掛取引を行う上で重要となるのが、取引先の与信管理です。
理想的な与信管理とは、すべての取引状況を正しく把握し、与信リスクを定期的に見直しながら適切に管理をすること です。
本記事では、適切かつ効率的な与信管理を行うコツを詳しくご紹介します。また、与信管理を担当できる部署や外部に委託するメリット、注意点も解説します。
与信とは、取引相手に信用を供与することであり、例えば、製造業であれば、製品を提供してから代金を回収するまでの間、取引相手が支払いをすると信用することです。製造業であれば、製品と資金は次のような流れで関連し合います。
材料を購入すると、1の工程に戻り、途切れることなく1~5の工程が繰り返されます。このとき、3~4の販売から回収までの間に与信が発生します。また、金融機関であれば融資して返済されるまでの間や、サービス業であればサービスを提供してから代金を回収するまでの間にも与信が発生しています。
与信管理とは、売掛債権が回収不能となるリスクを適切に管理することをいい、具体的には取引先に対して次のような判断を定期的に行うことです。
与信管理では売掛債権が発生する取引の直接の販売先だけでなく、仕入れ先や下請け先、外注先などの取引に関係するすべての企業・個人に対する信用を確認・管理することが必要になります。
そもそも企業は、利益の最大化を目的として行動をする団体です。取引先の経営状態に問題があり、販売しても対価を得られない、仕入れ契約をしたのに材料・製品を受け取れないなどでは利益を獲得することはできなくなります。与信管理を適切に行い、安心して取引できる企業なのかを継続的に調べることが必要です。
与信管理を適切に行わなかった場合、売掛債権を回収できなくなる可能性が高まります。販売先が倒産し、回収の可能性がなくなると、その損失をカバーするために他の取引先からの売上を増やしたり、新しい取引先を見つけたりすることなどが必要になるでしょう。
例えば、100万円の売掛債権を回収できなかった場合、他案件の売上を100万円増やせば良いというものではありません。売上には経費なども含まれているため、純粋な利益として100万円を得るためにはさらに多額の売上が必要になります。
未回収債権の補てんをするために業務が忙しくなると、社員のモチベーションが下がり、離職率が高まる可能性も想定されるでしょう。このように与信管理を適切に行わないことで、経済的な被害だけでなく、人材流出や企業全体の業績不振も招くことがあるのです。
場合によっては仕入れ先への支払いが滞り、仕入れ先の経営状態にまで影響が及ぶこともあります。適切に与信管理を行い、負の連鎖が発生しない仕組みを構築しましょう。
上記の通り、掛取引を行う上で重要となるのが、取引先の与信管理です。
理想的な与信管理とは、すべての取引状況を正しく把握し、与信リスクを定期的に見直しながら適切に管理をすること です。
そこで本記事では、適切かつ効率的な与信管理を行うコツを詳しくご紹介します。
・自社の損失を最小限に抑えることができます。
・与信管理を効率的に行うことで、売上や利益の最大化も見込めます。
理想的な与信管理の形は、ルールにもとづいた統一基準で取引先を管理し、有効なPDCAサイクルを回すことで実践できます。
与信取引の基準を明確にして社内格付制度を整備し、格付と与信限度額の設定を行う。すべての取引先を格付けし、ポートフォリオ分析で全体の与信リスクを評価して、与信管理目標を達成できる与信管理規定を定める。
体制を構築したら与信管理を実行し、与信リスクの高い取引先には、債権管理や回収遅延への対応など与信管理規定にもとづいたリスク対策を実施する。継続的な取引先においては、動態管理を行いながら、格付と与信限度額を定期的に見直す。
与信管理およびリスク対策の実施状況や与信取引基準の有効性を監査・評価し、実務における問題点も考慮した上で、必要に応じて見直していく。回収遅延や事故が発生した場合はその要因と対応を調査して、規程や帳票の見直しも行う。
与信管理体制の見直しを基に、与信取引基準や与信管理ルール、与信管理規定の改善を行い、与信管理体制を再構築する。現況対策だけでなく、将来的な経営環境も踏まえた改善策を練ることで、与信管理の強化や効率化を図る。
PDCAサイクルの循環によって、与信管理のレベルが向上します。その結果、貸倒れなどのリスク減、コストダウン、目標設定のレベルアップなどが可能になり、利益の最大化が見込めるようになります。
理想的な与信管理を行えず、管理が正しく機能していないと、会社はどうなってしまうのでしょうか?
