決済方法の種類は、現金決済や口座振替、スマホ決済など多様です。決済手段を増やすことで取引先の利便性が向上し、ひいては売上アップにつながることがあります。決済方法の種類と特徴、企業間で利用される方法を紹介します。
決済方法とは、代金の支払方法のことです。主な方法としては、次のものがあります。
それぞれの決済方法と特徴、使われることが多いシーンなどを紹介します。
現金決済とは、その場で現金を支払うことです。例えば、店舗でモノやサービスを購入するときに、それらと引き換えにその場で現金で支払う方法です。
なお、企業間決済ではまず売買取引を契約し、後で納品するという形が一般的です。そのため、その場で納品(=モノやサービスの受取)ということが少なく、現金決済を利用することもあまりありません。
コンビニ決済とは、支払いを受ける側が払込票を発行し、相手企業がコンビニで支払うことです。払込票さえ発行すれば誰でも利用できるので、初めて取引する相手や、一度のみの取引が予想される相手との決済方法として用いることができます。
銀行振込とは、支払いを受ける側が請求書を発行し、相手企業が請求書を発行した企業の口座に直接代金を振込むことです。相手企業は請求書に記載されている金額や振込先に従って支払うため、請求書払いと呼ぶこともあります。
銀行振込は、企業間決済で一般的に用いられる方法です。近年ではインターネットバンキングも利用できるので、相手企業の手間も大幅に軽減されています。
なお、銀行振込の際に手数料が発生するため、取引の際にどちらが負担するか決めておくことが必要です。支払いを受ける側が負担するときは、振込手数料の分だけ差し引いた金額を相手企業に振り込んでもらいます。
口座振替は、相手企業の口座から代金を引き落とす方法のことです。事前に銀行への登録が必要ですが、その後は支払う側も受取側も手間がかからないため、決済業務を簡便化できます。
口座振替では、原則として振替手数料は受取側が支払うことが一般的です。なお、請求明細書は後日発行することになるため、支払う側は事前に明細書を受け取ることができません。
スマホ決済とは、スマホを使って支払う方法です。主に電子マネーとコード決済の2種類があります。
電子マネーとは、電子マネーアプリをインストールしたスマホやICチップなどが埋め込まれたカードを決済端末に近づけることで支払う仕組みです。前もってアプリやカードに入金しておく必要がありますが、瞬間的に決済ができるというメリットがあります。
一方、コード決済とは、請求する側から送付されたバーコードやQRコードの情報を、コンビニなどに設置されているコードリーダーを使って読み取る方法です。簡単にいえば、コードが払込票になります。なお、支払いは現金やクレジットカードなどが一般的です。
また、バーコードやQRコードが印刷された紙をスマホのカメラ機能で読み込んで、そのまま電子マネーで払い込む方法もあります。例えばLINE Payは、コード決済にも対応した電子マネーです。コードの請求書があればスマホ1つで決済が完了します。
クレジットカード決済とは、クレジットカードを使って支払う方法です。クレジットカード会社からの引き落としは決済よりも1~2ヵ月ほど遅くなるため、実質後払いとなり、資金繰りを調整しやすいというメリットがあります。
なお、クレジットカード決済は主に個人の支払いに用いられる方法ですが、企業間決済としても使うことがあります。ただし、支払いを受ける側が手数料を支払う点に注意しておきましょう。
仕入れたい商品を取り扱う企業が複数ある場合、相手企業は利用しやすい支払方法に対応しているかどうかで取引先を決めることがあります。
複数の決済方法を導入していると、相手企業が希望する決済方法に対応している可能性が高まるため、取引が成立しやすくなり、売上アップにつながるでしょう。ビジネスチャンスを広げるためにも、複数の決済方法に対応していることは必要です。
ただし、決済方法を増やすときは、手数料をどの程度負担するのかを確認しておきましょう。例えば、請求書を発行し、相手企業の手数料負担で銀行振込をしてもらう場合であれば、請求側に手数料の負担はありません。しかし、クレジットカード決済や口座振替を利用するときは、原則として請求側が手数料を負担します。
手数料の負担が大きいと、その分、利益が減ることになります。手数料がかさんでも利用するほうが良い決済方法なのか、一つひとつの決済方法について検討することが必要です。
企業間で利用される決済方法は、掛け払い(納品後決済)が一般的です。その場で現金やクレジットカードで決済することはあまりないため、キャッシュフローを把握し、資金繰りがスムーズにいくように計画を立てておくことが求められます。
掛け払いの方法としては、銀行振込か口座振替を利用することが多いです。原則として銀行振込では手数料は相手企業負担となりますが、手数料分を差し引いて振り込むことを契約で取り決めておけば、相手企業の負担を軽減でき、取引先として選んでもらいやすくなるでしょう。
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