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入金管理・入金消込をエクセルで効率化する方法とは?役立つ関数も紹介

入金管理・入金消込をエクセルで効率化する方法とは?役立つ関数も紹介

エクセルは入金管理の効率化に有効なツールです。本記事では、エクセルを活用した入金管理および入金消込のプロセスについて詳しく解説します。

はじめに入金管理の基本的なワークフローを概観し、続いてエクセルの機能を最大限に活用するための具体的な手順を紹介します。とくにテンプレートの利用法やマクロ機能の応用、そして業務に役立つ関数の使い方が焦点です。

また、エクセルを用いた入金管理の長所と短所を分析し、さらなる効率化を促進する自動化ツール導入のメリットについても触れます。

目次

入金管理の基本的な流れ

入金管理の基本的な流れは、以下のとおりです。

  1. 入金データの記録・確認
  2. 売掛金と入金データの照合
  3. 入金消込

それぞれについて、詳しく解説します。

1.入金データの記録・確認

入金管理は、入金データの登録から始まります。データは「顧客情報(顧客名、ID、連絡先など)」「入金情報(金額、日付、方法)」「請求情報(金額、日付、支払期限)」などです。

入金データの見落としや、他案件との混同に注意しながらチェックしましょう。誤ったデータが記録されていた場合、この後の段階で問題が発生してしまいます。

2.売掛金と入金データの照合

売掛金の消込処理に先立ち、売掛金と入金記録の整合性を検証する必要があります。この作業では、売掛金の残高リストと日々記録してきた入金情報を詳細に照合します。

通常、請求内容と振込内容に誤りがなければ、売掛金と入金記録は完全に一致するはずです。しかし、不一致が生じた場合は、再度確認しなければなりません。

たとえば、わずかな金額の差異は振込手数料によるものかもしれません。これは、顧客が本来負担すべき振込手数料を差し引いて送金している可能性が考えられます。

一方、大きな金額の相違がある場合は「請求書自体の誤り」「残高リストの記載ミス」「入金データの入力ミス」「顧客側の送金ミス」などが考えられます。原因を特定し、顧客の誤りであれば不足分の追加請求が必要です。

3.入金消込

消込とは、実際の入出金情報と売掛金を照合し、債権残高のデータを記録から削除する作業です。これにより、未回収分の把握が可能です。

この作業では、支払や振込手数料を考慮せずにデータを処理してしまうミスがよく発生します。そのため、振込手数料のマイナス金額もその都度記録する必要があります。

後払い取引の仕訳では、借方が「売掛金」貸方が「売上」です。入金確認後は、借方に「現金(預金)」、貸方に「売掛金」を計上して消込を完了させます。振込手数料が発生した場合は、借方に「支払手数料」としてマイナス分を入力します。

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エクセルでの入金管理・入金消込を効率化する方法

エクセルは入金管理や入金消込の効率化に大変有効なツールです。その柔軟性と多機能性を活かすことで、煩雑な作業を簡素化し、ミスを減らせます。ここでは、エクセルを使って入金管理と入金消込を効率的に行うための、次の3つの方法を紹介します。

  • テンプレートを活用する
  • エクセルのマクロ機能を活用する
  • エクセルの関数を利用する

テンプレートを活用する

入金管理を始める簡単な方法は、Excelのテンプレートを活用することです。経理関連のウェブサイトやテンプレート専門サイト等から既存の入金管理表をダウンロードし、そのまま使用することもできるでしょう。

さらに、自社のニーズに合わせて管理項目の名称や項目数を調整し、カスタマイズすることも可能です。複数のテンプレートをダウンロードし、自社に合いそうなテンプレートを比較検討してみましょう。

テンプレートを活用することにより、専門知識がない場合でも入金管理システムを構築できる利点があり、とくに小規模企業や新規事業開始時には非常に便利です。

エクセルのマクロ機能を活用する

入金消込作業において、未入金データの抽出やデータ照合は時間を要する作業です。とくに取引数が多い場合、これらの繰り返し作業は非効率的になりがちです。

この問題を解決する有効な手段として、エクセルのマクロ機能があります。マクロは、一連の作業を記録し、後から自動実行できる機能です。マクロ機能を活用することにより、入金データの入力に連動した未入金リストの自動更新や、顧客情報との連携による入金状況の自動更新など複雑な作業を効率化できます。

