資金調達は、金利や手数料を考慮することが大切です。複数の資金調達方法や融資機関を比較することで、自社の計画に合った資金調達方法を選択できます。
本記事では、資金調達の金利・手数料を「デットファイナンス」「エクイティファイナンス」「補助金・助成金」「クラウドファンディング」「ファクタリング」ごとに紹介します。
デットファイナンスで資金調達すると、元金に加え利息を支払わなければなりません。資金調達を考える際は、利息分も必ず考慮して計画を立てることが重要です。
ここでは日本政策金融公庫、メガバンク、地方銀行・信用金庫、ノンバンクの金利について解説します。デットファイナンスについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご参考ください。
「デットファイナンスとは?メリット・デメリットや向いている企業を解説」
日本政策金融公庫は、日本政府が全額出資する公的金融機関です。国民生活事業、農林水産事業、中小企業事業の3つのセクターにわたる幅広い融資制度が用意され、特に中小企業や個人事業主のサポートに力を入れています。
金利は以下のとおりです。
(2024年6月1日現在)
金利は非常に細かく設定されています。たとえば、担保があるかどうかでも金利が変わります。詳しくは公式サイトの主要利率をご確認ください。
※1 参考:日本政策金融公庫|国民生活事業(主要利率一覧表)
※2 参考:日本政策金融公庫|中小企業事業(主要利率一覧表)
※3 参考:日本政策金融公庫|農林水産事業(主要利率一覧表)
メガバンクとは、主に次の金融機関を意味します。
メガバンクは基本的に、低い金利で大きな資金を調達できるメリットがあります。一方で、審査が比較的厳しく、スタートアップにとってはハードルが高い可能性があるでしょう。
金利は銀行によって異なります。たとえば三菱UFJ銀行の場合、次のように設定されています。
三菱UFJ銀行が提携している税理士会会員の税理士から紹介を受け、「中小企業の会計に関する指針」に則った会計処理を行う企業は提携ビジネスローン「融活力」を利用できます。
みずほ銀行、三井住友銀行は金利が公開されていませんが、三菱UFJ銀行の金利をおおよその基準として考えておくとよいでしょう。詳しくは実際に問い合わせることをおすすめします。
地方銀行はいわゆる地域密着型の金融機関であり、地元の企業に対して積極的に融資を検討する傾向にあります。信用金庫も地元の中小企業や個人事業主を対象に融資を行う金融機関です。
一般的に、地方銀行や信用金庫は、メガバンクと比較した際に、スタートアップにとって融資を受けやすい傾向にあります。地域経済の活性化をはかるため、メガバンクほど厳しい審査基準を設けず、柔軟に対応するためです。
地方銀行も信用金庫も、融資の金利は各金融機関によって異なります。また、地域のニーズに合わせて多種多様な商品があり、それぞれで金利が変わります。たとえば、創業支援の商品や商店街の地域活性化、SDGsに取り組む企業に向けた融資制度などさまざまです。
ここでは静岡銀行のビジネスローンを例に挙げて、金利を紹介します。
多摩信用金庫の場合、次のとおりです。
公式サイトで金利を公表していない金融機関も少なくありません。詳しくは各金融機関に問い合わせてみることをおすすめします。
ノンバンクとは、銀行ではない金融機関の総称で、一般的に銀行法に基づく銀行業務の許可を受けていない企業を指します。消費者金融や信販会社、リース会社など、さまざまな形態があります。
ノンバンクは金利が高い傾向にある一方、最短即日などスピーディーな借り入れに対応している点が特徴です。消費者金融系の金利は次のとおりです。
※1 参考:AGビジネスサポート
※2 参考:アコム|ビジネスサポートカードローン(個人事業主向け)
※3 参考:プロミス|自営者カードローン
※4 参考:レイク|レイク de ビジネス
エクイティファイナンスで資金調達する際、利息や手数料は発生しません。エクイティファイナンスは企業が株式を発行して資金を調達する方法だからです。つまり、企業は借金をするわけではなく、投資家からの資金提供に対して株式を発行することで応えます。
利息が発生しない理由は、エクイティファイナンスの形式が債務ではなく、出資にあるためです。出資者(株主)は株式を通じて企業の所有権の一部を取得し、見返りとして配当や株価の値上がりによる利益を期待します。このため利息の支払いを受けるわけではありません 。
