。

資金調達時の金利が決まる要素

金融機関で資金調達をするときは、審査によって金利が決まることがあります。金利が決まる主な要素としては、次の3つが考えられます。

  • 貸付側の信用状況
  • 貸付側のコスト
  • 借入側の信用状況

それぞれの要素について解説します。

貸付側の信用状況

紹介したように、融資を受けるときは金融機関の種類によって金利が大きく異なります。これは金融機関側、つまり貸付側の資金調達のしやすさや信用状況によって、提供できる金利が異なるということを意味しているといえるでしょう。

例えば、銀行が企業などに融資する資金は、すべて銀行の自己資金ではありません。銀行では預金業務を通して消費者などからお金を預かり、それを資金として融資を必要とする法人・個人に貸し出しています。信用力の高い銀行は低金利でも資金を集めることができるため、低金利で融資をすることも可能です。

一方、消費者金融などのノンバンクは預金業務を行っていないため、消費者からお金を預かることができません。銀行などの金融機関からお金を借りて融資を実行するため、法人・個人に融資をするときには、利益とは別に金融機関に支払う利息も上乗せすることになります。その分、借りる側には高い金利が課せられることになるのです。

貸付側のコスト

融資の金利には、貸付側のコストも含まれます。金融機関の運営にかかる費用、広告宣伝費、人件費などのコストと、貸付側が確保する利益を加えて金利を算出するため、コストがかかっている融資商品は金利が高めになるでしょう。

借入側の信用状況

金利には、借入側の信用状況も反映されます。信用が高いと判断される場合は比較的低い金利で融資を実行し、反対に信用力に問題があると判断される場合は、高めの金利を適用するか、あるいは融資を実行しない場合があるでしょう。

融資をした資金を回収できない場合は、金融機関は大きな損失を被ることになります。貸し倒れを回避するためにも、借入側の信用力によって金利に傾斜をつけ、資金回収できるように取り図ることが一般的です。

資金調達時の金利を下げる方法

融資により資金調達するときは、少しでも低金利の方法で借りることで利息を減らし、返済の負担を軽減することができるでしょう。低金利が適用されるために実行できる、具体的な方法を3つ紹介します。

  • 返済期間を短くする
  • 経営計画書を丁寧に作成する
  • 会計処理を正確に記録する

それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。

返済期間を短くする

返済期間が短いと適用される金利が低くなります。例えば、日本政策金融公庫の中小企業向けの基準利率は、返済期間が5年以内であれば年1.07%です。しかし、返済期間が9年超10年以内のときは年1.25%、返済期間が19年超20年以内のときは年1.65%と、返済期間が長くなるほど適用金利が高くなり、利息が高額になってしまいます。

また、適用される金利に関わらず、返済期間を短縮することで利息を減らすことも可能です。利息は借り入れた元金と金利、借入期間によって計算するため、借入期間を短縮すればするほど利息の支払総額が減るでしょう。

なお、あらかじめ毎月の返済額を決めて融資を受けることが一般的ですが、融資商品によっては任意のタイミングで既定の返済額よりも多めに返済できるものもあります。余裕があるときは多めに返済して、早期に借入残高を減らし、返済期間の短縮と利息削減を実現できることがあります。

ただし既定の返済額以上を返済するときに手数料が発生する商品では、早期に完済することが返済負担の軽減につながらない可能性があります。返済前に金融機関に問い合わせておくことが必要です。

参考:日本政策金融公庫「金利情報|中小企業事業(主要利率一覧表)」

経営計画書を丁寧に作成する

日本政策金融公庫や銀行などの金融機関から融資を受けるときは、経営計画書の提出を求められることが一般的です。金融機関側は経営計画書が現実的か、見通しが甘くないかを判断し、融資審査に反映します。

単に提出書類だからと適当に作成するのではなく、丁寧に時間をかけ、現実的かつシビアな目線で経営計画書を作成することが必要です。中長期的な展望や、計画の根拠となる具体的なデータ、ビジネスモデルがよくわかる具体的な説明なども含めることで、より信頼性が高く評価に値する経営計画書に仕上がるでしょう。

会計処理を正確に記録する

金融機関から融資を受けるときには、将来の計画だけでなく、今までの会計処理もチェックされることが一般的です。正確かつ適切に会計処理を記録しているか、資金の出所やキャッシュフローに不明瞭なところがないかチェックされるでしょう。

正確かつ適切な会計書類を提出すれば、金融機関側からの信用を得やすくなります。提出する書類を早めに見直し、正確に記録されているか確認しておきましょう。

まとめ

資金調達には、出資を受ける、補助金を利用する、ファクタリングを利用するなどの方法もありますが、金融機関から融資を受ける方法が一般的といえるでしょう。金融機関から融資を受けるときは、適用金利に注目することが必要です。金利が低いとその分、利息を抑えられ、返済負担を軽減することができます。

また、適用金利が高いときでも、早めに完済するように心掛けることで利息を抑えることが可能です。金融機関とも話し合い、より良い資金調達を実現していきましょう。

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