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支払いサイトとは?意味や一般的な長さ、決め方を解説

支払いサイトとは?意味や一般的な長さ、決め方を解説

支払いサイトとは締め日から支払い期日までの期間のことで、30日または60日間が一般的です。支払いサイトの決め方・考え方は、売り手側・買い手側で異なります。

本記事では、支払いサイトの概要や一般的な長さ、短くする方法を解説します。支払いを確実にする請求代行サービスも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

支払いサイトとは

支払いサイトとは、代金後払の取引における支払いに関する条件のひとつであり、締め日から代金を支払うまでの期間を指します。支払いサイトの期間は法律で定められているわけではなく、企業ごと、契約ごとにその長さは異なります。

これから取引先と契約し、取引を行う場合、支払いサイトの決定は事業運営を進める中で重要な事項といえるでしょう。

ここでは、支払いサイトの概要について解説します。

締め日から支払い期日までの期間のこと

支払いサイトは、買い手が売り手に対して商品・サービスの代金を支払うまでの期間を指します。取引金額をまとめて後払いで精算する掛取引では、あらかじめ支払うタイミングを決めておかなければなりません。その際に定めるのが、締め日から支払日までの期間である支払いサイトです。

代金を支払う側(買い手側)にとって、支払いサイトは代金の猶予期間となります。期間が長ければそれだけ資金繰りが良くなるため、どのくらいの長さに設定するかが重要です。

売り手側にとっては「回収サイト」

支払いを受ける側(売り手側)から見れば、支払いサイトは請求締めから売掛金を回収できるまでの期間であり、「回収サイト」とも呼ばれます。

回収サイトが長くなると、手元の現金が増えずに資金繰りが悪くなります。そのため、売り手側にとってはできるだけ短く設定し、早く代金を回収できるようにしたいと考えるのが一般的です。

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支払いサイトの一般的な長さ

一般的に支払いサイトの長さは、30日または60日である場合が多いです。手形取引の場合は、90日〜120日になることが多いでしょう。

ここでは、支払いサイトの長さについて解説します。

30日(月末締め・翌月末払い)

30日が支払いサイトの場合は、売上を月末で締めて翌月末に支払うことが多いです。買い手と売り手の双方が注文内容と代金を確認し、余裕をもって請求書を発行するためには十分な期間といえるでしょう。

月単位で債務や売上高の数字を把握でき、買い手側・売り手側ともに出入金の管理がしやすいため、多くの取引で採用されています。

特に売り手側にとっては1ヶ月ごとに前月の売上を回収でき、資金を早く入手できるため、理想的な長さといえるでしょう。

60日(月末締め・翌々月末払い)

60日が支払いサイトの場合は、月末締めの翌々月末払いが代表的なパターンです。現金で取引する際は、最大限の支払い猶予期間となります。

買い手側にとっては長い期間支払いが猶予されるため、資金繰りに都合の良い長さです。一方、売り手側は締めの月を含めると支払いまでに最大で3ヶ月間の期間が猶予されることになり、他の入金で資金を確保できない場合は資金繰りに影響する可能性があるでしょう。

なお、取引相手が下請業者の場合、代金の支払いサイトは60日以下が原則です。下請代金支払遅延等防止法(以下、下請法)により、下請業者に対する代金の支払いは商品やサービスが提供された日から60日以内に定めることが義務付けられています。

親事業者が不当に長い支払いサイトを設定して、下請業者に不利益を与えないよう、下請業者を守る趣旨があります。

90~120日(手形サイト)

業種や契約条件によっては、代金の支払いを手形で行う場合もあります。手形取引では代金の支払いサイトのほかに手形サイトが加わるため、90~120日と長くなるのが一般的です。これは、手形を手渡したタイミングと、実際に代金を受け取るタイミングが異なるためです。

手形には「振出日」と「支払期日」が設定されています。振出日とは手形を作成し、支払先に渡した日付のことです。支払いサイトが30日の場合は手形の交付から30日後に手形で代金を支払いますが、これが振出日となります。この振出日から支払期日までが手形サイトです。支払期日が過ぎないと、額面通りの現金を受け取れません。

