
保証人なしで銀行から法人融資を受ける方法4選!具体的な制度も紹介
- 投稿日:2024-12-11
- / 最終更新日:2024-12-11
銀行から融資を受ける場合は、基本的に「経営者保証」を求められることが多いです。ただし、法人と経営者は別人格であることから、「なぜ保証を求められるのだろう」と疑問を抱く人もいるでしょう。
本記事では法人融資の際に銀行から「経営者保証」を求められる理由を説明します。また、保証人なしで銀行から法人融資を受ける方法や具体的な制度を紹介します。
法人融資の際に銀行から「経営者保証」を求められる理由

まず、法人融資の際に銀行から「経営者保証」を求められる理由を説明します。主な理由は3つあります。
会社の財務状況が経営者個人に結びついているから
中小企業では、経営者個人と会社の財務状況が密接に結びついているケースが少なくありません。たとえば、会社の資金繰りが厳しい際に、経営者個人が私財を投じて会社を支えたり、逆に会社の利益を経営者個人が自由に処分したりするケースも考えられます。
このような状況下では、会社と経営者個人の財務状況を明確に区別することが困難です。そのため、銀行は経営者個人の資産状況や信用力も重要な要素として考慮する必要があるのです。
信頼性を高めるため
設立間もない企業や業績が不安定な企業の場合、企業単体の信用力だけでは融資が難しいケースもあります。このような場合に、銀行は経営者個人の信用力を加味して融資のリスクを軽減し、実行可能性を高めます。
経営者を連帯保証人にすることで、企業が返済できなくなった場合でも、個人の資産から回収できるようにしているのです。
経営者に覚悟を持ってもらうため
経営者自身が連帯保証人となることで、事業の責任感とリスクに対する緊張感が高まります。経営者に慎重な経営を促し、安易な投資や過大な借り入れなどを抑制する効果も期待できるでしょう。また、経営者個人の資産が差し押さえられるリスクがあるため、借り入れの返済に対する強い意欲を生み出すことにもつながります。
ただし、近年では、経営者保証の必要性や適切な範囲についての議論が活発化しています。たとえば、中小企業庁は「経営者保証に関するガイドライン」を策定し、経営者保証に依存することなく、企業の成長を支援する融資のあり方を推進しています。
代表者が保証人にならずに銀行から法人融資を受ける4つの方法

保証人なしでも、銀行から法人融資を受けることは可能です。ここでは4つの方法を解説します。
1.代表者以外の人物を連帯保証人にする
会社の状況や銀行の判断によっては、代表者以外の人物が連帯保証人となることも可能です。たとえば、会社の役員や株主、あるいは親族などが連帯保証人になるケースが考えられます。
ただし、連帯保証人を代表者以外の人物に変更するには、金融機関の同意が必要です。また、代表者が経営を次期経営者に引き継ぐ場合、次期経営者に連帯保証債務を受け継いでもらえる場合がありますが、次期経営者の経営能力が十分でなかったり、会社の信用力が低かったりする場合は、金融機関が次期経営者を連帯保証人として認めない可能性もあります。
2.融資を借り換える
保証人なしで銀行から法人融資を受ける方法の一つに、「融資を借り換える」という手段があります。たとえば、保証人付きの融資を利用している場合、保証人なしで融資を受けられる金融機関に借り換えることで、保証人の負担を解消できるでしょう。
近年では、上述した「経営者保証に関するガイドライン」の影響もあり、連帯保証人なしの融資を行う金融機関が増えています。会社の経営状況が良好な場合は、連帯保証なしでの借り換えが認められる可能性もあるでしょう。
3.担保を用意する
万が一、企業が返済できなくなった場合でも、担保があれば債権を回収できる可能性が高まります。そのため、担保を提供することで、連帯保証人なしでも融資を受けやすくなります。
金融機関は、債権回収がしやすいため、人的担保よりも物的担保を好むケースが多いです。物的担保として提供できるものには、以下のようなものがあります。
- 土地や建物
- 株式や債券
- 預金
- 機械や自動車 など
ただし、担保の価値は常に変動する可能性があります。担保の評価額が下落した場合、追加の担保提供を求められるケースもあるため注意が必要です。
4.保証人なしで受けられる制度を利用する
近年、政府の方針や金融機関の取り組みによって、保証人なしで法人融資を受けられる制度が拡充されてきています。たとえば、一部の信用金庫や日本政策金融公庫では、保証人不要の融資が用意されています。
これらの制度を利用すれば、代表者や役員が連帯保証人になる必要がなく、個人のリスクを減らして資金調達を行うことができるでしょう。詳しくは次で説明します。
保証人なしで利用できる融資制度の具体例

