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滞留債権とは?不良債権との違いや回収方法を解説

滞留債権とは?不良債権との違いや回収方法を解説

滞留債権とは、回収の見込みのある債権のことです。放置すると不良債権になり、貸倒れや時効消滅などのリスクがあるため、注意しなければなりません。

本記事では、滞留債権の回収方法や発生を未然に防ぐ方法を解説します。滞留債権の発生防止に役立つ請求代行サービスも紹介しますので、ぜひチェックしてください。

目次

滞留債権とは?

滞留債権とは、期日までに入金がなかった債権のことです。返済が遅れているだけで、あとから回収する見込みがあることが特徴です。

ここでは、滞留債権と不良債権との違いや、滞留債権が発生する理由を解説します。

期日までに支払いがない債権のこと

企業間の掛取引では、先に商品・サービスを提供し、支払期日を定めて入金を行います。滞留債権とは、この支払期日までに支払いがなかった債権であり、主に支払い期日から6ヶ月以内の未回収債権のことです。

それよりもさらに長く、6ヶ月〜1年程度回収できない債権を「長期滞留債権」と呼びます。支払期日から1年以上回収されていない滞留債権は、会計上のルールとして「長期未収入金」という勘定科目で計上されます。

不良債権との違い

滞留債権も不良債権も回収期日を超過した売掛債権ですが、両者は回収の見込みがあるかどうかが異なります。

滞留債権はさまざまな事情で回収が遅れており、問題が解消されれば回収できる可能性があります。これに対し、不良債権は経営悪化や倒産などで、債権の回収可能性が著しく低いと考えられるものです。

両者を区別する明確な基準はなく、滞留債権をそのまま放置すれば不良債権になってしまうこともあります。不良債権になれば、最終的には自社の損失として計上しなければなりません。不良債権になる前に、速やかな対処をする必要があります。

滞留債権が発生する理由

滞留債権の代表的なものは回収期日が過ぎた売掛金で、事業の成長とともに取引先が多くなれば、滞留債権が生じるリスクも高まります。

滞留債権が発生する原因の多くは、売り手側・買い手側双方の単純なミスです。売り手側は毎月、何十件、何百件もの取引の請求書を発行することも多いため、作成・発行漏れや見落とし、支払期日の記載ミスなどが発生しやすくなります。

買い手側でも、同じ時期に大量の請求書を受領すると、見落としや支払期日の勘違いといったことが起こりがちです。

滞留債権が発生する理由は、このように、売り手側・買い手側の双方に見られます。
それぞれの原因について、さらに詳しく見てみましょう。

売り手側に原因がある場合

売り手側に原因がある場合は、主に次のようなケースが考えられます。

  • 請求書の発行・送付漏れ
  • 振込期日の記載ミスによる認識の相違
  • 入金処理の誤り

まず、単純に請求書を発行していなかったという原因が挙げられます。郵送で請求書を送付している場合、送り忘れる場合もあるでしょう。

特に取引先が多くなると、発行漏れは起こりがちです。営業と経理の意思疎通がうまくいかず、請求漏れになることもあるでしょう。発行の時期にはチェックリストを作成し、複数人で対応するなどの対策が大切です。

他にも、振込期日の記載ミスで支払日の認識に相違が生じ、入金がないというケースもあります。

また、入金はあるのに、入金消込で他社の入金として処理してしまうと、帳簿上で滞留債権となる場合もあるでしょう。

滞留債権の発生は売り手側に原因があることも多いため、取引先に催促する前に、見落としがないかよく確認することが必要です。

買い手側に原因がある場合

買い手側に原因がある場合は、主に次のようなケースがあげられます。

  • 入金忘れ
  • 振込日の間違い
  • 請求書の未確認・紛失
  • クレームによる支払い拒否
  • 資金繰りの困難

単純な入金忘れや振込日の誤り、請求書の未確認・紛失などは、多くの請求書をまとめて処理している会社にありがちです。このようなケースでは、連絡することで早期に滞留債権を解消できるでしょう。