たとえば、支払いサイトが60日の場合、締め日の翌々月に代金の支払いとして手形を振り出し、手形交付日から手形金の入金日までの手形サイトが60日であれば、現金を受け取るまでに120日かかることになります。

中小企業庁と公正取引委員会はこれまで、​​業界の商慣習や金融情勢等を総合的に勘案し、手形サイトについて繊維業は90日、その他の業種は120日を超える場合、下請法が規制する「割引困難な手形」に該当するおそれがあるとして指導してきました。

これを受けて、2024年11月からは下請法上の運用が変更されることになり、サイトが60日を超える手形等による支払いは行政指導の対象となり得ることが決定しています。また、下請法の適用対象とならない取引も含め、サプライチェーン全体で見直しに取り組むことが重要であるとされています。

参考:経済産業省「約束手形等の交付から満期日までの期間の短縮を事業者団体に要請します」

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支払いサイトの決め方・考え方

支払いサイトの決め方・考え方は、売り手側と買い手側で異なります。それぞれの考え方を見ていきましょう。

売り手側

売り手側から見た支払いサイトは回収サイトであり、できるだけ短くしたいと考えます。サイトが短いと売上を早く現金で回収できますが、長くなると本来受け取るべき代金を回収できず、資金繰りに困るためです。

手元に現金が入らなければ、商品開発や事業投資などに資金を投入できず、事業成長のスピードが遅くなる可能性があります。

回収サイトは手元にできるだけ現金が早く入るように設定し、資金繰りを安定させることが必要です。

また、回収サイトが長くなると、売掛金を回収できなくなるリスクも高まります。リスクを軽減するためにも、短い回収サイトが望ましいでしょう。

買い手側

買い手側は、支払いサイトをできるだけ長くしたいと考えます。支払いまでの期間が長ければ長いほど手元に資金が残る状態が続き、その間に資金を運用したり、ほかの支出に充てたりできるためです。売上や利益を創出する機会に恵まれ、支払いに充てる現金を増やすこともできるでしょう。

しかし、支払いサイトを長く設定するということは、それだけ売り手側に不利益を与えることになります。支払いサイトを長くしたい場合は、取引額を増やすなど、売り手側にもメリットのある条件を提示することが必要になるでしょう。

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支払いサイトを短くする方法

売り手側にとっては、できるだけ支払いサイトを短くして代金を早く回収したいのが実情です。ここでは、支払いサイトを短くする方法を解説します。

取引先と交渉する

支払いサイトを短くする方法としてまず考えられるのが、取引先との交渉です。これから契約を締結する際は、できるだけ短くするよう交渉しましょう。

その際は、なぜ支払いサイトを短くしたいのか、相手を納得させる理由が必要です。その際、資金繰りが苦しくなるなど財務の状態が深刻なことを伝えるのは、あまり得策ではありません。

値下げを受け入れるなど相手側にもメリットとなる交換条件を提示することが、支払いサイトの交渉を有利に進めるコツといえるでしょう。

すでに契約をしていて支払いサイトが長い場合は、短くしてもらうよう交渉します。取引先の経営に支障をきたさないよう、今後の関係性も考えながら、お互いに不利益とならない落としどころを見極めましょう。

短くすることが難しい場合は、一部を前受金として支払ってもらうという方法などもあります。

手形から現金取引に変更する

手形取引の場合は、現金取引に変更してもらうことで支払いサイトを短くできる場合があります。

手形は原則として支払い期日に現金化できず、振出から満期までの時間がかかるため、支払いサイトが60日以上になる傾向があります。売掛先が支払い期日までに手形金額を支払えなければ、不渡り手形になってしまうでしょう。さらに、不渡り手形が6ヶ月間で2回振り出されると銀行取引停止処分になるため、売掛金を回収はできないという事態になる可能性もあります。

