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運転資金とは?調達方法から確保する方法、減らすコツまで解説

運転資金とは?調達方法から確保する方法、減らすコツまで解説

会社経営において、キャッシュフローの管理は大切です。

企業の売上・利益がどれほど出ていたとしても、キャッシュフローの管理がうまくできていないと、企業は倒産する可能性があります。

特に、売上が伸びているスタートアップ企業は運転資金が増加する傾向にあるため、資金繰りに注意し、黒字倒産を防ぐことが必要です。

本記事では、資金繰りに直接関わりのある運転資金を解説します。

  • 運転資金という言葉は知っているが、詳しくはわからない
  • 運転資金の計算方法がわからない
  • 運転資金を調達・確保する方法がわからない

上記のようなお悩みをお持ちの方は、ご一読ください。

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目次

運転資金とは:会社運営に必要な資金のこと

運転資金は、会社運営に必要な資金です。

例えば、商品を仕入れて販売している会社の場合、仕入れに係る費用、商品販売に係る人件費などが必要です。他にも店舗にかかる光熱費や家賃などは、毎月かかります。

このように、会社を最低限運営していくにあたって必要な費用をまとめて、運転資金と呼んでいます。

運転資金と設備資金との違い

設備資金とは、長期的な経済効果を期待できる設備や機器の導入にかかる資金のことです。運転資金と同じく会社の運営のために必要な資金ですが、設備資金は会社にとって資産となるものに使われる点が異なります。例えば、以下の費用は運転資金ではなく設備資金に該当します。

  • 事務所や工場などのための不動産取得費用
  • 製造機器やパソコン、システムの導入費用
  • 社用車の購入費用

開業時には3ヵ月分程度の運転資金が必要

事業によって軌道に乗るまでにかかる時間は異なりますが、一般的に開業時には3ヵ月分程度の運転資金を用意しておくほうが良いとされています。

開業してすぐに安定した売上を得ることは難しく、もしすぐに顧客がついて売上があったとしても、すぐに入金されるとは限りません。開業前に3ヵ月分の運転資金を用意しておくなら、現金収入がすぐに得られなくても事業を継続することができるでしょう。

運転資金の種類

運転資金には以下のような種類があります。

  • 経常運転資金
  • 増加運転資金
  • 季節資金
  • スポット資金

経常運転資金とは、先ほどご説明した会社を運営するにあたって必要な資金です。一般的に運転資金といえば、経常運転資金を指します。

増加運転資金とは、売上の増加により運転資金が増加することです。売上が増加すると、人員の増強や仕入れの増加に伴い、運転資金は増加する傾向にあります。逆に、売上は減っているのに固定費が大きくなり、運転資金が増加してしまっている状態を減少運転資金と呼びます。

季節資金は、ある特定の時期に需要が高まる商品を販売している会社で発生する運転資金です。例えば、ランドセルを販売している会社が小学生の入学時期付近での仕入れ増加に伴い増加する運転資金が該当します。

スポット資金は、上記以外で運転資金が必要になるケースで用いられます。例えば、従業員への賞与の支払いで一時的に運転資金が増加する場合です。

変動費と固定費

運転資金を考えるときは、変動費なのか、もしくは固定費なのかの検討が必要です。

変動費とは売上原価、支払荷造費、支払運賃など削減が可能な費用を指し、固定費とは租税公課、地代家賃など削減できない費用をいいます。

運転資金が増加し、資金繰りに困窮している場合、運転資金を変動費と固定費に分けることで削減できる項目が明確になるでしょう。

運転資金の計算方法

経常運転資金の計算方法は、下記に示すとおりです。

「売掛債権 + 棚卸資産 - 仕入債務 = 経常運転資金」

売掛債権とは売掛金と受取手形と電子記録債権、仕入債務は買掛金や支払手形を指します。上記の式から、運転資金が増加する要因は売上債権と棚卸資産の増加であることがわかるでしょう。