他にも、商品・サービスや取引内容に不満があるなどで、支払いを拒否しているケースも考えられます。このような場合は、話し合いによって解決を進めましょう。

取引先が支払いを滞留するのは、経営状況が悪く、期日までに現金を用意できないという場合もあります。このようなケースでは滞留債権の回収が困難になる可能性が高いため、早めの対処が必要です。

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滞留債権を放置するリスク

滞留債権の原因が取引先の経営悪化など、資金繰りが困難である場合、放置すると貸倒れや債権の時効消滅などのリスクがあります。ここでは、このような滞留債権を放置することで起こりうるリスクについて解説します。

貸倒損失の計上

滞留債権を回収できない場合、債権は貸倒れとなります。貸倒れとは、企業が回収できないと判断した売掛金や貸付金などの債権のことです。貸倒れは、最終的に「貸倒損失」へ計上することになります。

ただし、債権を回収できないからといって無条件に貸倒損失に計上できるわけではありません。税務上では次のような要件が定められています。

  • 法律上の貸倒れ
  • 事実上の貸倒れ
  • 形式上の貸倒れ

法律上の貸倒れは、取引先が会社更生法、民事再生法の適用などで法的手続きを行い、金銭債権が法的に無効になった場合を指します。

事実上の貸倒れは、債務超過などで取引先の支払能力が低下し、金銭債権の全額が事実上回収不能となった場合のことを指します。

形式上の貸倒れは、取引を停止してから1年以上が経過しても弁済がなく、金銭債権の回収が困難になったと判断できる場合を指します。

これらの要件に該当した場合、損金として参入できる時期はそれぞれ次のように定められています。

  • 法律上の貸倒れ:会社更生法などの適用が決定した事業年度
  • 事実上の貸倒れ:金銭債権の全額が回収不能であると判明した事業年度
  • 形式上の貸倒れ:取引停止または最後の弁済が行われた日から1年以上経過した年の事業年度

参考:国税庁「No.5320 貸倒損失として処理できる場合」

貸倒損失の計上を行わない場合、未回収の売掛金は不良債権として帳簿に残ってしまいます。滞留債権が回収不能である場合は、貸倒損失の要件や計上可能な時期をよく確認しておく必要があるでしょう。

時効による債権の消滅

民法には債権が消滅する「消滅時効」が定められ、時効によって債権が消滅した場合、債権は回収不能となります。

売掛金の時効は、債権者が権利を行使できるときから10年が経過したとき、または債権者が権利を行使することができることを知ったときから5年が経過したときに成立します。

民法の時効は2020年(令和2年)に改正され、それまでそれぞれ短期間の時効期間が定められていましたが、時効期間が5年になりました。2020年4月以降に発生した売掛金の時効は5年であり、2020年3月以前に発生した売掛金の時効は債権の内容に応じた短期間の時効期間が適用されます。

時効を成立させないためには、ただ請求書を送るだけでなく、裁判所を通じた支払督促などの手続きをして、時効中断の措置をとらなければなりません。

社会的信用の低下

滞留債権を放置したことで回収不能になり、貸倒れや時効によって債権を失った場合、企業は単に経済的な損失を被るだけではなく、社会的信用の低下にもつながります。

「与信管理や入金管理ができていない企業」「貸倒れを起こすような取引をしている企業」「時効消滅させるような管理をしている企業」などという社会的評価を受け、信用や企業イメージが低下する可能性があるでしょう。

また、金融機関から融資を受ける際にも、「回収できない債権が多いと融資を行っても返済されないのではないか」と懸念され、事業に必要な融資を受けられないリスクがあります。