銀行に手形割引を依頼し、支払期日前に現金化することもできますが、支払期日までの利息相当額を割り引かれることがデメリットです。

すべて現金取引にするのが難しい場合は、現金と手形を併用するなどの提案をしてみましょう。少しでも現金で受け取る方向で交渉を行い、手形を受け取ることのリスクを減らすようにしてください。

手形割引を利用する

手形取引で支払いサイトが長く、現金取引への切り替えが難しい場合は、手形割引を利用する方法もあります。

手形取引では、現金の受取は手形に記載された満期日まで待なければなりません。しかし、金融機関などで手形割引を受ければ、指定期日よりも前に現金化することができます。満期を待たずに現金化することで、支払いサイトを短くし資金繰りを改善できるでしょう。

手形割引は買い取り先の金融機関や手形割引業者による審査が必要ですが、融資を受ける場合と比べて厳格ではないことも多く、比較的短期間で審査結果が出やすいことがメリットです。

ただし、手形割引を利用すると、割引料が差し引かれます。継続して手形割引を利用するとそれだけ会社の利益が減ることになる点がデメリットです。また、信用力の低い企業が発行した手形の場合などは、割引率が高くなることもあります。

割引料や割引の条件などは銀行や業者によって異なるため、よく比較検討して選ぶことが必要です。

ファクタリングを活用する

支払いサイトを短くできないときは、ファクタリングを利用するという方法もあります。ファクタリングとは、ファクタリング会社に売掛債権を買い取ってもらう資金調達方法のひとつです。ファクタリングを利用すれば、売掛金の回収タイミングを待たず、すぐに現金化できる点がメリットです。

ファクタリングには自社とファクタリング会社の2社間で契約する方法と、取引先を含めた3社で契約をする方法があります。2社間の方法であれば取引先に知られないため、取引先との関係悪化や信頼関係が崩れるなどのリスクもありません。

現金化する金額は売掛金の全額ではなく、手数料が差し引かれます。手数料率は、支払いサイトの長さやファクタリング会社ごとに異なりますが、2社間ファクタリングの方が高くなる傾向があります。取引先が関与しないため、回収リスクが高まるためです。

なお、取引先との契約書で債権譲渡を禁止する条項がある場合は、ファクタリングの利用はできないため、注意が必要です。

貸倒れリスクのない請求代行サービスを利用する

取引先との交渉によって支払いサイトを短くできない場合、入金保証のある請求代行サービスを利用するという方法もあります。請求代行サービスとは、企業間の取引における請求書の発行から与信審査、入金確認など、請求業務を幅広く代行するサービスのことです。

掛取引では、請求書の発行業務のほかに企業の支払い能力を確認する与信審査や、代金が未払いだった場合の回収業務など、さまざまな業務が発生します。自社でこれらの請求業務を行っていると、取引先が増えるごとに業務の負担は大きくなるでしょう。

請求代行サービスであれば煩雑な請求業務を一括して依頼できるため、自社の負担を大幅に軽減できます。

請求代行サービスでは入金保証もついているケースもあるため、万が一未回収になった場合でも安心です。自社で後払いに対応する場合、与信管理でリスクを抑える対策をしていても、未払いの発生を完全になくすことはできません。未回収が発生した場合、督促などの業務に追われ、回収できずに資金繰りが悪化するという事態になる可能性もあります。

入金保証のある請求代行サービスを利用すれば、このような貸倒れのリスクや資金繰りを心配する必要がなくなり、事業に専念することができるでしょう。

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まとめ

支払いサイトとは、掛取引による締め日から支払いまでの期間のことです。資金繰りを安定させるには、適切な支払いサイトの設定が欠かせません。売り手側はできるだけ短く、買い手側は少しでも長くしたいと考えるでしょう。双方がスムーズに事業を運営するためにも、支払いサイトの交渉は慎重に行う必要があります。

取引先との交渉がうまくいかない場合は、請求代行サービスの利用もおすすめです。入金保証100%*で、貸倒れのリスクを抑えることも可能のため、ぜひご活用ください。

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