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売掛金回転期間の見方と計算方法

2021-09-24

売掛金回転期間を正しく把握することは、企業の資金繰りをスムーズに行う上で重要なポイントです。この期間から企業がどのような状態にあり、抱えている問題が何であるかを分析できるため、大切な指標です。

この記事では、企業の資金繰りに大きな影響を与える売掛金回転期間の見方や計算方法、課題への対策などをお伝えします。

目次

売掛金回転期間とは?

売掛金回転期間とは、売掛金が現金化されるまでの期間のことを示します。

そもそも売掛金とは、「得意先との取引における売上に対して金銭を受け取る権利、債権の未回収代金」のことです。商品やサービスを売ったり提供したりするときの支払いには、その場で支払いをする場合と、後日代金を支払う場合があります。その代金を後から支払うことを認めた取引を「掛け売り」といいます。

取引の当事者同士による信頼関係により成り立つもので、取引ごとに行われる事務手続き等の頻繁さを省き、スムーズな会計処理を実現する手法として一般的な取引です。

また、経理・会計における「未収入金」は、単発取引での未回収代金を指すもので、継続的な取引を前提とする「売掛金」とは区別されます。

売掛金回転期間の算出方法

売上高に対する売掛金の割合を出せば、企業が保有する債権の未回収代金がおおよそ何か月分の売上に相当するかが算出できます。それにより、代金の回収にどのくらいの時間を要しているのかを数値化することが可能です。

売掛金回転期間が短いほど、売掛金を早く現金化できているため、資金繰りもスムーズであるといえます。

売掛金回転期間の計算式

売掛金回転期間の計算式は次のとおりです。

一般的には月数で表し、例えば、年間売上高が6,000万円、期末売掛金1,000万の場合、売掛金回転期間は次のように算出されます。

売掛金回転期間 = 1,000(期末売掛金)/6,000(年間売上高)÷12 = 2

この例では、売上を計上して現金として回収されるまで、平均2ヶ月ということになります。

売掛金回転期間が算出されたら検証すべきことは?

算出された売掛金回転期間から、自社の資金繰り状態を把握し分析することが重要です。同業他社や相場と比較・検討することにより、自社の資金繰り、経営状態が健全な状態であるかどうかをチェックします。

定期的に観測を続けることで、資金繰りの現状把握と管理業務の効率化にもつながるでしょう。売掛金回転期間を比較・検討する方法は主に次の2つです。

1.算出された数値の同業他社との比較

自社の売掛金回転期間が正常であるか否かを計るために、同業他社と比較する方法です。

一般的には1~2ヶ月以内が目安とされていますが、業種により平均値は異なります。

そのため、同業他社との比較が最も有効です。

例えば、自社の売掛金回転期間が平均2ヶ月であるのに対し、同業他社の回転期間が1ヶ月だったとします。この場合、自社で商品を売ってから現金化するまでの期間は同業他社より1ヶ月も遅いという実態が見えます。

同じサービス・商品を扱っていながら売掛金回転期間に1ヶ月以上の違いが生じている場合、資金繰りに何らかの問題がある、あるいは改善の余地があると判断して、経営方針や代金の回収方法について検討が必要です。

2.自社の過去の売掛金回転期間との比較

売掛金回転期間は、常に一定というわけではありません。

売上高を増やすことで、相手勘定科目である売掛金も増えるため、過去と比較して回転期間が悪化することもあります。そのため、過去5年・10年などの長期間にわたり回転期間を算出すれば、おおよその傾向が見えてきます。

そして過去と比較し、あきらかに回転期間が長くなっていれば資金繰りが悪化しているとみてとれるでしょう。この場合は早急に対処する必要があります。

売掛金回転期間からわかる問題とは?長期化はなぜよくないのか?

前述のとおり、企業にとって売掛金回転期間は短い方が、スムーズな資金繰りが行われていることがわかります。では、売掛金回転期間が長期化することで生じる問題とは一体何なのでしょうか。

貸し倒れのリスクが高くなる

貸し倒れとは、売掛金や受取手形など売上債権の回収ができなくなることです。取引先の経営悪化や倒産などが主な原因で、支払いが困難になると売掛金の回収は見込めなくなります。支払期限を守れない取引先は、経営に何らかの問題が生じていることも視野に入れる必要があるでしょう。

取引先の経営状況を把握して貸し倒れのリスクを軽減するためにも、売掛金回転期間は一つの目安となります。

キャッシュ不足による黒字倒産のリスク

売掛金回転期間の長期化は、代金回収・現金化に時間を要していることを意味します。

売掛金が発生する以上、既に商品・製造費用、管理費用や諸経費などさまざまなコストが発生しているため、代金を回収できなければ現金が不足し、自社の資金繰りに影響を及ぼすでしょう。そして売掛金が回収できず、手元のキャッシュ不足による資金繰り悪化が原因で起こる「黒字倒産」のリスクも高まります。

売掛金回転期間長期化による問題回避の方法とは?