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発生した滞留債権の管理方法

発生した滞留債権は、不良債権にならないよう、適切に管理していかなければなりません。管理方法は、主にエクセルとクラウドサービスの2つが挙げられます。

それぞれの管理方法をみていきましょう。

エクセルで管理する

エクセルを使えば、特別なコストをかけずに滞留債権を管理できます。自社の仕様に合わせた管理台帳を作成し、オートフィルタ機能で滞留債権が発生している企業を抽出して表示するように設定しておけば、従業員に注意喚起ができます。

ただし、エクセルはオンライン上のデータ共有に向かない点に注意が必要です。そのため、業務の属人化が起こりやすいという問題があります。

また、取引量が増えるとエクセルで管理することが難しくなり、ミスが起こる確率が高くなる原因にもなるでしょう。

クラウドサービスで管理する

クラウドサービスでシステムにアクセスし、滞留債権を管理する方法もあります。複数人で情報を共有でき、同時編集も可能です。管理業務を効率化でき、属人化も防止できます

滞留債権の残高が現在の時点でどれだけあるかも自動で集計され、入金があった場合には自動で消込されるため、チェック漏れのリスクを減らせるでしょう。

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発生した滞留債権の回収方法

滞留債権が発生したら、速やかに回収を行いましょう。回収はまず話し合いから始め、それでも支払いがない場合は催促状・督促状を送るといった段階に進みます。

ここでは、滞留債権を回収する手順を解説します。

話し合いから始める

支払いの遅れが発生した場合、自社側にミスがないかを確認したうえで取引先に連絡をします。連絡の際は手元に請求書を用意し、支払いが遅れていることを伝え、請求額と振込期日を案内しましょう。

その際は、担当者名やいつまでに入金できるかも確認してください。支払いの遅延が単純なミスの場合は、すぐに支払いが行われるでしょう。

支払いがないのは、納品された商品に不備があるなど、自社に原因がある可能性もあります。そのような場合は事情を確認し、返品や値引きなどで対応できるよう話し合いを行いましょう。

資金繰りに問題があって支払いができない場合でも、すぐに督促状を送るのではなく、まず話し合いを行うことが必要です。事情を聞いていつであれば支払いができるか確認し、支払いの約束を取り付けてください。

メールで支払いの確認をする際の例文

ここでは、メールで連絡する場合の例文を紹介します。

=======

株式会社〇〇
経理部 △△様

平素はお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
〇〇株式会社のxxです。

この度は、ご購入いただきました弊社商品△△のお支払いの件でご連絡いたしました。

先月末日に3月分の請求書を郵送にて送付させていただいておりますが、ご確認いただけましたでしょうか。
本日13時現在、弊社にてご入金の確認がとれておりません。

何かの手違いかと存じますが、改めてご確認いただくようお願いいたします。

念のため、下記にお振込み内容を記載いたします。

■お振込み内容
未入金:△△の代金
金額:xx円(税込)
振込先:xx銀行xx支店 普通 口座番号xxxx

ご入金いただけましたら、本メールにご連絡いただけますと幸いです。
なお、行き違いでご入金済の場合は失礼をご容赦ください。

ご確認のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

=======

催促状・督促状を送る

話し合いによる解決が難しい場合や、先方との連絡が取れない場合は、催促状や督促状を送ります。

催促状とは、督促状を送る前に滞納の状況を知らせる書面です。督促状よりもニュアンスが柔らかく、取引先に「支払い期限が過ぎていること」「支払い状況を確認してほしいこと」を伝える意味合いになります。

催促状を送っても支払いがない場合、督促状を送ります。督促状は、支払われなければ法的手段をとる旨を記載し、支払いを強く促す書面です。督促状を送っても支払われない場合、取引の停止や差押えなどの法的手段へ向けた手続きを行うことを伝えます。