主に、次のようなリスクが複合的に起こりえます。
貸倒れが発生し、自社の利益を直撃します。
仮に利益率10%の取引先で500万円の貸倒れが起きた場合、損失を取り戻すには5,000万円の売上が必要です。また、取引先が倒産すれば、今後の取引自体が消滅してしまいます。
期日を過ぎても入金されないなど、自社の資金繰りに影響します。補填には資金調達が必要となりますが、借入先が見つからない、高金利など悪条件の融資に頼らざるをえないなど、資金繰り計画が狂うことも考えられます。
貸倒れなどの頻発で業績悪化や資金繰りの深刻化を起こせば、与信管理の甘さを問われて対外信用を失いかねません。周りからリスクの高い企業とみなされて、取引先や取引額の縮小につながることも十分に考えられます。
適切な与信管理ができていないと、貸倒れなどのリスクが高まり、ひとたび貸倒れが起きれば収益減や資金繰りの悪化を招きます。そして、ゆくゆくは対外信用を失うといった負のスパイラルに陥り、最悪の場合は倒産してしまう可能性があるのです。
負のスパイラルに陥る前に、与信管理を行う際の注意点について理解しておきましょう。与信管理はどの部署が担当するかによって、メリットや注意点が異なります。想定される部署や業者に分けて解説するので、ぜひ参考にしてください。
与信管理は、次の部署やサービスで担当することができます。
それぞれの部署や業者が担当するメリットと注意点を解説します。
与信管理業務が多いときは、与信専門の部署を設けることも一つの方法です。担当者は与信管理だけに専念できるため、情報からリスクを洗い出すことや、取引先ごとに丁寧に評価を行うことなども可能になり、より精度の高い業務を実現できるでしょう。
また、専門の部署として社員教育を実施し、与信業務のエキスパートを育成することも可能です。蓄積したノウハウを活かして自社に合う与信管理ルールを作成すれば、より効率的に業務を進めていけるようになるでしょう。
与信専門部署を設けることは、メリットも多い一方で注意すべきポイントもいくつかあります。例えば、与信業務の担当者には情報収集能力や分析能力が求められますが、高いスキルを有する人材を確保することは容易なことではありません。また、高いスキルを有する人材を与信専門部署だけで専有することで、他の部署の業務に影響が生じる可能性もあります。
同じ担当者が継続して与信業務を行うことで、判断に偏りが生じる恐れもあるでしょう。他部署の視点が入らないことで、自社に合った柔軟性の高い与信管理が行えなくなるという可能性もあるため、注意が必要です。
既存部署で与信管理を行うことも可能です。新たに部署を作る必要がないため、会社の構造はそのままで与信管理を進めていくことができます。ただし、部署によってはすでに業務が多く、与信管理まで手が回らない可能性もあるため、人員を補充することや業務内容を整理することなども求められるでしょう。
与信対応が可能な部署としては、経理部、総務部、営業部、法務部などが挙げられます。
経理部であれば、財務分析を専門としていることや入金管理を担当していることなどにより、与信管理に必要な情報をスムーズに入手することが可能です。
しかし、経理面以外の情報が入りにくく、与信対象を包括的に判断することが簡単ではないという点には注意が必要になるでしょう。他部署と連携して情報収集できる状態にしておかなければ、与信調査に偏りが生じる恐れがあります。
情報に偏りがないという点で考えれば、総務部は与信管理に適した部署です。与信管理に必要な情報を網羅的に有しているため、作業を簡易化し、与信管理のコスト減にもつながります。
しかし、総務部は与信管理以外にも多くの業務を担当しているため、与信業務は最低限の作業になるでしょう。与信対象の急な変化に対応しづらいことや、財務分析を専門的に行うことが難しく、トラブルがあっても解決策を提示しにくいことなどもデメリットといえます。
与信対象に関する情報量の多さで考えるならば、営業部が与信管理に適した部署です。内部情報にも精通し、倒産危機なども早い時点で察知することができるでしょう。また、未回収債権が発生したときは他案件で売上獲得に注力するなどの早急な対応も期待でき、与信管理をしつつ、会社全体の収支を意識したアクションが可能です。
