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知っておきたい「入金管理」の基本

事業運営の観点から最も重要になるのが、健全な資金繰りを行うことです。多くの企業間取引で掛け売りでの取引が採用されている中、売掛金の回収が経営の観点から極めて重要になります。そして、その際に必要になるのが「入金管理」という業務です。

今回は、入金管理の具体的な流れと一般的な課題、効率化の方法についてお伝えします。

目次

入金管理とは

入金管理について説明する前に、まずは「売掛金」について解説します。

売掛金とは、「売上の対価として将来的に金銭を受け取る権利、売掛債権」のことです。更に、債権とは「商品やサービスを提供した対価として金銭を請求することができる権利」です。

掛け売り取引の中では常にこの売掛金が発生しているため、取引先や商品の数に応じて膨大に発生する売掛金を管理し、確実に金銭の支払いを受けたかどうか確認する必要があります。また、掛け売りでの取引を行った場合、商品・サービスの引き渡しから代金の支払いまでのタイムラグが発生します。これは、売掛金を請求する権利の行使と引き換えに支払いを先延ばしして待っている状態で、売掛金を抱える企業としては回収不能となるリスクを抱えている状態です。この売掛金の支払い、入金が確実に行われるように管理する業務を「入金管理」と呼びます。資金繰りを安定させ健全な事業運営を行うためには、入金管理をミス・滞りなく遂行することが極めて重要になります。

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入金管理を行う際の流れ

次に、具体的な入金管理業務の流れを確認します。

入金管理には大きく分けて以下4つの業務が含まれ、「入金管理台帳の作成・管理」「入金確認」「入金消込」「督促」があります。

入金管理台帳の作成・管理

経理部での業務

一般的な企業では、取引先や取引金額、取り扱い商材も多岐にわたるため、それらの情報を過不足なく管理する必要があります。ここでは管理表上に記載しておくべき項目と内容を確認します。

  1. 案件番号
    社内管理業務においてミスを防ぐ為にも個別の案件番号を振っておく必要があります。この番号は、見積もり作成時に振っておくと統一的に管理ができます。
  1. 取引先企業名
    取引先の企業名を記載します。
  1. 案件名
    同一企業との取引でも、案件によって金額や支払い日が異なる場合も想定されます。業務上のミスを防ぐ為にも案件名まで記載することをお勧めします。
  1. 担当者名
    業務上で取引に関して問い合わせが必要な場合もあるので、取引先の担当者名や連絡先を把握しておくと社内確認などの業務を軽減できます。
  1. 見積もり日
    見積書を作成して送付した日付を記載します。
  1. 受注日
    実際に取引が確定した日付を記載します。
  1. 請求日
    取引が完了し取引先に代金を請求した日付を記載します。
  1. 受注額
    取引を受注した際の取引金額を記載します。
  1. 請求額
    実際に取引先に請求する金額を記載します。取引の中で受注額と請求額が異なる場合もあるため、受注額と請求額を分けて記載することをお勧めします。また、受注額と請求額が異なる場合は、取引先企業と確認し認識の相違がないようにしておく必要があります。
  1. 入金予定日(支払期限日)
    取引先と取り決めた入金予定日を記載します。この日付は、後述する入金消込や督促の上で重要になります。
  1. 受領日
    実際に代金を受け取った際に日付を記入します。現金手渡しの場合と口座振替の2パターンがある場合は、分けて項目を設けることをお勧めします。
  1. 口座入金日
    口座振込で入金された場合の日付を記入します。
  1. 備考
    案件毎の注意事項や振込手数料などの事項を記入します。

これらの項目を網羅した管理表を作成し、案件の発生時、入金時には誤りなく情報を更新し、常に正しい情報となっている必要があります。

入金確認

入金管理台帳に記載の案件毎の入金状況を確認する業務です。発行した請求書どおりに、支払日に正確に入金されることを確認します。

一般的には、取引発生後に営業担当者から経理担当者に情報を連携し、台帳にデータが記入され、その後は経理担当者が売掛金の管理を行います。台帳記載の取引先・支払金額・支払日などに基づき、締め日後に請求書を作成して取引先に送付します。入金予定日に実際に正しい額が入金されているかを確認するまでが、入金確認業務になります。

