期限までに請求した料金が支払われていないときなどには「督促」を行います。督促と催促の違いや、督促が必要になるシーンについて見ていきましょう。また、督促状の書き方や発行する方法、督促状を無視された場合の対処法についても解説します。
督促とは、一般的に約束した期限までに実行されていない事柄があるときに、相手に実行を促す行為を指します。例えば、10月20日までに商品の代金を入金するようにと伝えていたにも関わらず、10月20日を過ぎても相手が入金していない場合には、督促を実施して入金を促します。
督促は個人や法人だけでなく、国や自治体も行う行為です。例えば税金が納付期限を過ぎても納められていない場合、督促をすることで納付を促します。
督促と催促はどちらも「相手に早く行動するように促す」という意味のある言葉です。しかし、催促はどちらかというと深刻度合いが低いときに使われる傾向があります。
例えば、日常生活において1万円を貸したにも関わらず相手が返済しようとしないときには、催促をして返済を促します。また、約束はしたけれど期限を決めていないときなどにも、督促ではなく催促が用いられることが多いです。
一方、督促は期限を決めた約束事があるときに用いることが多い言葉です。強制力を感じさせるので、税金の納付や支払いを促すときに用いられる傾向があります。
督促を行うときに発行される書類が「督促状」です。督促状は相手と連絡がつきにくいときに発行されることが多いため、郵便やメールなどで送ることを前提として作成されます。督促状は、税金の納付や支払い、あるいは書類の提出などを促すときにも送付されることがあります。
なお、督促状の文章は、督促の段階によって異なることが多いです。最初は相手がうっかりと忘れている可能性もあるため、「ご確認いただけますでしょうか」「お送りください」といった穏やかな口調で記載します。
しかし、2回目以降は「至急対応してください」「期日以内に対応がない場合は法的措置を実施します」のように口調が強くなる傾向が見られます。
支払督促とは、裁判所から送付される書類です。放置すると強制執行に進むことになります。つまり、強制執行を実施するための前段階として送られる書類が支払督促です。
支払督促を受け取ったときは、まずはすぐに内容を確認しましょう。内容に異議があるときは、2週間以内に裁判所に異議申し立てを行います。異議を申し立てない場合には、次に「仮執行宣言付支払督促」が送付され、差し押さえがいつでもできる状態になってしまいます。
督促状は、相手に行動を促す書類です。相手が督促状を読んですぐに内容を理解できる必要があるため、具体的かつ端的に記載することが求められます。
以下の内容を過不足なく網羅して督促状を作成しましょう。
督促状は、相手に支払いや提出を促すための文章です。ここでは入金の催促に限定して例文を紹介します。
1回目の督促状に関しては、相手のミスを強く指摘するのではなく、丁寧に入金をお願いするスタンスで記載することが原則となります。
督促状を複数回送ったにもかかわらず対応がない場合は、1回目以上に相手への注意を喚起する内容がふさわしいです。メールで送る場合であれば、件名に「再送」と記すと2回目以降であることがわかり、より強く相手に危機感を与えることができます。
督促状は次の流れで発行します。
それぞれの段階で何をすべきか解説します。
相手がすでに入金や提出している場合に督促状を送ると、相手に不快感を与えるばかりか、信用を失うことにもなりかねません。行き違いや見落としがないか、十分に確認しておきましょう。
また、入金方法や提出方法によっては時間差が生じることもあります。そのため、約束の期限が過ぎてすぐに督促状を送るのではなく、十分に時間を取ってから督促に進むことが大切です。
相手が約束の期限までに入金や提出をしていないことが確実になってから、督促状を作成して送付します。送付方法はメールでも郵便でも問題はありません。普段、支払いや提出のお知らせをしている方法と同じであれば、相手も認識しやすいでしょう。
督促状を送付してから、相手の対応を確認します。指定の口座に入金されているか、もしくは電話やメールなどで何らかの連絡が来ているかなど、反応をチェックしておきましょう。
ただし、郵便で督促状を送った場合には、相手の反応も少し遅れることが想定されます。十分に時間を置いてから、対応を確認しましょう。
相手からの反応がない場合は、3日ほど間をあけて再度督促状を送るのが良いでしょう。矢継ぎ早に督促状を送ると、相手が適切に対応できない可能性があるため、気を付けましょう。郵送にかかる時間や相手が入金する時間なども考慮して対応することが大切です。
督促状を送った相手から応答がない場合は、次のいずれかの方法で対処します。
それぞれの方法について解説します。
郵便物に気付かなかった可能性や、迷惑メールフォルダに入っている可能性も想定されます。今一度督促状を送り、相手が対応できるようにしましょう。ただし、2回目以降なので、緊迫感を与えるためにも文章を少し厳しめにすることが有効です。
督促状で思うような効果を得られない場合は、内容証明郵便で送ることもできます。内容証明郵便で督促することは、支払督促や差し押さえなどの法的措置に移る前に必要な過程です。
内容証明郵便の出し方や書き方については、次の記事で解説しています。ぜひ参考にしてください。
関連記事:内容証明郵便とは?出し方や効力、使える場面について解説
内容証明郵便を送付してから、支払督促などの法的措置を実行します。未払金に対する法的措置は、弁護士などの専門家に依頼することでスムーズに進められます。差し押さえなどに強い法律事務所に相談してみましょう。
督促状の役割をよく理解し、相手から期限内の支払いが受けられないときは適切に利用しましょう。とはいえ、未払金を請求する督促は、精神的にも工数としても負担がかかる業務なため、代行サービスの利用もおすすめです。
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