しかし、取引を優先することで、与信限度額の設定が甘くなる恐れがあります。また回収遅延よりも、売上や販売に注目しがちな点も不安要素です。
トラブルが生じたときにすぐ対応できることに注目するのであれば、法務部が与信管理を担当することもできます。実際に法務部が与信管理を受け持つ会社も多いですが、与信調査に必要な情報を集めるために、営業部や経理部との密な連携は不可欠です。
場合によっては情報の取りまとめが複雑化し、法務部の負担が大きくなりすぎる可能性があります。与信業務に必要な情報を入手しやすい環境を構築してから法務部に与信管理を任せることで、業務の流れをシンプルにしておきましょう。
関連記事:中小企業における「与信管理」のポイントと問題点、実施方法について解説
与信管理を代行する業者に委託するという方法もあります。煩雑になりがちな与信管理を外部業者に任せることで、本来の業務に専念することができ、より積極的な営業活動が可能になるでしょう。また、外部委託することで、社内で複雑な与信審査フローや体制を作る必要がなくなります。
与信管理は、悪くなってからでは手遅れです。掛取引は支払サイトがある以上、現金回収ができなければ黒字倒産も十分ありえます。それだけに、企業体力がむしばまれる前に自社の与信管理を今一度見直すことが、最大のリスク管理となります。
そこで、理想的な与信管理を行う上で必要なPDCAサイクルの最初のステップとなるPlan「与信管理体制を構築」するためのコツを3ステップで解説します。
与信管理業務の基本的なフローは以下の通りです。
それぞれ具体的な手順と注意点について解説します。
会社ごとに与信管理規定を策定し、与信枠の判断に役立つ与信管理基準を明確にしましょう。社内で統一的なルールを設けることで、与信管理業務の円滑な進行に寄与します。想定される課題や、リスクに対する対応を明文化しておけば、トラブルにも迅速に対処できるでしょう。
一般的には評価表を作成し、与信管理基準を策定します。支払い能力や取引の可否などの項目を立て「非常に高い:S」「高い:S」「平均的:A」というように取引先を格付けします。
与信評価基準に当てはめるためには、取引先の情報収集が不可欠です。リサーチの主な手法はインターネットの活用です。規模や知名度によっては情報が見つからない企業もあるため、必要に応じて有料媒体の利用を推奨します。
上場企業の場合、コーポレートサイトから企業や財務に関する幅広い情報を入手できますが、非上場企業はブラックボックスです。調査会社への依頼や、営業担当者などが訪問した際の情報(代表者の人柄や社内の雰囲気など)の活用も必要でしょう。
収集した情報を用いて、事前に定めた与信管理基準に当てはめる形で、取引先ごとに信用力を分析・評価します。主な評価手法は「定量分析」「定性分析」「商流分析」の3つです。定量分析は、貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)を用いて経営状態を把握します。数値に基づく客観的な情報を入手できる確実な方法です。
定性分析は経営者の素質や社内の雰囲気、業界での立ち位置、信用力のような、数値で判定されない情報を評価する方法です。商流分析は取引のフローに焦点を当てた分析手法で、仕入れ先や最終的な需要者、決済方法、納品方法・場所などつぶさに観察します。取引に潜むリスクの特定に役立ちます。
上述した様々な方法を駆使して、取引先の信用力を判定してください。
企業ごとの取引上限額を示す、与信限度額を定めましょう。設定額を超える額の掛け取引を行わないルールを導入することで、過度な与信リスクを負わずに済みます。
与信限度額の決め方は、売掛債権や純資産、仕入れ債務など一定の基準を設定し、一定割合と格付けウェイトを乗じた計算式に当てはめます。一定割合とは債権が回収できなかったときの企業が耐えうる割合で、格付けウェイトは各企業ごとに設定されたランク付けのことです。
評価が良い企業は限度額を高く設定し、悪い企業は低く設定します。
与信限度額を設定し、社内での承認が完了したら、取引先と契約に関する交渉を行います。取引条件が合意に達すれば、契約書を取り交わしましょう。支払い前に別個の取引が生じた際は、限度額を超えてしまわないか確認が必要です。
