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証憑とは取引成立を証明する書類!種類や保存期間について解説

証憑とは取引成立を証明する書類!種類や保存期間について解説

証憑(しょうひょう)とは取引が成立したことを証明する書類のことで、ビジネスにおいては頻繁に用いられます。このページでは、証憑を発行する目的や種類、保存期間についてまとめました。また、証憑を電子化することで得られるメリットや注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

証憑書類とは

「証憑(しょうひょう)書類」とは、取引が成立したことを示すための書類を指します。単に「証憑」と呼ぶことが一般的です。証憑を発行することで、自分と相手が同意をしたうえで取引を行なったことを示すことができます。

例えば、証憑のひとつである納品書について考えてみましょう。A社に商品を100個納品した場合、確かに商品を納品したとしても、A社が「受け取っていない」といえば、取引の事実を証明することが難しくなるかもしれません。しかし、納品書があれば、A社が確かに受け取り、取引に同意をしていたことを示すことができます。

納品書以外にも、領収書や契約書、給与支払明細書なども、相手との取引が成立したことを示す証憑です。

証憑発行の目的 

証憑発行の目的は、取引に対して相手と同じ認識で同意したことを示すことです。証憑を発行することで、取引が決定したことを証明することができます。

特に金銭の動きがあるときは、口約束だけでは心許ないものです。相手を信頼している場合でも、約束を証憑という目に見える形で残すことで、安心して取引ができるようになるでしょう。

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証憑書類の種類

証憑は使われる場面や目的によって、次の4つの種類に分けることができます。

  • 仕入れ関連
  • 売上関連
  • 従業員関連
  • その他

それぞれどのような書類があるのか、具体的に見ていきましょう。

仕入れ関連

仕入れを行うときも、取引が相手から同意を得たものであることを示す必要があります。例えば、納品書発注書などの証憑を発行しておけば、万が一トラブルが生じたときでも、どこで間違いが起こったのか突き止めることができるでしょう。また、仕入れ関連の証憑から在庫数を割り出すこともできるので、在庫管理にも活用できます。

売上関連

請求書領収書などの売上に関する証憑を発行することで、お金の動きがわかりやすくなります。また、証憑の内容から、取引が妥当なものであったのか、経費として計上できる正確なのか判断することも可能です。

売上関連の証憑は、企業業績をダイレクトに反映します。経営の根幹にもなるため、慎重に管理することが必要です。

従業員関連

従業員に給与や手当、退職金などを支払うことも取引の一種です。給与支払明細書などの証憑を発行し、企業側と従業員の認識に齟齬がないことを示せます。

また、金銭とは関係がない履歴書や退職届、雇用契約書などの書類も、雇用者と労働者という関係を結ぶうえで必要なため、証憑と考えることができるでしょう。従業員関連の証憑には個人情報が含まれているので、適切かつ慎重な管理が求められます。

その他

ほとんどの証憑は仕入れ関連か売上関連、従業員関連のいずれかに分類できますが、分類が難しいものもいくつかあります。例えば、融資を受けたときの返済予定表や、事務所の賃貸借契約書銀行口座の通帳なども取引の事実を示す重要な証憑の一つです。慎重かつ厳重に管理し、必要なときにすぐに取り出せる状態にしておきましょう。

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証憑書類の保存期間

証憑は保存期間が定められています。ただし、税法上と会社法上では保存期間が異なるので注意が必要です。法律によって保存期間が異なる場合は、より長い期間を基準にするようにしましょう。

税法上は7年~10年

仕訳帳や現金出納帳、固定資産台帳などの税務に関する証憑は、事業年度の確定申告期限の翌日から7年間保存することが必要です。しかし、欠損金が生じた場合に関しては、より長い保存期間が求められることがあります。

例えば、青色申告を行った年度で欠損金が生じた事業年度においては、証憑の保存義務は10年間です。ただし、2018年4月1日以前に開始した事業年度に関しては、証憑の保存期間は9年間となります。

また、青色申告を行わなかった事業年度に関しても、災害損失欠損金が生じた年度に関しては、証憑の保存期間は10年間(2018年4月1日以前に開始した事業年度は9年間)です。

保存期間を守らないときは行政罰の対象

証憑の保存期間を守らないときは、次のような行政上の罰や処分を課せられることがあります。

  • 青色申告事業者としての登録が取り消される
  • 100万円以下の過料

また、保存期間を守らないことで、次のような不利益を被ることもあるでしょう。

  • 欠損金の繰越ができない
  • 仕入れ税額控除を適用できない

税法上の証憑保存期間でもっとも長いのは確定申告期限の翌日から10年間です。わかりにくいときはいずれの証憑も10年間は保存するようにしましょう。

会社法上は5年または10年

会社法上の証憑保存期間は5年か10年です。下記のような分類で分かれていますが、わかりにくいときは10年間保存することで、会社法と税法を遵守できます。

  • 5年間の保存義務がある書類:事業報告書類、監査報告書類
  • 10年間の保存義務がある書類:計算書類及び附属明細書
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証憑書類の電子化

証憑は紙の書類として保存する必要はありません。電子化し、データや画像として保管することも可能です。電子化した場合に知っておきたいことを紹介します。

e-文書法と電子帳簿保存法

証憑を電子化して保管する場合には、次の2つの法律の遵守が求められます。

  • e-文書法
  • 電子帳簿保存法

e-文書法とは、紙の書類をデータとして保存する際に適用される法律です。データ保存する際には次の条件などを満たさなくてはいけません。

  • データがパソコンなどのデバイスで読めること
  • データの消去や変更を行ったときに履歴が残ること(改ざん回避のため)
  • データを検索できること
  • アクセス権限を設定すること

電子帳簿保存法は、電子計算機を用いて作成した書類の保存に関する法律です。領収書や請求書などの国税に関わる書類を電子化して保管する際には、以下の条件などを満たさなくてはいけません。

  • 資金の流れなどに関わる重要書類はカラーでスキャンすること
  • 200dpi以上の解像度で読み取ること
  • 訂正や削除の事実を残すこと
  • 検索機能があること

電子化するメリット

証憑を電子化することには、次のようなメリットがあります。

  • 検索できるので必要な書類をすぐに取り出せる
  • 紙資料が増えないのでコストや保管スペースを減らせる
  • 書類紛失を防げる
  • 社外から証憑を確認できる

電子管理すると検索できるので、必要な書類をすぐに取り出せます。紙を使用しないので、用紙代や保管スペースを節約できる点、紛失しにくくなる点もメリットです。また、オンラインで社外から確認できるようになるため、リモートワークに対応しやすくなります。

電子化の際の注意点

メリットが多い一方で、注意点もあります。主な注意点としては次の3つが挙げられるでしょう。

  • 導入費用がかかる
  • 入力作業に慣れるまで時間がかかる可能性がある
  • 情報漏洩のリスクがある

スキャナーや電子計算機などの費用がかかること、操作に慣れるまで時間がかかる可能性があることは、導入前に検討しておきたいポイントです。また、オンラインでアクセスできることで、情報漏洩が生じる危険性もあるため、セキュリティ対策が必要です。

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まとめ

証憑とは取引の事実を示す書類です。企業の経営にも関わる重要性が高いものが多く含まれます。近年では電子化の流れも生まれていますが、メリットだけでなく注意点も把握しておくことが大切です。紙・電子に関わらず、慎重な取り扱いと適切な管理を心掛けましょう。

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