催促状の例文

ここでは、催促状の例文を紹介します。

=======

株式会社〇〇
経理部 △△様

〇〇お支払いの件

平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。

さて、令和〇年〇月〇日にご請求いたしました3月分のお取引金額につきまして、本日時点で入金の確認が取れておりません。

貴社との契約では、商品の代金を請求月の翌月末(翌々月末)にお支払いいだたくことになっております。

弊社といたしましては経理の都合もありますので、未入金の分につきまして速やかにお支払いいただきますようお願い申し上げます。

 【取引詳細】
取引年月日 令和〇年〇月〇日
商品名  〇〇〇〇
取引金額 xxxx円

 【振込先】
xx銀行xx支店 普通 口座番号xxxx

なお、行き違いですでにご入金をいただいている場合は、失礼をご容赦ください。
何卒よろしくお願いいたします。

=======

督促状の例文

ここでは、督促状の例文を紹介します。

=======

株式会社〇〇
経理部 △△様

〇〇お支払いの件について

時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

早速ではありますが、先般ご請求申し上げました「〇〇」の代金xxxx円につきまして、〇月〇日の期日を過ぎましても未だ入金の確認が取れておりません。

ご多忙の折、恐縮ではございますが、念のため再度ご送金についてご確認の上、来る〇月〇日までに、下記の口座へお振込いただきますようお願い申し上げます。

【ご利用内容】
ご利用日 令和〇年〇月〇日
商品名 〇〇〇
金額 xxxx円

【振込先】
xx銀行xx支店 普通 口座番号xxxx

期日までにお支払いいただけない場合、誠に遺憾ではございますが、弊社といたしましても法的措置を取らざるを得ませんことをご理解ください。

なお、本状は令和〇年〇月〇日現在の入金確認を元に作成しております。
本状と行き違いにお振込みいただいておりましたらご容赦願います。

=======

内容証明郵便で催告書を送る

督促状を送っても支払いがない場合、法的な手段を視野に入れ、内容証明郵便で催告書を送ります。

催告書は、度重なる催促を行っても債務を履行しない相手に対する最終通告となる文書です。 受け取った取引先に速やかな支払い、もしくは自社への連絡をしてもらうために、「期限内の履行がなければ法的措置をとること」を明記して内容証明郵便で送ります。

内容証明郵便は、いつ、どのような内容の文書を誰から誰宛てに差し出されたかを郵便局が証明する郵便のことです。

送付した年月日や送付した事実を証明するものであり、さらに「これ以上支払いがないのであればしかるべき措置をとる」という意思を相手に伝える効果があります。

法的手段を検討する

内容証明を送っても支払いがない場合は、訴訟を起こすなどの法的手段を検討します。

法的手段には、主に次の4つの手段があります。

  • 支払督促
  • 民事調停
  • 少額訴訟
  • 通常訴訟

それぞれの内容をみていきましょう。

支払督促

支払督促は財産の差押えに向けた簡易的な手続きです。支払督促を申し立てることで、裁判所から相手側へ支払督促が行われます。

支払督促は簡単な手続きであり、弁護士に依頼する必要もありません。時間やコストをあまりかけずに行える法的措置です。

裁判所から督促が行われるため、相手に与えるプレッシャーは強いものになるでしょう。支払わない場合には財産差し押さえの強制執行が行われるため、履行を促す強い効果が期待できます。

支払督促の流れは、次のとおりです。

  1. 書類を用意する(申立書、請求額の趣旨・原因、当事者目録)
  2. 申立書の審査が行われる
  3. 問題なければ支払督促が相手側に送達される

申し立てに対し、相手側は異議申し立てができます。異議申し立てとは「支払督促の内容が事実とは異なる」「請求金額が異なる」といった異議を裁判所に申し立てることです。

異議申し立てにより支払督促は無効になり、債権支払いの有無について訴訟で争うことになります。そこで相手側に支払いの必要性があると認められれば、強制執行に移行するという流れです。

民事調停

民事調停は、裁判所において当事者間の話し合いにより解決を図る制度です。裁判のように勝ち負けを決めるのではなく、話し合いによりお互いが合意することで紛争を解決します。話し合いは、第三者である調停委員が、裁判官とともに間に入って行われます。

