2020年の新型コロナウィルス(COVID-19)流行拡大に伴う緊急事態宣言を機に、多くの企業でテレワークが導入されています。
政府は、オフィス出勤者の最低7割削減を目標に掲げてテレワークの積極的な活用を推奨していますが、マネーフォワードケッサイ株式会社が会社役員および経理担当者を対象に行った調査では、「テレワークは実施していない」が半数を占める結果になりました。「毎日実施できている」と回答したのはたった17%で、83%もの経理担当者が月1回以上の出社を余儀なくされていることが判明したのです。
経理財務のテレワーク化が進まないのは、なぜなのでしょうか?
同調査によると、他部署と比較してテレワークを行いにくいと感じた理由として、71%の経理担当者が「紙での会計帳簿書類(請求書等)の対応のため」と回答しています。紙ベースの業務が多い理由としては、「郵送前提のシステムや請求書を紙で残すなど、旧態依然とした社内ルールが通例となっている」「システムのデジタル化(=ペーパーレス化)にかける予算がない」「社内稟議を通せないといった社内問題」「取引先がデジタル請求を受け入れてくれるか不安」といったものが挙げられています。
そこで、これらの課題を解決すべく請求業務をペーパーレス化する方法について解説します。
2020年4月7日の緊急事態宣言発令後、勤め先の経理・会計担当者はどれくらいの頻度でテレワークを実施していますか?(N=1,000)
経理・財務会計部門は、他部署と比較してテレワークを行いにくいと思う理由はなんでしょうか?(複数回答 N=612)
※2020年4月実施「緊急事態宣言後のテレワークの対応状況に関する調査」より
※予定を含む。小数点以下は切り下げ。
ペーパーレス化をスムーズに進めるために、まずは業務がどう変わるのかを確認します。その際のポイントは次の3つです。
まずは請求業務をはじめ、与信管理や入金確認、督促業務まで、業務フロー全体でアナログな作業を確認します。その中で、デジタル化(=ペーパーレス化)が図れる部分を確認します。これにより、従来の資材コストや作業人員の時間・コストが浮き彫りとなり、ペーパーレス化によるメリットが明確になります。
受発注システムや会計システムを一本化してアナログな作業を排除すると、利便性が向上し業務負担の軽減につながります 。そこで、一連の請求業務で使用しているシステムツールの連携がとれるよう、連携に必要なシステムの確認と、作業にかかる時間やコストを確認 します。
ペーパーレス化を行うことで、これまで請求業務に割いていた時間やコストを、ほかの業務や社員教育などへ回せるようになります。それによって、どれくらいの増益を見込めるのかを試算して、ペーパーレス化に費やせる予算と費用対効果を想定します。
Step1の内容をもとに資料を作成して社内でプレゼンテーションを行い、
ペーパーレス化の必要性を周知します。その際のポイントは次の3つです。
新しいシステムを提案する際、従来の方法を行っていた期間が長かったり、変更点が多かったりするほど、社内の理解は得にくくなります。社内プレゼンでは、業務がどう良くなり、どう合理的になるのかなど、メリットをわかりやすく提示して、ペーパーレス化をしたほうが良いと思わせる動機づけにつなげることが大切です。その際にはイメージしやすいよう、動画を用いて追体験してもらうのが有効です。システム提供企業の担当者に、協力を仰いでみるといいでしょう。
請求書がすべてペーパーレスになれば、取引先は支払業務のために出社しなくても良くなります。このように、取引先にもメリットをもたらすことを主題にすると、社内の理解を得やすくなります。
また、請求業務のデジタル化は、BtoCではすでに行われていることを挙げ、「自分が顧客側として、ネット通販で注文や請求などの書類が都度郵送で送られてきたら嫌ではありませんか?」といった具合に、自分事として置き換えやすい例で説明します。
社内システムの変更や新システムの導入などを提案すると、必ず反対意見が出ます。できない理由が出る場合も想定し、考えられる問題点と解決策、できたほうが良い理由をできる限り提示しましょう。
ペーパーレス化で自社と取引先の双方にどれくらいのメリットがあるかを強調して、ペーパーレス化するべき理由をメインにプレゼンを行います。具体的な数字を用いると、反対意見の説得材料にもしやすくなります。
社内や取引先の声を集め、できるところから実際にデジタル請求への切り替えを行います。そうして実績を重ねていき、取引先を広げていきます。その際のポイントは次の3つです。
まずは、完全デジタル化に移行する期間を想定し、「A:翌月に移行」「B:半年以内」「C:1年以内」とグループ分けします 。
そして、すでにIT化が進んでいる取引先はグループAとして、請求書変更の告知をします。紙での証跡を必要とする取引先は、対応可能な時期を相談した上でグループB、グループCとグループ分けします。
グルーピングをもとに、柔軟な対応が期待できる取引先から順次デジタル化を実施します。実際の状況を見ながらグルーピングを調整し、タイミングを見ながら段階的に実施取引先を広げていきます。
実施する取引先が段階的に増えることで問題点も徐々に表れ、その都度対処していくことで現場の混乱を防ぐことができます。
請求業務のペーパーレス化が難しい取引先への対応を決めておきます。このような取引先の割合は今後減ることが考えられるため、紙による対応=イレギュラー対応として処理します。
なお、新規で取引を開始する企業は、初めから請求業務はデジタルのみであると告知するよう、社内で取り決めておきましょう。
経理財務のテレワークのカギともいえる請求業務のペーパーレス化ですが、すべてを自社で実施する場合には、「すべてのシステムを開発したら高額な費用がかかる」「与信や入金管理、督促などの負担が残る」「口座確認や取引先からの問い合わせ対応など出社が必要な業務がある」など、さまざまな問題が生じます。
そのため、請求業務全般を請求代行にアウトソースすることをおすすめします。
請求代行を利用する際には、次のポイントをチェックして、信頼できる業者を選びましょう。
上場企業やセキュリティに配慮しているなど、対外評価が高い
取引先にもウェブで完結するシステムがある場合、連携して高い利便性を提供できる
半年先など、特殊な支払サイトも可能といった、さまざまな商習慣に対応できる
継続的に利用するものだけに、コストがかかりすぎない業者である
会計システムとの連携など自動化がスムーズで、システムの拡張性も備えている
本記事では経理財務のテレワーク化を進める方法をご紹介しました。しかし、すべてを自社で実現するには、さまざまな課題があることも多いでしょう。
マネーフォワード 掛け払いでは、与信、請求書送付、代金回収、入金確認、未入金時の連絡のすべてをお任せいただける、企業間決済代行サービスを行っております。
自宅からの請求業務も可能。御社の請求業務をすべてペーパーレス化します!
請求業務のペーパーレス化に悩んだら、マネーフォワード 掛け払いにお任せください。
▼企業間後払い請求代行サービス「マネーフォワード 掛け払い」
https://mfkessai.co.jp/kessai/top
請求業務に関するお役立ち情報を、マネーフォワードケッサイ株式会社が提供いたします。マネーフォワード 掛け払いは、掛け売りに必要な与信審査・請求書の発行発送・入金管理・未入金フォローなど、請求にかかわるすべてのプロセスを代行する企業間請求代行・決済代行サービスです。
受賞歴:ITreview Grid Awardにて、最高評価である「Leader」を受賞