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内容証明郵便とは?出し方や効力、使える場面について解説

内容証明郵便とは?出し方や効力、使える場面について解説

内容証明郵便は、郵便物の内容を記録として残したい人向けのサービスです。発送した日付や内容の記録を残すことができ、裁判などでの証拠としても利用されます。したがって法律上のトラブルや契約関係の問題を回避するためにも必要不可欠です。

本記事では、内容証明郵便の基本的な情報から、出し方、効力、使える場面までを詳しく解説します。

目次

内容証明郵便とは?

内容証明郵便は、一般書留郵便として送った文書を証明するための郵便サービスです。「いつ」「どのような内容を」「誰から」「誰宛てに」送ったのかを証明できます。文書を送ったという事実を客観的な記録で残したいときに使われます。

それでは内容証明郵便の詳細な利用方法や送付手続きについても確認しておきましょう。

利用料金

内容証明郵便を利用する際には、一般の郵便料金に加えて内容証明の加算料金が必要です。これは、内容証明郵便が通常の郵便に対して特別なサービスを提供するため、その付加価値分の料金が上乗せされるからです。

内容証明の加算料金は480円です。2通目以降の加算料金は1通につき290円増になります。また、同じ文書に対して2通以上の内容証明を行う場合は、1通目は同じく480円、それ以降は1通ごとに半額になります。(例:1通目480円、2通目240円、3通目120円)

したがって、内容証明郵便を利用する際には、どれだけの手数料が発生するかを事前に確認し、無駄のない選択を行うことが重要です。これにより、法的効果を確実に得ると共に、無駄な費用を避けることができます。

参考:日本郵便株式会社「内容証明

e内容証明(電子内容証明)とは?

e内容証明(電子内容証明)は、インターネットを通じて内容証明郵便を発送できるサービスです。従来の紙ベースの内容証明郵便と同じく文書の内容を証明するためのサービスですが、24時間発送できる特徴があります。郵便局に直接足を運ぶ必要がないため、効率的に内容証明郵便の申し込みが行えます。

e内容証明を活用することでビジネスや個人の利用において手続きがシンプルかつ迅速になります。

配達証明との違い

内容証明郵便と配達証明の主な違いは、証明される内容の範囲です。内容証明郵便は、送った内容そのものを証明するもので、裁判や取引における証拠として用いられます。一方、配達証明は郵便物が確実に相手に届いたことを証明するだけで、具体的に何が送られたかの証明には効力を発揮しません。

内容証明郵便と配達証明では、証拠価値が大きく異なります。適切に使い分けることが重要です。

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内容証明郵便の効力

内容証明郵便は、郵便物の内容を証明するための重要な手段です。法的な有効性を持つため、多くの場面で利用されています。その効力について具体的に解説します。

裁判の証拠として活用できる

内容証明郵便は裁判の証拠として活用できます。内容証明郵便が送付した内容と送付日を公式に証明するものだからです。内容証明により、相手がその通知を受け取ったことも確認できます。

もし内容証明郵便のサービスを利用していれば、相手が文書が送られてきたことを知らなかったと主張しても、その主張が否認される可能性が高くなります。内容証明郵便は裁判における有力な証拠となるため、後述する債権回収や損害賠償の請求など、重要な通知には積極的に活用することを推奨します。

時効の完成猶予(停止)に使える

内容証明郵便は、債権の時効完成を猶予(停止)する手段として有効です。内容証明郵便によって債務の履行を催告した場合、債権の消滅時効の完成が6カ月間猶予されます。

借金の返済が滞っている債務者に対して内容証明郵便を送付することで、債権者は正式な請求を行う準備ができるというわけです。

確定日付を取得できる

確定日付を取得することで、当該文書がその日付に存在していたことを証明できます。確定日付があることにより、特定の日時にその文書が存在していたことを公的に証明できるため、後のトラブルを避けられます。

例えば、契約書や重要な通知書を送る際に内容証明郵便を使用すれば、その書類が特定の日付に存在していたことが確定できるため、もし仮に契約や書類を巡ってトラブルになったときも有利になります。また、確定日付を取得すれば、その文書の存在とその内容を後で否定されるリスクを減少することができます。

相殺や債権譲渡に使える

内容証明郵便は、債権の処理をする際も効果を発揮します。具体的には相殺や債権譲渡を証明するために利用できます。

例えば、相殺を行う場合は、その旨を内容証明郵便で通知して、証拠として残すことができます。債権譲渡の場合、内容証明郵便の送付で相手に債権の譲渡が完了したことを正式に通知できます。

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内容証明郵便を使う場面

内容証明郵便が具体的にどのような場面で活用できるのかを解説します。内容証明郵便を使うことで、自分(自社)の権利を守り、相手に対して正式な通知を行えます。

督促するとき

内容証明郵便は公式な書面であるため、相手に対して強めのメッセージを伝えることが可能です。したがって督促の際に利用すると、受け取った側も無視しづらくなります。

内容証明郵便を使用することで、迅速かつ確実な督促が可能となり、未払い問題の早期解決が期待できます。企業が債権回収や未収金の徴収を行う場合、普通郵便や電話での連絡ではなく、内容証明郵便を用いることで、相手が受け取った事実の証明が可能です。

加えて、相手が内容証明郵便を受け取ったにもかかわらず、支払いを拒否する場合、後の裁判でこちらが誠実かつ法的に正当な手続きを踏んだという証拠としても利用できます。

係争中の相手に反論するとき

取引をしたものの、相手から受け取った商品に欠陥があったとしましょう。相手に「欠陥商品だから代金は支払えない」と伝えても、相手が代金の支払いを要求し、裁判に発展したとします。