マクロの作成方法には、「エクセル内で一連の操作を記録し、それを自動化する方法」と「VBA(Visual Basic for Applications)を使用したプログラミング」の2種類があります。ただし、いずれも専門知識が必要であり、作成には一定のスキルが必要です。効率化のメリットは大きいものの、導入にあたっては技術的なハードルを考慮する必要があります。

エクセルの関数を利用する

Excelの関数を活用することで、入金管理の効率化が可能です。SUMやSUMIF、VLOOKUPなどの関数を使用することで、計算や入力の一部を自動化できます。

関数の習得には時間がかかりますが、長期的に見れば自動計算などによって作業効率の大幅な向上につながるでしょう。

ただし、関数をセルに直接入力するため、他の人に誤って削除されたり変更されたりするリスクには注意が必要です。誤入力を避けるために、「セルの保護」機能を活用しましょう。計算式があるセルを指定することにより、誤入力等を防げます。

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エクセルの入金管理や入金消込を効率化できる関数

エクセルの関数を活用することで、入金管理や入金消込作業の大幅な効率化が可能です。ここでは、とくに有用な3つの関数「SUM」「IF」「VLOOKUP」について解説します。

SUM

SUM関数は、Excelで複数のセルや範囲の数値を合計するための基本的な機能です。使い方は非常にシンプルで、「=SUM(A1:A10)」のように合計したいセル範囲を指定するだけです。また、複数の範囲や個別のセルを指定することもでき、「=SUM(A1:A10, B1:B10, C5)」のように、隣接していないセルでも合計計算の記述ができます。

SUM関数は数値だけでなく、他の数式の結果や関数の結果も合計できるため、さまざまな計算に応用できます。入金管理や売上集計など、ビジネスシーンで頻繁に利用される便利な関数です。また、指定範囲のうち条件が一致するデータを合計する場合にはSUMIF関数を用います。

IF

IF関数は、条件に基づいて異なる値や計算結果を出す、Excelの論理関数です。基本的な構文は 「=IF(論理式, 真の場合の値, 偽の場合の値)」 です。

たとえば、「=IF(A1>10, "合格", "不合格")」 と入力すると、A1セルの値が10より大きい場合は「合格」、そうでない場合は「不合格」と表示されます。複数の条件を組み合わせたり、他の関数と組み合わせたりすることで、より複雑な条件分岐も可能です。

入金管理では、支払期限や入金額の条件に応じた処理を行う際に活用できます。たとえば「入金一覧表に名前がある場合は入金管理表に○をつけ、ない場合は空欄のままにする」といった入力作業が、この関数を使えば一つずつ目視で確認する必要がなくなります。

VLOOKUP

VLOOKUP関数は、Excelで大量のデータから特定の情報を素早く取り出すためのツールです。この関数を使えば、商品コードを入力するだけで、対応する商品名や価格を自動的に表示させることが可能です。

主な用途としては、在庫管理や売上管理における繰り返し入力の省力化があります。あらかじめ商品コードと商品名、価格などの情報をまとめた参照用の表を作成しておき、VLOOKUP関数を設定することで、入力作業を大幅に効率化できます。

なお、構文は「 =VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 検索の型) 」です。

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エクセルで入金管理するメリット・デメリット

エクセルは、手軽に入金管理を始められるツールとして広く利用されています。ただし、メリットとデメリットを理解した上で、自社に適した方法を選択することが重要です。

メリット デメリット
低コストで済む 人為的ミスの残存リスク
柔軟にカスタマイズできる 業務の属人化
容易にデータ共有ができる 検証作業の非効率性

ここでは、エクセルを利用した入金管理のメリットとデメリットについて、掘り下げて紹介します。

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エクセルで入金管理を行うメリット

エクセルで入金管理を行うメリットは、以下のとおりです。

【低コストで済む】
Excelは多くの企業のパソコンで標準搭載されているため、追加の投資もなく入金消込に活用できます。Microsoft社が提供するアップデートや機能改善により、運用コストも抑えられます。

【柔軟にカスタマイズできる】
Excelの豊富な機能により、自由度の高い管理表を作成できます。関数の組み合わせによる複雑な計算や、マクロ機能を使った単純作業の自動化も可能です。

【容易にデータ共有ができる】
Excelは広く使用されているため、データの共有や受け渡しが容易です。

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エクセルで入金管理するデメリット

エクセルで入金管理するデメリットは、以下のとおりです。

【人為的ミスの残存リスク】
エクセルでの入金消込作業では、データ入力や突合作業を手作業で行うため、完全な自動化は困難です。一つの入力ミスが全体の計算に影響を及ぼす可能性があり、それが重大な問題に発展することもあります。ミスが発生した場合、原因究明や取引先との信頼関係の修復に多大な労力と精神的な負担がかかります。