また、調停を行うのは法廷ではなく、調停室で非公開により実施します。調停委員には守秘義務があり、紛争内容が外部に漏れることはありません。

申立てをするのに特別な知識は必要なく、終了までの手続も簡易であるため、自分1人で行えます。債務者に少しでも支払いの意思があれば、第三者の仲介により解決方法を見出せるでしょう。

調停では、ポイントを絞った話し合いを行うため、解決までの時間は比較的短いのが特徴です。一般的には、申立てのあと2〜3回の調停期日が開かれ、3ヶ月以内に調停が成立して解決することが多いでしょう。

少額訴訟

60万円以下の支払いを求める場合に限り、簡易裁判所に申し立てができる手続きです。原則として1回の審理を終えて判決が行われるため、迅速な解決が期待できます。

即時解決を目指す訴訟のため、証拠書類や証人は、その場ですぐに調べられるものに限られます。裁判官とともに着席して審理が進められる形式です。

訴訟の途中で和解することができ、判決書または和解調書に基づいて強制執行を申し立てることも可能です。

相手側が通常訴訟に移行すると申述した場合や、判決に対して異議が申し立てられたときなどは、通常訴訟として再度審理が行われます。

通常訴訟

滞留債権の請求額が60万円を超える場合は、通常訴訟を提起することになります。訴えを起こすのは、原則として相手方の住所地を管轄する裁判所です。

裁判の判決には執行力があり、裁判所から取引先に対して支払いを命じる判決があれば、取引先は応じて支払いをしなければなりません。

滞留債権に関する通常訴訟にかかる期間は、一般的に9ヶ月程度です。弁護士に依頼する場合はほとんど出頭する必要はなく、2〜3回程度の開廷により裁判は終了します。

相手方が争わない場合などは、1回目で判決が下りる場合もあります。

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滞留債権の発生を防ぐ方法

滞留債権が発生すると、不良債権に移行する可能性もあります。企業にとってさまざまなデメリットがあるため、可能な限り未然に防止することが大切です。

ここでは、滞留債権を未然に防ぐ方法を紹介します。

定期的に状況を確認する

滞留債権の発生を防止するためには、定期的な状況の確認が必要です。取引先ごとに売掛金の金額・振込期日・回収状況などの情報を管理し、チェックを行いましょう。

入金日には代金の入金があるかを必ず確認し、遅れがあるときは迅速に対応することで、滞留債権の発生を防ぐことができます。

事業の成長や新規事業の開拓などで、取引先や取引額は増えていきます。売上が増加するほど売掛金も増え、滞留債権が発生するリスクも高まるでしょう。

取引先や売掛金が増えれば、支払い状況の管理をより徹底的に行わなければなりません。滞留債権のリスクを回避するため、状況によっては取引条件の見直しや取引額の減額などの対策も必要になるでしょう。

業務が属人化して担当者が忙しいなど、確認が疎かになることがあります。複数人で確認する体制をとり、確認漏れのないようにしましょう。

作業を正確に行う際は、ダブルチェックを行うなど万全の体制が必要です。これらの徹底した対応により、自社側・取引先において単純なミスによる支払い忘れを防ぐことができます。

取引先の与信管理をしっかり行う

滞留債権の発生防止には、取引先の与信管理も重要です。与信管理とは、取引先から売掛金を回収できなくなるリスクを最小限に抑えることを目的とした管理のことです。取引先の経営状況や信用力、支払い能力などを総合的に評価し、取引の可否を判断することで、債権を回収できなかった場合のリスクを抑えます。

与信管理を徹底することにより、売掛金を回収できない可能性がある相手との取引を避けることができ、滞留債権の発生を未然に防止します。

滞留債権の発生を抑えるためには、与信管理とともに与信限度額の検討も必要です。与信限度額とは、取引先の信用度に応じて定める総債権額の上限であり、これを超えた取引はしないという枠組みです。