このような場合は、相手に内容証明郵便で支払いを拒否する意思と理由を示すことが必要です。内容証明郵便の内容は裁判で証拠として活用できるので、裁判官に事情を説明するときに役立ちます。

損害賠償を請求するとき

内容証明郵便は法律の観点から相手に正式な通知を行う手段であり、その記録が裁判で有効な証拠となります。内容証明郵便自体には強制執行といった法的効力はありませんが、内容証明郵便の送付によって相手に事態の大きさを間接的に伝えることが可能です。

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内容証明郵便の出し方

内容証明郵便は法的な効力を持つ手段ですが、その効果を発揮するためには正確に送付することが重要です。

1. 必要項目をすべて満たしているか確認する

内容証明郵便を送る前に、必要項目をすべて満たしているか確認しましょう。内容証明郵便は、法律的な効力を持つため、必要項目が欠けていると効力が認められない可能性があります。

封筒に記載した送付先の住所や氏名が正確であることはもちろん、文書内容が明確で、誤解される余地のないものであるかを確かめましょう。不足や誤りがあると、内容証明郵便の法的効力が損なわれる可能性があります。

内容証明郵便の効力を最大限に活用するためにも、事前にチェックを怠らないようにしましょう。

2. 形式が正しいか確認する

内容証明郵便の形式には厳格なルールが定められています。それを満たさないと郵便局で受け取ってもらえない可能性が高くなります。

内容証明郵便で送付する謄本には、文章の文字数や行数に具体的な規定があります。縦書きの謄本は1ページに26行以内、1行に20文字以内でなければなりません。誤字や脱字、余白の不適切な使用も形式の不備として取り扱われることがあります。

文章自体も、法的に問題がない表現を使用し、正確に記載することが求められます。このため、法律に詳しい専門家にチェックしてもらうのも1つの手です。

参考:日本郵便株式会社「内容証明 ご利用の条件等

3. 郵便局に同じ内容の郵便物を3部提出する

内容証明郵便を発送する際には、同じ内容の郵便物を3部用意して郵便局に提出する必要があります。同内容の郵便物を3部準備する理由は、差出人、受取人、そして郵便局でそれぞれ1部ずつ保管するためです。

3部準備することで、文書の内容が公式に証明され、万が一紛争が発生した場合でも各当事者が適切な証拠を所有できます。

4. 配達状況を確認する

配達状況の確認は、内容証明郵便の受取確認を行うために重要です。受取確認を行うことで、相手が内容証明郵便を確実に受け取ったことを証明できるためです。

配達状況は郵便局のウェブサイトで確認できます。

5. 配達証明書を保管する

配達証明書は、内容証明郵便が相手に確実に届いたことを証明する重要な書類です。万が一、相手が受け取った事実を否認した際に、法的証拠として役立ちます。

例えば、後日裁判になった際に、配達証明書があることで「内容証明郵便が確かに相手に届いた」事実を証明でき、こちら側の主張を有利に立証することが可能です。

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内容証明郵便を発送する際の注意点

内容証明郵便を正確かつ効果的に利用するためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。

内容文書以外のものは同封できない

内容証明郵便で、内容文書以外のものを同封することは認められていません。したがって契約書のコピーを内容証明郵便に同封して送ることはできません。この場合、契約書を別途、普通郵便や簡易書留などで送る必要があります。内容証明郵便が証明するのは、あくまでその文書内容のみです。

内容文書以外の書類や資料を別の郵便で送る場合でも、その送付事実を明確に記しておくことが大切です。これにより、後日の確認や証明が容易になります。

通知や請求の内容を明確に記載する

内容が不明確な場合、相手が誤解したり、無視されたりする可能性があります。

例えば、家賃の未払いを督促する場合、「未払いの家賃〇月分△△円を〇〇年□□月までに支払ってください」と具体的に記載することで、相手に対する要求が正確になります。

配達証明サービスを利用した方がよい

同じく郵便局が提供している配達証明サービスを利用した方がよい理由は、何よりもその確実性にあります。これは後々のトラブル防止につながります。

配達証明は、郵便物が相手に届いた日付を証明するだけでなく、相手がその郵便物を受け取った事実も証明します。例えば、債権回収のために債務者に対して内容証明郵便を送った際、このサービスを利用することで、債務者が実際に通知を受け取ったことを証明できます。これにより、相手が「受け取っていない」という言い訳をすることができなくなります。配達証明サービスを利用することで、相手が「受け取っていない」と主張するケースを未然に防げるというわけです。

とりわけ、契約違反が発生したときや損害賠償を請求する場合、この証拠は極めて重要です。裁判においても、相手が通知を受け取ったことを立証しやすくなります。

配達証明サービスは内容証明とは別のサービスなので別途料金がかかります。基本の内容証明郵便に追加料金を支払う形で利用可能で、加算料金は350円です。しかし、そのコストは法的トラブルを避けたり、解決したりする際の有効性を考慮すると十分に価値がありますので、ぜひ利用を検討することをおすすめします。

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まとめ

内容証明郵便は、各種の法的効果を持ち、裁判の証拠や時効停止などの場面で活用できる郵便サービスです。また、契約解除や督促などの際にも重要な役割を果たします。正しい手続きを踏めば、その効果を最大限に引き出すことが可能です。

今後、重要な通知や請求を行う際には、内容証明郵便の利用を検討してみてください。その手続きや効力についての理解を深めることで、法的トラブルを未然に防げます。

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