【業務の属人化】
エクセルの柔軟なカスタマイズ性により、特定の担当者しか理解できない複雑な管理表が作成されがちです。これにより、業務の引継ぎが困難となり、特定の個人に依存した業務体制が形成されてしまう要因にもなります。

【検証作業の非効率性】
エクセル管理では、最終的な確認を目視で行う必要があるため、完全な自動化は困難です。営業部門と経理部門の間で多くの目視作業が発生します。このような人的リソースの投入は、業務効率化の観点からすると見過ごせない問題です。

これらの問題点を考慮すると、エクセルによる入金消込管理には効率化の限界があるといえます。より効果的な業務改善のためには、専門的なシステムの導入を検討する必要があるでしょう。

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入金管理・入金消込はツールでの自動化がおすすめ

エクセルによる入金管理は効果的ですが、業務の規模が拡大するにつれて限界が生じることもあります。そこで注目されているのが、専用の自動化ツールです。これらのツールを導入することで、入金管理と入金消込の作業を大幅に効率化し、人為的ミスを最小限に抑えられます。ここでは、自動化ツール導入のメリットを次の4つの観点から解説します。

  • 業務の属人化を予防できる
  • さまざまな決済方法や会計ソフトに対応できる
  • ヒューマンエラーを減らすことができる
  • 二重請求や請求ミスを防止できる

ツール選びのポイントは、自社の規模や業務内容に合った機能を備えているか、また使いやすいかどうかです。

業務の属人化を予防できる

入金消込業務の自動化は、属人化の問題を解消し、業務効率を大幅に向上させます。これまでの入金消込は特定の担当者に依存しやすく、確認漏れや入力ミスのリスクが高いものでした。

さらに、専門知識や経験が求められるため、負担が一部の社員に集中する傾向があります。またベテラン社員が不在の場合、業務の滞りや引き継ぎ不十分によるトラブルが発生することもあります。

システム化を導入することにより、このような人的判断を最小限に抑え、誰でも対応できる業務環境を整えることが可能です。

さまざまな決済方法や会計ソフトに対応できる

自動化システムは他のアプリケーションとの連携が容易で、多様な決済方法に対応可能です。これにより、業務効率が向上し、新たな取引機会の創出も期待できます。

自動化システムの導入は、作業の正確性向上と時間短縮をもたらすだけでなく、企業の売上増加にも寄与することがあります。。リアルタイムでの入金状況確認や多様な決済方法への対応は、企業の競争力強化につながる重要な要素ともなるでしょう。

ヒューマンエラーを減らすことができる

自動化システムは、金融機関やカード会社から直接入金情報を取得し、照合と消込を自動的に行います。これにより、見間違いや思い込み、入力ミスなどのヒューマンエラーが大幅に減少します。

この自動化がもたらす最大の利点は、人的ミスの解消です。これは単に修正作業の工数を削減するだけでなく、従業員をミスへの過度な不安から解放します。

二重請求や請求ミスを防止できる

システム化された入金管理により、入金と売掛金を正確に把握でき、二重請求や請求漏れといった問題を未然に防げます。これにより、債権管理の精度が向上し、未回収金への迅速な対応が可能です。

また、取引内容の可視化により、企業の経営状況や収支の流れが明確になり、戦略的な意思決定に必要な情報を提供しやすくします。この情報を営業部門と共有することにより、取引先へのアプローチが最適化され、効率的なフォローアップも実現できる可能性があります。

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まとめ

入金管理・入金消込の効率化には、エクセルの活用が有効です。テンプレートやマクロ機能、関数(SUM、IF、VLOOKUP)を駆使することにより作業時間の短縮と正確性の向上を図ることができます。

ただし、エクセル管理にはデメリットもあるため、業務の自動化ツールの導入もおすすめです。ツールを使用することにより「属人化の予防」「多様な決済方法への対応」「ヒューマンエラーの削減」「二重請求や請求ミスの防止」など、さらなる業務改善が期待できます。

請求代行サービスは、ミスが起きやすい入金確認の作業をすべて代行するため、入金確認業務を効率化でき、ミスなどの負担も軽減するでしょう。『マネーフォワード ケッサイ』なら、掛け売りに必要な与信審査から請求書の発行発送・入金管理・未入金フォローなど、請求にかかわるすべてのプロセスを代行します。業務の効率化に、ぜひご活用ください。

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