ただし、株式を譲渡するため、経営の自由度が下がる可能性がある点に注意が必要です。詳しくは、以下の記事をご参考ください。
補助金や助成金の申請は、自分で手続きをおこなう場合、手数料は発生しませんが、専門家や代行業者に依頼すると費用がかかります。代行業者が提供するサービスの費用構造は、主に「着手金+成功報酬」と「成功報酬のみ」の2つのパターンがあります。
それぞれの手数料の相場は以下のとおりです。
依頼する専門家や業者によって、着手金や成功報酬の割合は大きく異なります。事前に問い合わせをして確認することが大切です。
補助金と助成金の違いについては、次の記事を参考にしてください。
「補助金と助成金の違いは?申請の手順や注意点も解説」
クラウドファンディングは、一般の投資家や支援者から直接資金を集める方法です。出資者に対して借金をするわけではないため、利息の支払いは不要です。ただ、多くの場合は利用手数料がかかります。
手数料は主に2種類あります。まず、プラットフォーム利用手数料で、調達した資金の一定割合(通常5%〜10%)を支払う必要があります。次に、決済手数料があり、資金調達額に対して数パーセントがかかります。
たとえば、大手クラウドファンディングサイトである「CAMPFIRE」の場合、手数料は次のとおりです。
クラウドファンディングについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。「クラウドファンディングとは?種類や出資を得るやり方とメリット、注意点を解説」
ファクタリングには、「2者間ファクタリング」「3者間ファクタリング」の2種類があります。
ここではそれぞれの手数料について解説します。
次の記事でも手数料に関して詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
「ファクタリングの手数料の相場は?費用を抑えるポイントなども解説」
2者間ファクタリングとは、ファクタリング会社とその利用者の2者だけで行われる資金調達方法です。利用者が売掛債権をファクタリング会社に売却し、売掛金の金額から手数料を差し引いた額を前払いで受け取ります。ファクタリング会社はその後、実際に売掛金が支払われるまで待ちます。
2者間ファクタリングの手数料は、ファクタリング会社によって異なります。売掛先に通知せずに売掛金を現金化するため、迅速な資金調達が可能ですが、手数料が高く設定されることが多いです。また、手数料には、審査や事務手続きの費用等が含まれます。
具体的な相場は次のとおりです。
3者間ファクタリングは、ファクタリング会社、利用者、および売掛先の3者が関与する資金調達方法です。ファクタリングの利用を売掛先が承認し、ファクタリング会社が売掛金を直接売掛先から回収します。2者間ファクタリングとは異なり、売掛先の承認が必要である点が特徴です。
3者間ファクタリングは2者間ファクタリングよりも、手数料が低い傾向にあります。売掛先がファクタリングに関与し、支払いを直接ファクタリング会社に行うことで、未回収リスクを抑えられるためです。
具体的な相場は次のとおりです。
効率良く資金調達を行うためには、複数の資金調達方法や融資機関を比較し、金利や手数料等を考慮することも大切です。
今週中、今月中といった素早い資金調達を求める場合、当社の『マネーフォワード トランザクションファイナンス for Startups』の利用もおすすめです。業界最低水準の手数料0.5%〜利用できるほか、次のような特徴があります。
資金調達をした経験がなくても利用可能ですので、まずはお気軽に資料ダウンロード・お問合せからご相談ください。
資料ダウンロード:https://mfkessai.co.jp/startup-download-form/document
お問合せ:https://mfkessai.co.jp/startup/contact-form/form
「マネーフォワード トランザクションファイナンス for Startups」は売掛債権を売却していただくことで、最短翌営業日に資金化できるスタートアップのための新しい資金調達手段です。資金調達をご検討中のスタートアップは、ぜひご相談ください。
ファクタリングに関するお役立ち情報を、マネーフォワードケッサイ株式会社が提供いたします。ファクタリングサービス「マネーフォワード アーリーペイメント」は、お客様の所有する売掛債権(売掛金)を売却することで、一定の手数料を差し引いた金額を受け取ることができる2者間ファクタリングサービスです。