スタートアップがクラウドファンディングで資金調達を行うには、メリット・デメリットがあります。クラウドファンディングによる資金調達を成功させるにはメリットとデメリットの両面を把握したうえで、自社にとって必要かどうかを検討することが大切です。
本記事では、スタートアップがクラウドファンディングで資金調達するメリット・デメリットや成功させるポイントを解説します。そのほかの資金調達方法についても紹介しているので、資金調達を検討する際の参考にしてください。
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて多数の個人から小口の資金を集める資金調達方法です。スタートアップにおいては、新製品の開発や市場投入、プロジェクトの実現などに必要な資金を迅速に確保するために利用されます。
クラウドファンディングについては次の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
「クラウドファンディングとは？種類や出資を得るやり方とメリット、注意点を解説」
スタートアップがクラウドファンディングで資金調達するメリットは主に次の3つです。
詳しく解説します。
クラウドファンディングを活用すれば、金融機関やVCからの支援を受ける前のスタートアップでも資金を集めることが可能です。
特に金融機関から融資を受ける場合は、返済能力の有無をチェックされるなど審査が厳しい傾向にあります。一方で、クラウドファンディングでは基本的に返済能力を問われることがありません。
また、ベンチャーキャピタル（VC）やエンジェル投資家のように株式を譲渡する必要はないため、スタートアップが利用しやすい資金調達方法といえます。
クラウドファンディングの実施には、自社のプロダクトやアイデアが実際に市場でどのように受け入れられるかを事前にテストできるメリットもあります。
製品やサービスがアイデア段階であっても、クラウドファンディングのプロジェクトを通じて、製品の潜在的な需要が予測可能です。製品にどれだけの人が興味を持ち、実際に資金を提供するかによって、市場におけるニーズの予想を立てやすくなるでしょう。
また、プロジェクトの進行中に得られるデータや顧客の反応を分析することで、実際にリリースしたときの計画に役立てられる利点もあります。
クラウドファンディングはSNSと連携しやすく、製品やブランドの認知が急速に広がる点もメリットです。
自社やプロジェクトのフォロワーや支援者がキャンペーンを共有することで、より広いネットワークにリーチすることができます。たとえ目標金額に達することができなくても、たくさんの人に認知してもらえ、次回以降のプロジェクトやローンチに有利に働きます。
特に、プロジェクトの支持者は将来的にはファン化が期待でき、支持者になってくれる可能性も高まるでしょう。
スタートアップがクラウドファンディングによる資金調達を行うには、次のようなデメリットもあるため注意が必要です。
それぞれ解説します。
クラウドファンディングの実施には、プロジェクトの詳細やアイデアを公開する必要があります。独自のアイデアやイノベーションを、競合他社や模倣者が認知してしまうリスクがあります。
ほかの企業や個人によって容易に模倣される可能性が伴うことを理解しておきましょう。
クラウドファンディングの種類によっては、期待した金額を調達できない場合がある点もデメリットになります。
一般的に、クラウドファンディングのプラットフォームでは、調達方法として「オール・オア・ナッシング方式」「オールイン方式」の2つのパターンがあります。
クラウドファンディング終了時点で目標額未達の場合は、支援者から集まった資金は全額返金されてしまう方法です。目標額に達しない場合には、お金を1円も受け取れない点がデメリットです。
目標金額を達成せずに終了した場合でも集まった支援金を受け取れる方法です。集まった支援金額に関わらず、プロジェクトを実施しなければならないことに留意しましょう。
クラウドファンディングには、主に購入タイプ、融資タイプ、寄付タイプがあり、購入タイプの場合は、支援者に対してリターンを用意しなければなりません。支援者へのリターンを用意するということは、その分だけ事業に使える資金は目減りするため、資金調達のデメリットといえるでしょう。
たとえば、「オールイン方式」を選んだ場合、目標未達成でもリターンを発送する必要があります。リターンの制作や管理、配送には、コストと時間がかかります。また、リターンが支援者の期待にそぐわなかったり遅配したりなどの場合には、支援者からの不満が生じやすく、プロジェクトの評判に悪影響を与える可能性があります。
スタートアップがクラウドファンディングを成功させるコツは、主に次の5つです。
