スタートアップにとって、資金調達は事業を次のラウンドに進めるための重要な方法の一つです。資金調達を成功させるうえで、CFO(最高財務責任者)の存在は欠かせません。
本記事では、CFOとは何かを解説し、役割や必要な経験・スキルなどを紹介します。
CFOは、Chief Financial Officerの略称で、企業の財務戦略の立案・実行を担う責任者です。
単なる経理担当ではなく、経営陣の一員として資金調達、投資判断、リスク管理など企業の財務全般を統括し、経営戦略に貢献します。
CFOは資金調達において中心的な役割を担います。経営戦略や投資家へのリターンを明確に説明し、資金調達を成功に導きます。投資家との信頼関係を構築し、良好なコミュニケーションを維持することもCFOの役割です。
また、CFOは経営者と各事業部や管理部門の橋渡し役としても重要です。財務的な視点から経営戦略を評価し、各部門の目標設定や業績評価に関与することで、全社的な目標達成に向けた取り組みを推進します。
CFOと似たような言葉として、CEO、COO、CMOが挙げられます。それぞれの役割は次のとおりです。
CEOは最高経営責任者として、企業全体の経営戦略を担います。COOは最高執行責任者として事業運営を統括する存在です。CMOは最高マーケティング責任者として、マーケティング戦略を統括します。そしてCFOは最高財務責任者として、企業の財務戦略を統括します。
それぞれの役割は異なりますが、各々が専門性を活かしながら連携し、企業の目標達成に貢献します。
CFOにはさまざまな役割があります。ここでは3つの役割を詳しく解説します。
CFOの役割の一つが、事業を加速させるための資金調達です。資金調達には主に「融資」と「出資」の2種類があります。融資は銀行や信用金庫などの金融機関から資金を借り入れる方法です。CFOは金融機関との交渉により、最適な金利や返済条件での融資獲得を目指します。
出資はベンチャーキャピタルや個人投資家などから資金を調達する方法です。出資を受けるためには魅力的な事業計画や成長戦略を提示し、投資家の関心を引く必要があります。CFOは投資家のリスト作成や交渉など、出資を受けるための準備を進めます。
CFOは企業が成長するための財務戦略を立案・実行する役割を担います。財務戦略とは、企業の将来的な財務状況を予測し、資金調達や運用計画を策定するプロセスです。具体的には各部署の要望や事業計画を精査し、企業全体の目標に合致した予算配分を決定します。
また、設備投資や研究開発、M&Aなど、企業の成長に不可欠な投資案件を評価し、投資の意思決定を行います。
CFOは内部統制の構築と監査の実施を通じて、組織基盤の強化をはかります。内部統制とは、企業が業務を効率的かつ適正に運営し、リスクを管理するための仕組みです。具体的には、不正防止や法令遵守、資産保全などを目的としたルールや手続きを定め、運用することを指します。
さらに、企業内部だけでなく、市場関係者や投資家とも積極的にコミュニケーションをはかり、企業の方向性や戦略的な考え方を共有します。
CFOには財務戦略を統括する役割として、さまざまなスキルや経験・知識が求められます。ここでは具体的に解説します。
CFOには財務、経理、税務分野の専門知識と実務スキルが求められます。具体的には次のような知識やスキルです。
金融商品取引法や保険業法、銀行法、税法など、財務関連の法規制に関する知識も必要です。法令遵守の観点から、労働法や個人情報保護法についての知識もあるとよいでしょう。
CFOはマネジメントスキルも求められます。さまざまな部署との連携を通じてチーム全体の成果を最大化するため、各部署の専門性や役割を理解することが重要です。
CFOは自ら手を動かすよりも、チームを統率し、方向性を示す役割が求められます。財務戦略の立案や意思決定など、CFO自身が専門性を発揮する場面もありますが、それ以上にチームメンバーの能力を引き出し、チーム全体のパフォーマンスを最大化することが重要です。
CFOは社内外のステークホルダーと関わる機会が多いため、高いコミュニケーションスキルが求められます。単に財務数値を分析し報告するだけでなく、情報を基に経営陣や従業員、投資家など多様なステークホルダーと対話し、理解と協力を得る必要があります。
CFOは財務計画を説明し、専門的な内容をわかりやすく伝える能力も求められます。財務情報は専門用語や複雑な計算式が多く、理解しにくいものです。CFOは財務情報の専門知識を持たない人にも理解しやすいよう、わかりやすく説明する能力や効果的な資料作成スキルが求められます。
CFOがいない場合、なんらかの形で見つけなければなりません。ここではCFOを設定する方法を3つ紹介します。
まず、有望な従業員をCFOに育成する方法が挙げられます。コストをかけずにCFOを設置できる一方、相応の学習期間や実践期間が必要です。
CFOとして内部昇格する場合、取締役会などでCEOやCOOに提案できる能力が重要です。CFOは財務的な視点から経営戦略を評価し、改善策を提案する役割を担います。そのため、経営陣に対して、論理的な説明や説得力のあるプレゼンテーションを行う能力が求められます。
転職エージェントやヘッドハンター、知人からの紹介などを通じて、社外からCFOとしてふさわしい人材を採用する方法もあります。社内に適したCFO候補がいない場合や、特定の専門性を持つ即戦力の人材を短期間で確保したい場合に有効です。
外部からCFOを採用する場合、いくつかの注意点があります。まず、転職エージェントやヘッドハンターを利用する場合、高額なマージンを支払う必要があるでしょう。次に、採用者の経歴や専門性を適正に評価しないと、社内に軋轢が生じるリスクがあります。外部からCFOを採用する場合は、慎重な検討が必要です。
社外のCFO経験者や専門家に、業務委託や顧問契約などの形でCFO業務を依頼することも可能です。CFOを常勤で雇用する余裕がない中小企業やスタートアップにとって有効な手段といえるでしょう。
社外CFOは必要な期間だけ業務を依頼できるため、採用コストや人件費を抑えることができます。一方、業務委託や顧問契約の場合、契約期間が限られるため、長期的な視点での財務戦略の立案や実行が難しい場合があります。
CFOは企業の財務戦略を成功に導くうえで重要な存在です。CFOの設置は資金調達の成功確率を高め、事業成長を加速させる可能性があります。
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