たとえば、与信限度額が2,000万円のA社に対して売掛金が1,500万円ある場合、新たな取引は500万円までということになります。

企業の財務状況は変化するため、与信管理や与信限度額の設定は取引を開始するときだけでなく、定期的な見直しが必要です。与信の結果に応じて取引金額を変更したり、場合によっては取引を終了したりするなどの措置も必要になるでしょう。

回収業務を疎かにしない

滞留債権を発生させてしまった場合、回収業務を疎かにしないことが大切です。振込期日を超過した売掛金は放置せず、迅速に回収作業を行いましょう。

掛取引の場合、営業と経理がそれぞれ独立しており、営業では契約を獲得した段階で取引の成立と考えてしまいがちです。受注を得たことに満足して売掛金の回収を疎かにするのでは、契約を獲得した意味がなくなり、会社の利益も損なわれてしまう可能性があります。

売掛金の発生から支払いまでの期間は代金が入ってこないため、、期間が長くなるほど自社の資金繰りは悪化します。滞留債権が増えれば、帳簿上の収支計算が黒字でも、手元にある資金不足により黒字倒産を引き起こすこともあります。

入金確認を速やかに行い、入金遅れが判明した場合は営業など関連部署の担当者とも連携をとりつつ、催促の連絡を入れることが大切です。

債権回収代行を利用する

債権回収代行とは、金銭債権の回収を代行することです。債権回収代行を利用すれば、代金を速やかに回収できます。

債権回収代行は、当事者に代わって回収する方法と、債権を買い取って回収を行う方法に分かれます。

債権回収代行にはメリット・デメリットがあるため、どのような場合に利用するのか、どのような業者に依頼できるのかを確認しておきましょう。

債権回収代行を利用するケース

債権回収代行は、自社で回収できる見込みがない場合や、自社に債権回収のノウハウがない場合などに利用されます。

債権回収代行を利用することで直接取引先と交渉する必要がなくなり、トラブルを回避して迅速に代金を回収できるのがメリットです。

支払いをしてもらえない場合、催促状や督促状の発送など、手間や時間がかかります。担当者の負担になり、通常の業務にも支障が出るでしょう。法的措置が必要になると、さらに負担が大きくなります。

債権回収代行を利用すれば、取引先と直接交渉する手間を省き、すぐに代金を回収できるのがメリットです。

ただし、債権回収を利用すればコストがかかり、回収できるのは売掛債権の金額よりも低い額になることは把握しておきましょう。

債権回収代行を依頼できる業者

債権回収を行うのは、次の3者です。

  • 弁護士
  • 債権回収会社
  • ファクタリング会社

債権回収代行は法律事務にあたり、弁護士が行う業務に含まれます。弁護士は当事者の代理人となって、債権の回収が可能です。顧問契約をすれば、日々発生する代金の遅延についても回収代行を依頼でき、経営の安定が図れるでしょう。

債権回収会社は、「債権管理回収業に関する特別措置法(通称サービサー法)」に基づき、特定金銭債権について回収する許可を受けている業者です。

債権回収業務は本来弁護士のみが行える業務ですが、不良債権が増えて対応に悩む企業が増えている事情に鑑み、法務大臣による許可を得た業者に限り債権回収業務が認められるようになりました。

代理人として債権を回収する弁護士とは異なり、債権回収会社は債権者から滞留債権を買い取り、直接債務者からお金を回収します。

債権回収会社が回収できる債権は、法的倒産手続中の者が有する金銭債権や法的手続中の者が第三者に譲渡した金銭債権など、特定債権に限られます。一般的な売掛金などは対象外になるため、注意してください。

ファクタリング会社とは、売掛債権を買い取り、現金化できるサービスのことです。買い取りの対象となるのは支払期日前の債権であり、滞留債権になった場合は買い取ってもらえません。