保証人なしで利用できる融資制度としては、主に次の4つがあげられます。
- 経営者保証改革プログラム
- 日本政策金融公庫
- 地方公共団体の制度融資
- 民間金融機関
それぞれ解説します。
経営者保証改革プログラム
「経営者保証改革プログラム」は金融庁が主導するプログラムです。中小企業の経営者保証に関する負担を軽減し、事業の継続や成長を支援することが目的です。信用保証協会が従来よりも柔軟な基準で保証を行うことで、金融機関が保証人なしで融資しやすくなっています。
創業時に保証人なしで融資を受けたい場合は、「スタートアップ創出促進保証」を利用できます。「スタートアップ創出促進保証」は保証限度額が3,500万円で、次の企業などが保証対象となります。
- 創業予定者
- 分社化予定者
- 創業後5年未満の法人
- 分社化後5年未満の法人
- 創業後5年未満の法人
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫の融資制度の大きなメリットは、保証人なしで利用できるものが多く、経営者個人の負担を軽減できるという点です。たとえば、創業融資を受ける場合、一般的には保証人が必要となりますが、日本政策金融公庫では、保証人なしでも融資を受けられる場合があります。
具体的には、以下のような融資制度があります。
- 小規模事業者経営改善資金(マル経融資)
- 経営者保証免除特例制度
- 挑戦支援資本強化特別貸付
融資を検討する際は、日本政策金融公庫の窓口に相談してみることをおすすめします。
地方公共団体の制度融資
地方公共団体は地域の金融機関と連携し、独自の融資制度を設けています。内容は地域によって異なりますが、創業支援、設備資金、運転資金、事業承継などさまざまな用途で利用することが可能です。
融資を受けるまでの流れは、まず企業が自治体の窓口に相談し、借入条件に適合しているかを確認します。条件を満たしていれば、自治体から金融機関に紹介状が発行されます。その後、金融機関が信用保証協会の保証を得て、審査を行い、融資を実行するという仕組みです。
ただし、制度によっては、専門家との面談や事業計画書の提出などが求められる場合があり、融資実行までにある程度の時間がかかる可能性があります。
民間金融機関
2023年4月から、金融庁は民間金融機関に対する「監督指針」を改正し、経営者保証を求める際の手続きを厳格化しました。金融機関は経営者保証に依存せず、次の点について事業者に丁寧な説明と記録が求められます。
- どの部分が十分ではないために保証契約が必要となるのか
- どのような改善を図れば保証契約の変更・解除の可能性が高まるのか
引用:金融庁「経営者保証改革プログラム」に関する事業者向けパンフレット(p.2)
https://www.fsa.go.jp/common/about/keieishahoshoukaikakuprogram.pdf
また、金融機関は「無保証融資」と「有保証融資」それぞれで説明・記録の徹底を目指すよう求められています。今後、金融機関には、無保証融資や経営者保証に依存しない新たな融資方法を検討していくことが求められます。
まとめ
銀行融資でも、本記事で解説した方法や制度を利用すれば、保証人なしで資金調達することができるでしょう。ただし、保証人なしということは、銀行にとってリスクが高くなるのも事実です。そのため、審査はより厳しくなる可能性があるでしょう。
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