債権回収の確実性を上げるために、契約書には信用力が低下した場合の契約解除条項や、販売停止条項を設けるのも有効です。
適切な与信管理には、精度の高い与信調査が不可欠です。リサーチの方法は「内部調査」「直接調査」「外部調査」「依頼調査」の4つです。それぞれ具体的な手法や取得できる情報、注意点などを解説します。
自社の担当部門にヒアリングを行い、社内に蓄積した過去の取引履歴や資料などを使う方法です。文字通り内部でリサーチが完了し、情報収集のコストが生じにくい反面、得られる情報は限定的なことがあります。
直接調査は取引先に直接コンタクトを図るリサーチ方法です。訪問先に足を運ぶ訪問調査がメインで、情報の補足や追加のため、電話やメールも合わせて使用します。
直接訪問は、社内の雰囲気やスタッフの対応のような、定性的な情報の取得に適しています。
外部の情報源を活用して、取引先の情報を得る方法です。法務局で登記簿を閲覧・取得する官公庁調査、取引先の提携銀行や仕入先からリサーチをかける側面調査、コーポレートサイトや情報データベースを活用する検索調査などがあります。
不動産登記簿や法人登記簿の取得では、記載の情報が最新かどうかを精査する必要があります。過去からの変遷を記録した履歴事項証明書を取得して確認しましょう。また、インターネットを通じた調査では、サイトの更新頻度や情報の最新性に注意が必要です。
信用調査を生業とする調査会社に調査を任せる方法です。自社だけでは得られない情報の取得や、独自のノウハウに基づく評価基準を活用したい時に適しています。守秘義務を遵守する信用できる業者か、チェックが必要です。また依頼費用が高額に及ぶ恐れがあるため、予算との兼ね合いをみて依頼範囲を決めましょう。
PDCAサイクルのPlanでまず行うのは取引先の「格付」で、理想的な与信管理の要ともいえる大切な作業です。そして格付を行うには、社内格付制度を整備する必要があります。
格付を行う際は、複数の項目で目安となる点数や記号を設定し、減点方式で1社ごとの評価を出します(図1)。最終的にすべての項目を集計して格付表と照らし合わせ、該当するランクがその取引先の格付となります(図2)。
格付の基準となる項目内容や点数、格付の評価基準、各取引先の評価は、客観性を重視して行いましょう。
統一基準を用いてすべての取引先を公正に格付けすることで、現在の与信リスクや取引状況が可視化されて、今後の取り組み方針を明確にすることも可能になります。また、格付ごとに集計すれば、会社全体の与信リスクも定量化できるようになります。
社内格付の基準を決めるには、まず、過去数年分の全取引データなどから統計的モデルを導き出して点数化します。そして、格付表を基に取引先を評価しましょう。
この評価方法を確立しておくことで、リスクに応じた管理が可能になり、業務の効率化や審査能力が向上を図れます。
b社の合計点数「93点」を格付表の点数にあてはめると「90点以上」に該当する。
よって、b社の社内格付は、「A」の超優良取引先という評価になる。
社内格付制度を整備したら、次は与信限度額を設定しましょう。
与信限度額の上限は、自社の財務体力を踏まえた上で格付ごとに設定します。
一般的な設定方法として「正味財産分割法」「月商1割法」「段階的増枠法」「同業企業比較法」などがありますが、どれかひとつに偏るのではなく、それぞれのメリットとデメリットを正しく理解した上で、自社に最適な形へカスタマイズするのがポイントです。
設定後は、各取引が与信限度額の上限を超えないように管理することで、取引先の倒産や貸倒れが起きても自社の損失を最低限に抑えられ、連鎖倒産を回避できます。
格付ごとの与信限度額を決める際、統計的なデータを活用します。データの分析結果を基に限度額の上限設定や改善を行うことで、よりリスクの低い与信限度額の設定が可能になります。
格付「A」の取引先は倒産する確率が0.05%と低く、安心して取引ができると判断できる。