入金消込

売掛金が入金されると、どの請求に対する入金であるかを確認する「入金消込」を行います。これは、入金管理台帳と入金履歴を突き合わせ、期日通りに正確な額が入金されたどうかを確認する業務です。また、入金額に誤りがあった場合は、過不足分を改めて振り込むか、次回の入金分と相殺することで解消します。この場合は、取引先の経理担当者と確認する必要があります。

督促(支払いが遅延した場合)

自社内でいかに厳密に入金管理を行なっていても、取引先が支払いを行わなければ意味がありません。支払いが行われない場合の原因は複数考えられます。取引先に支払い能力がなくなった場合もありますが、取引先内での支払い業務が滞っている場合や、単純に忘れられている場合もあります。支払いが行われない場合には、督促を行います。督促状の発行・送付を行い、それでも入金がされない場合は、法的な措置を検討する必要があります。

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入金管理の必要性

入金管理は上記のような流れで進められますが、入金管理を行うことの必要性は、以下3つの観点から考えることができます。

請求漏れの防止

売掛金の回収は会社の資金繰りや経営に直結するため、売掛金の回収には絶対に漏れがあってはいけません。また、掛け取引は、取引と実際の金銭の支払いにタイムラグが発生することからも、企業間の信頼関係が重要になりますが、請求漏れや誤請求は取引先に対して信頼の低下につながります。信頼関係を維持し掛け取引を継続するためにも、誤った請求を防ぐ必要があります。

入金日の管理

上記の請求漏れの防止と併せて、支払日の管理も重要です。取引先によって翌月25日支払いや翌月末日支払いなど支払いサイトも様々になります。その際に、各社で異なる支払いサイトと支払日を誤りなく管理する必要が出てきます。また、入金日を正確に把握することは自社内のキャッシュフローの見通しが立つという意味もあります。資金繰りの改善や経営の安定のためにも、支払日の管理は重要になります。

回収漏れの防止

入金管理を行なっていても、実際の支払日に入金がされなければ意味がありません。急に取引先の経営状況が悪化したり、資金繰りが悪化することは珍しくありません。特に、小規模事業者に関しては大企業に比べて資金繰りの面での余裕がない場合も考えられます。その場合、支払いサイトを長く設定することで資金繰りに余裕を持たせるという対応も存在するため、そのような小規模事業者と取引を行う場合には、売掛金の回収まで時間が掛かることになるうえ、回収漏れのリスクも高まると捉えることも出来ます。

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入金管理の具体的課題

入金管理は企業の資金繰りに直結する重要な業務になります。また、取引量や取引金額が大きくなるにつれて入金管理業務の負担も増大します。重要な売掛金を取り扱うという重圧の中で、取引先や取引額、支払日も異なる取引データを正確に取り扱う必要がある経理担当者には、精神的・身体的に大きく負荷がかかることは容易に想像ができます。

これら一連の入金管理業務ですが、従来では多くの企業でエクセルなどの表計算ソフトを使用して管理してきました。マクロやRPAなどの自動化機能で一定の効率化はできますが、あくまでも手作業での確認作業がなくなるわけではありません。また、入金管理台帳を管理するには取引先の過去の取引履歴や個別対応の情報などを把握しておく必要もあり、業務が属人的になるという課題も生じます。

企業の資金繰りに直結する部分であるが故に、二重三重或いはそれ以上の確認フローを設けることもあり、人的コストも大きなものになってしまいます。

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入金管理の自動化

この記事では、入金管理の具体的な流れと課題を確認しました。

自社内の資金繰りや取引先企業への信頼度に直結する入金管理業務ですが、その業務内容は重要性が高いことに加えて細かい数字の確認という負担の大きい作業になります。このような作業を手作業で行っていると、往々にして人的エラーが発生してしまうものです。

ミスの発生や過剰なコストを抑制するためにも、手作業でおこなっている入金管理業務を自動化、更にはアウトソーシングにより自社内の業務負担の軽減を図ることも有効な対策です。

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