また、売上が増加している企業の経常運転資金が増加する理由は、売上増加に伴い売掛金が増加する傾向にあることも説明できます。

一方、経常運転資金を小さくしたいのであれば、売掛債権を小さくするための処置が必要です。例えば、取引先に支払いサイトを短くしてもらうことや、支払いを振込にしてもらうなどが挙げられます。

自社の運転資金と現預金を比較し、現預金の方が小さいのであれば、借入や手形の割引、売掛金のファクタリングなどの対策が必要です。

運転資金の調達方法

運転資金を調達する主な方法としては、次のものが挙げられます。

  • 日本政策金融公庫から融資を受ける
  • 民間金融機関から融資を受ける
  • 不動産を担保として融資を受ける
  • 補助金・助成金に申し込む

日本政策金融公庫は民間金融機関を補完する目的で設立された政府系金融機関です。適用金利が比較的低く、返済期間を一定期間据え置きできるローンや、無担保で借りられるローンもあります。創業してからすぐのタイミングでも申し込めるローンもなど、選択肢も多いので、適切なローンを選びましょう。

取引のある金融機関に融資を申し込む方法があります。創業資金や運転資金に活用できるローンを提供している金融機関もあるので、担当者に相談してみましょう。

担保として利用できる不動産を所有している場合は、不動産担保ローンも検討できます。担保の価値によって審査が進むため、会社としての実績があまりない場合にも資金調達しやすいでしょう。

国や自治体の補助金制度や助成金制度を利用できることもあります。融資を受ける場合とは異なり、返済する必要がないため、資金繰りに影響を与えない点はメリットです。

しかし、条件が厳しく、提出書類が多いこと、審査期間が長くなることがあるなどの注意点もあります。また資金の受け取りは審査終了後となるため、今すぐ運転資金が必要なときなどには適した調達方法とはいえません。

▼より詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
「企業が資金調達をする方法を紹介!成功に導くための取り組みも解説」

運転資金を確保する方法

事業を継続する限り、運転資金は常に必要です。資金繰りに困ることがないよう、以下の方法を活用して運転資金を確保しましょう。

  • 販売と回収のサイクルを見直す
  • 販売管理費用を見直す
  • 売上原価を見直す
  • 売上高を増やす工夫をする
  • 早めに資金調達をする

それぞれの方法について解説します。

販売と回収のサイクルを見直す

掛取引をしている場合には、販売と回収のサイクルを見直すことで運転資金を確保しやすくなります。売掛金をできる限り早く回収すると次の仕入れがスムーズに進むので、販売と回収の間を短くするようにしましょう。

反対に、買掛金の支払いは、できる限り遅いほうが資金繰りに余裕が生まれやすくなります。手元に現金がないと、帳簿上は黒字でも倒産の危機に瀕します。資金の流れを見直し、現金を確保できるようにしておきましょう。

販売管理費用を見直す

事業を継続するためには、さまざまな販売管理費用が必要です。しかし販売管理費用が多すぎると営業利益が増加しにくく、資金繰りが悪化しやすくなります。

まずは経費計上している支出をすべて書き出し、事業継続に影響が少ないものから削減していきましょう。例えば、人件費が多すぎないか、活用されていない福利厚生制度などはないかと詳しく見ていくと、経費の無駄が見つかるかもしれません。

売上原価を見直す

売上原価が多すぎると売上高が上がりにくく、資金繰りに余裕が生まれにくくなります。製造業であれば製造経費を細かく分析し、原価が高すぎないかチェックしてみましょう。また、小売業であれば仕入れの単価・数量の見直しができます。

ただし、やみくもに原価を削減すると、仕入れ先との関係に好ましくない影響が及ぶこともあるので注意が必要です。長期的な展望を明確にしてから、原価の見直しを実施しましょう。

売上高を増やす工夫をする

売上高を増やすことで、運転資金を確保し、事業継続や拡大につなげていくことができます。売上高は次の3つの方法で増やすことが可能です。

  • 売上単価を上げる
  • 売上数量を増やす
  • 新規事業を実施する

単価を上げれば、売上高を増やせます。しかし品質や容量はそのままで単価だけを上げると、販売数量が減って売上高増につながらないことがあるので注意が必要です。

また、集客やリピート率向上に注力することで、売上数量を増やすことも検討できます。しかし広告宣伝費用が増えすぎると、一時的に営業利益が減るので注意しましょう。

既存事業の規模拡大が難しいときは、新規事業の開拓も視野に入れられます。ただし、新規事業を開始するときにはある程度の初期費用がかかるため、資金が一時的に減ることになります。十分に市場調査を行い、慎重に事業を進めていきましょう。