売掛金回転期間の長期化によって起こる問題は、前述のとおりです。これらの問題への対策は以下の3つが考えられます。

  1. 売掛金管理状況(社内システム)の見直し
  2. 分割請求による早期資金回収
  3. 仕入債務回転期間の延長

1.売掛金管理状況(社内システム)の見直し

売掛金回転期間が長期化傾向にある企業では、そもそも売掛金管理の仕組みが構築されていないという問題があります。金額の把握はもちろんのこと、回収・遅延期間についてもルールが定まっておらず、資金の流れ自体が体系化していないこともあります。

売掛金回収作業は、請求書送付から入金管理、未入金時の催促メールや通知、督促など一連の対応が必要です。売上が立つと同時に売掛金を回収することの重要性やスケジュールを売掛金回収業務担当者と営業双方で共有し、スムーズな売掛金回収を目指す必要があります。

社内認識の統一はもちろんのこと、取引先への周知も重要です。支払期日を明確にし、期日に遅延した場合の対処等、取引先の誠実な対応を促す仕組みを明確にする必要があります。

2.分割請求による早期資金回収

売掛金管理状況を見直した上でも改善されない場合、これまでの一括請求を見直し、分割して請求する方法も検討してみましょう。

例えば、すべてのプロジェクト終了後に一括請求するのではなく、プロジェクトの進捗に応じて請求をする方法です。分割して請求・資金回収していくことで、売掛金回転期間を短縮できるため、資金繰りの改善が見込めます。ただし、プロジェクトごとの進捗をしっかり把握する必要があるため、プロジェクト担当者と売掛金回収業務担当者との情報共有が必須です。

3.仕入債務回転期間の延長

「仕入債務」とは、商品や材料などの仕入れに対して代金未払い債務のことです。

売上が立つと同時に、仕入については債務が発生しています。そのため先に売上代金を回収し、後から仕入債務を返済する仕組みができれば、売掛金回転期間の短縮につながり手元資金の増加とともに資金繰りに余裕が出るはずです。

ただし、仕入債務回転期間が極端に長期化すると、事業環境の悪化に伴ものととらえられ、資金繰りの苦しい企業と判断され恐れがあります。仕入債務回転期間の延長を採用する際には、慎重な検討が必要です。

売掛金回転期間をしっかり把握・管理しよう

売掛金回転期間は、資金繰りに直結するため適切に把握し、管理する必要があります。しかし、請求書の発行から、入金確認、未入金の催促・督促等、業務内容は多岐に亘り、担当者の業務が煩雑になりがちです。

  • 確実に売掛金を回収したい
  • 代金未回収のリスクを減らしたい
  • 業務担当者の負担を減らしたい

これらの悩みを一気に解決する方法として「請求代行サービス」を利用するという方法があります。請求代行サービスでは、企業の与信審査から請求書の発行・発送、代金回収、入金確認、未入金時の連絡まで対応してもらうことが可能です。

請求から代金回収までの仕組みができることで、売掛金回転期間も正常な期間で経営ができ、資金繰りの心配もなくなるので、本業に集中して取り組めます。資金繰りの悪化で悩む企業も少なくありませんが、売掛債権が現金化できるまでの期間が明確になるだけで、その後の経営計画・資金計画が変わってくることは明確です。

マネーフォワード ケッサイでは、掛け売りに必要な与信審査・請求書の発行・入金管理・未入金フォローなど、請求に関わるすべてのプロセスを代行しています。もし未入金が発生した場合にも入金を保証、リスクなく掛け売りが可能なサービスをご提供可能です。

また、売掛金の早期振込もオプションで提供しているので、売掛金回転期間をコントロールすることができます。

導入事例:株式会社souco

まとめ

この記事では、売掛金回転期間について、その数値から見える問題点や対策について解説してきました。

売掛金回転期間を正しく把握することは、企業の資金繰りをスムーズに行う上でとても重要です。回収期間が長期化している場合は、まずは売掛金管理状況を見直し改善策を検討しましょう。

財務状況を良好に保つためにも、売掛金回転期間を正しく把握し、しっかりハンドリングできる仕組みを構築していく必要があります。


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