Step1、2で導き出された取引先各社の格付と与信限度額を基に、ポートフォリオ分析を行います。分析結果により、取引先の全体像が把握でき、効果的な人員配置や経営資源の分配ができるようになります。そして、与信管理の強化と効率化の実現へとつながります。
ポートフォリオ分析では、格付ごとの取引先件数、与信限度額の分布、取引先が集中している領域を把握しましょう。
取引先のプロット図を作成して全取引先を図表上に分布させると、取引状況を俯瞰的に見ることができ、与信管理がしやすくなります。
取引先を、社内格付のボーダーラインの上下で「通常管理対象」と「集中管理対象」に分けます。
このエリアに分布するのはリスクが低い取引先です。
より良い取引を検討していきます。
このエリアに分布するのはリスクが高い取引先です。
リスク対策を行って減らしていきます。
適切な与信管理を怠ると、売掛金の未回収リスクが高まり、最悪の場合は経営危機につながります。与信管理で失敗を防ぐためには、関係部署の連携を密にとりつつ、取引先の評価を定期的に見直すことが必要です。
調査コストが利益を圧迫することがないよう、費用と調査範囲はバランスをとりましょう。与信管理において注意すべきポイントを解説します。
第一線で取引先とコンタクトを取る営業部門と、取得した情報を分析する経理部門との連携が不可欠だといえます。密なコミュニケーションを図り、現場で得られた生の声を与信管理の判断に役立てることが、正確な与信管理業務のうえで重要です。
与信管理基準の策定や運用は経理部門の仕事でも、契約の締結やトラブル時の対応などで窓口として機能するのは営業部門です。現場との連携を重視することで、取引先に応じた適切な与信管理が実現します。
与信管理の要は営業部門ですが、裏方で支える経理部門のサポートも不可欠です。取引先との直接的なやり取りでは、付き合いの長さから、変化を見落としてしまう恐れがあります。売上を伸ばしたいとの思惑から、本心を隠して事務的な対応に終始する場合もあるかもしれません。
事実や数字に基づき判断を下す経理部門だからこそ、与信管理を見直すきっかけに気付くことも考えられます。初めて入金の遅延を起こした、決済方法に変更があったなど、変化の予見を察知し、営業部門等に情報を提供すれば、取引先の倒産リスクにいち早く気付くことができるでしょう。
企業を取り巻く経営環境や財務状態は常に変化するため、状況に応じて取引先の評価を定期的に見直す必要があります。経営状態や業界の動向をチェックし、売掛金の貸倒リスクや倒産リスクが生じていないか確認しましょう。
特に不審に感じることがない場合でも、少なくとも1年に1回は格付けの見直しを推奨します。必ずしも金額を変更する必要はありませんが、実態と著しく乖離していないか、新たに判明したリスクはないかなどは要確認です。
支払いの遅れや経営状況の極端な悪化を察知したら、迅速に情報収集を行い、担保の供与や限度額の引き下げといった対応が必要です。
与信調査にかけるコストと調査の範囲を検討し、適切なバランスを保つよう心がけましょう。調査会社を活用すれば多くの有益な情報が手に入る反面、報酬を支払う必要があります。与信調査自体は利益を出すものではないため、コストを最小限に抑える視点は必須といえます。
与信調査にかかる業務が収益を圧迫しないよう、売上との兼ね合いを考慮し、調査手法を限定するのも有効です。設立間もないベンチャー企業では、一人あたりの業務が多岐にわたり、与信管理にまで手を回す余裕がないかもしれません。専門的な知見や経験が求められる与信管理を未経験で忙しい担当者に任せてしまうと、不適切な基準の策定や誤った運用につながりかねません。
売掛金の貸し倒れリスクが高い状態は、黒字倒産を引き起こす可能性もある危険な状態です。決して予算を抑えるのが正しいとは言い切れないため、自社のリソースや状況を踏まえた判断をくだしましょう。
本記事では適切かつ効率的な与信管理を行うコツをご紹介しました。
与信管理は、企業の命運を左右するといっても過言ではないほど重要な業務です。ただ、理想的な与信管理を自社で実現するにも、「十分な時間やコストが割けない」「人員が確保できない」など、さまざまな弊害があることも多いでしょう。
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