クラウドファンディングでは、キャンペーン開始前に「何を達成したいのか」、「誰にリーチしたいのか」を明確にする事が成功につながります。
たとえば、認知の拡大が目的なのか、資金調達なのか、製品・サービスの販売なのかを明確にしましょう。また、顧客像となるペルソナを作成するなど、アイデアが実現した際のターゲットを具体的に想定することも大切です。
クラウドファンディングを成功させるには、支援者の共感を呼ぶストーリーテリングも重要です。ストーリーを伝えることで、支援者の感情に訴えてプロジェクトへの共感や関心を引き出すことにつながるからです。
具体的には、プロジェクト化の経緯や過程、解決しようとしている問題などをストーリー形式で詳しく説明しましょう。プロジェクトの目標をストーリーに盛り込み、支援することで達成に貢献できると支援者に感じてもらえるよう工夫することが大切です。
クラウドファンディングによる資金調達を成功させるには、現実的な資金調達目標を設定することも求められます。非現実的な資金調達目標は見栄えがするものの、達成のハードルは高く、達成できなかった場合は支援者を失望させる可能性があるからです。ただし、目標を低く設定すると、十分な資金が集まらない可能性があるため気をつけましょう。
現実的な資金目標を設定するには、まず目標を達成するために必要な資金を見積もることから始めましょう。
クラウドファンディングはプラットフォームによって特徴が異なるため、自社の目的に応じた適切なプラットフォームを選択する必要があります。たとえば、技術革新に特化したプラットフォーム、社会的企業向けのプラットフォームなどを使い分けるようにしましょう。
また、手数料や調達資金の受け取り方なども異なります。サービス内容や利用方法などをよく比較したうえで、自社に適したプラットフォームを選択しましょう。
クラウドファンディングはプロジェクト実施後のみならず、スタート前から潜在的な支援者やファンとの関係構築を進めることで成功につながりやすくなります。
関係性を築ければ、潜在的な支援者は「自分たちでプロジェクトを盛り上げたい」という心理が働き、当事者意識を持って主体的にプロジェクトをサポートすべく動いてくれるからです。
SNSやイベントなども活用して、応援される風土を整えておきましょう。
上記のように、クラウドファンディングにはさまざまなメリット・デメリットがあります。そのため、自社にクラウドファンディングの活用が適しているかを見極めることも大切です。
なお、資金調達方法はクラウドファンディング以外にも、次のようなものがあります。
これらの資金調達方法は、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひお読みください。
「スタートアップ企業が活用可能な資金調達方法５選！メリットデメリットも解説」
スタートアップがクラウドファンディングを利用して資金調達を行う場合には、メリット・デメリットを理解したうえで自社に適しているかを見極める必要があります。
クラウドファンディングの具体的なメリットは、アイデア段階でも資金調達ができ、認知拡大につながる点、テストマーケティングを兼ねて実施できる点などがあります。ただし、アイデアを競合他社などの第三者が知るところとなること、クラウドファンディングの実施方式によっては期待した資金を調達できない可能性があることも理解しておきましょう。
当社が提供する『マネーフォワード トランザクションファイナンス for Startups』は、売掛債権を売却していただくことにより、最短で翌営業日に資金化可能な資金調達手段です。下記のような強みのほか、過去に資金調達の実績がなくとも利用可能ですので、ぜひご利用をご検討ください。
まずはお気軽に資料ダウンロード・お問合せからご相談ください。
資料ダウンロード：https://mfkessai.co.jp/startup-download-form/document
お問合せ：https://mfkessai.co.jp/startup/contact-form/form
「マネーフォワード トランザクションファイナンス for Startups」は売掛債権を売却していただくことで、最短翌営業日に資金化できるスタートアップのための新しい資金調達手段です。資金調達をご検討中のスタートアップは、ぜひご相談ください。
ファクタリングに関するお役立ち情報を、マネーフォワードケッサイ株式会社が提供いたします。ファクタリングサービス「マネーフォワード アーリーペイメント」は、お客様の所有する売掛債権(売掛金)を売却することで、一定の手数料を差し引いた金額を受け取ることができる2者間ファクタリングサービスです。