請求代行サービスを利用する

滞留債権の発生防止には、請求代行サービスの導入もおすすめです。請求代行サービスとは、請求書の作成・送付などの請求書発行に関わる業務を効率化できるサービスです。

取引先が増えると、請求書の作成や入金確認など請求業務の負担が増えてきます。入金確認の見落としや請求書の発行漏れ、金額や支払い期日の誤記入なども起こりやすくなるでしょう。

請求代行サービスでは、取引先の情報を一度設定すればデータをもとに毎月の請求書を自動で作成でき、送付や保存業務も自動化できます。請求書の作成・発行だけでなく入金管理などもスムーズにできるため、請求書の発行漏れや確認漏れを防止できるでしょう。

請求書の発行業務の自動化により、紙の印刷や保管などの手間が省け、経理担当者の負担を大幅に軽減できるのもメリットです。その分、本来の経理業務に時間をかけることができるでしょう。

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滞留債権の発生を防ぐ『マネーフォワード 掛け払い』

滞留債権の発生防止に役立つのが、企業間後払い決済・請求代行サービスの『マネーフォワード 掛け払い』です。『マネーフォワード 掛け払い』では、取引先企業の与信審査から請求書発行、代金回収など請求に関する一連の業務を代行します。

ここでは、『マネーフォワード 掛け払い』が滞留債権の発生防止のためにできることを見ていきましょう。

与信調査から入金催促まで代行

『マネーフォワード 掛け払い』は、取引先の与信調査から請求書の作成、入金確認など請求に必要な業務を代行します。

紙またはPDFで請求書を発行・送付し、クラウドで管理を行うためいつでもダウンロードが可能です。また、事前に指定した日に自動で発行されるため、送り忘れる心配もありません。

さらに、買い手からの入金の有無に関わらず請求金額が振り込まれるため、一括で消込ができます。入金の消込作業が削減され、入金確認漏れによる滞留債権の発生を防止します。

また、高精度な与信調査で滞留債権の発生を防止できるのもメリットです。入金状況は管理画面に自動反映されるため、未入金の有無は一目でわかります。

未入金の取引先には未入金フォローも行うため、その分より重要な顧客対応にリソースを集中できるのもメリットです。

100%入金保証で貸倒れリスクを回避

『マネーフォワード 掛け払い』では、所定の条件を満たした場合は未入金が発生した場合でも100%入金保証を受けることができます。そのため、滞留債権の発生や貸倒れの心配をすることなく掛取引ができます。

また、入金保証があることで、これまで取引ができなかった会社とも取引できる可能性もあります。

たとえば、創業間もないベンチャー企業から取引を求められた場合、業績や信用力が分からず、取引を見合わせることもあるでしょう。しかし、入金保証があれば前向きに検討し、新たなビジネス創出の可能性を広げられるかもしれません。

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まとめ

滞留債権は回収の見込みがある債権であり、回収が困難だと見込まれる不良債権とは異なります。しかし、滞留債権が発生してから迅速に対応しない場合、不良債権に変わる可能性があるため注意が必要です。

滞留債権を放置すると、貸倒れや時効消滅などで債権を回収できなくなる可能性もあります。場合によっては、企業の信用低下にもつながるでしょう。

定期的な状況確認や与信管理を行うことで滞留債権の発生を未然に防止するとともに、万が一発生した場合は速やかに回収業務を行う必要があります。

請求書の発行漏れや記載ミスなどで滞留債権を発生させてしまうという懸念があれば、請求代行サービスを利用してみてはいかがでしょうか。請求書の作成・発行を自動化し、漏れや記載ミスをなくします。

『マネーフォワード 掛け払い』であれば、入金保証*や未入金フォローも行うため、滞留債権に対する心配がある方は、ぜひご活用ください。

*当社所定の条件を満たした場合に限ります。

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