早めに資金調達をする

運転資金が不足しそうなときは、早めに資金調達をすることが必要です。資金調達のタイミングが遅くなると、仕入れや販売のサイクルが長くなり、売上を得られない期間が長引いてしまいます。常にキャッシュフローを把握し、必要に応じて早めに資金調達を実施するようにしましょう。

運転資金が不足する理由

運転資金が不足するときには、次のいずれかが原因になっている可能性があります。

  • 棚卸資産の回転がうまくいっていない
  • 売上が増加した
  • 売上が減少した
  • イベントなどで急に資金が必要になった

それぞれの理由について解説します。

棚卸資産の回転がうまくいっていない

棚卸資産をすぐに販売していないときは、資金の流れも滞り、運転資金が不足する事態になってしまうことがあります。棚卸資産を販売するまでの期間を短くするだけでも資金不足解消につながることがあるので、一度、販売までのサイクルを見直してみましょう。

売上が増加した

売上が増えたことで、人件費や設備費が増え、資金繰りが厳しくなることがあります。売上を得るために増やした費用が一時的ではなく継続的に発生する場合には、融資やファクタリングなどの活用を検討しても良いでしょう。

売上が減少した

売上が減少しても、人件費や設備費などの固定費を急に減らすことはできません。そのため、運転資金が不足しやすくなり、事業継続が厳しくなることがあります。今後も売上増が見込めないときは、固定費を減らすことも必要になるでしょう。

イベントなどで急に資金が必要になった

期間限定でポップアップショップを運営したときなどは、一時的にキャッシュが減り、運転資金が不足する可能性があります。イベントによって急激に売上増が実現すれば良いのですが、すぐに効果は出ず、支出だけが増える恐れもあるでしょう。

また、仕入れを増やしたとき、賞与を支払ったときなども、一時的に資金が不足しがちです。イベントによって資金繰りが悪化することがないよう、資金計画を立て、必要に応じて早めに資金調達を行うようにしましょう。

運転資金を小さくするには

運転資金を小さくするためには、以下を実施します。

  • 売掛債権を小さくする
  • 仕入債務を大きくする
  • 棚卸資産を小さくする

それぞれ詳しく解説します。

売掛債権を小さくする

売掛債権を小さくするには、売掛金と受取手形の取引量を減らす必要があります。

そのために、売掛債権が資金化されるまでのサイト(期間)を短くすることについて取引先と交渉することも求められるでしょう。

あるいは、「売掛金→受取手形・電子記録債権」という資金化の流れを踏んでいるのであれば、受取手形や電子記録債権を経由せずに、現金での振り込みに変えてもらうという方法も考えられます。

仕入債務を大きくする

仕入債務を大きくするためには、支払いサイトを伸ばしてもらわなければなりません。

例えば、現在月末締めの翌月銀行振込という仕入れのフローであれば、翌月手形支払にしてもらうといった手法でキャッシュフローを改善できます。

棚卸資産を小さくする

棚卸資産を小さくすることで、運転資金を小さくできます。例えば、製造業の場合、外注費を削減することで、棚卸資産の金額を小さくできるでしょう。

削減できる変動費はなるべく削減するプロセスを経ることで、棚卸資産を小さくしてください。

まとめ

本記事では、運転資金の計算方法と種類を解説しました。

運転資金が膨らみ、手元の現預金では会社運営が回らない場合、借入や手形割引、ファクタリング利用の検討が必要です。運転資金の増減を注視し、現預金が足りなくなった場合には、自社にあった資金調達の方法を検討しましょう。

▼より詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
「【資金調達の方法】各方法のメリットや注意点を法人・個人別に解説」

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