中小企業にとって銀行融資はハードルが高いものです。もちろん、無借金経営が理想ですが、銀行融資は対外的な信用の証にもなりますので、利用できるなら融資を受けておいた方がいいでしょう。銀行融資では、どんな項目が確認されるのでしょうか。
この記事では、銀行からの評価をアップするという観点から、有利子負債を増やさずに資金調達できるファクタリングについてご説明します。
銀行では融資を実行する前には、様々な角度から企業を確認する格付けを行い、融資の限度額や金利の基準を決めます。ここでは、貸借対照表で特に見られるポイントについてご紹介します。
自己資本比率とは、返済不要の資本が総資本のどれだけを占めるかがわかる指標です。
「自己資本÷総資本(自己資本+総資本)×100=自己資本比率」
自己資本比率は、高ければ高いほど基盤がしっかりした会社と評価される傾向にあります。
また、自己資本が多いだけではなく現金比率についても注目されます。
「現金・預金・市場性のある有価証券÷流動負債×100=現金比率」
この現金比率も高ければ高いほど評価されます。なぜなら、企業が倒産する理由は赤字のみが要因ではなく、資金繰りが困窮して支払いができなくなるからです。
例えば、自己資本比率が高くても資産の多くが固定資産の場合、流動性に欠けます。そのため、自己資本比率が高く、現金比率も高い会社が健全だと評価される傾向にあります。
借入金の多さもチェックされるポイントです。借入金については、月商比などで見るケースもありますが、債務償還年数で確認することが多いです。債務償還年数とは、営業活動により得られた利益を使い、有利子負債を何年かけて返済できるかという指標です。
「債務償還年数(年) = 有利子負債 ÷(経常利益 × 0.65 + 減価償却費)」
債務償還年数が長くなるほど、借入金を借り過ぎている状態になります。銀行としては融資額を必ず回収したいという気持ちがあります。そのため、借入金は少なく債務償還年数が短い方が、銀行からの評価が上がります。
借入金を増やしたくないならば、ファクタリングの利用を検討してみてもいいでしょう。その理由についてご説明します。
ファクタリングは融資ではありません。そのため、ファクタリングを利用しても有利子負債としての科目は増えないのです。
ファクタリングを利用すると、売掛債権が現金になるので現金比率を高めることができます。現金が増えれば、資金繰りも安定するという効果があります。
ファクタリングは、手数料が銀行融資に比べると高い傾向にあります。そのため、計画的な利用をしなければ、いくら期日より前に早期資金化できたとしても慢性的に資金繰りが悪くなり、ファクタリングを利用し続けなくては回らなくなってしまう可能性もあります。長期的な資金調達の方法には向きません。
▼より詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
「ファクタリングはオフバランス化が可能?仕訳方法を詳しく解説」
最後に、銀行融資を受けるメリットについてご説明します。
銀行融資を受けられるのは、信用の証として対外的なアピールになります。特にメガバンクなどの大手銀行からの融資が受けられるのは、財務状況や経営内容が評価されていることになるのです。
特に、中小企業は決算の開示義務もないので、信用力を示しにくいです。ホームページなどに取引銀行を掲載することで、信用力を増すことができ、取引が広がる可能性もあるでしょう。
貸借対照表の見栄えを整えることで、銀行融資の枠を増やせる可能性があります。
特に銀行以外のビジネスローンなどを借りている場合、銀行からの評価が落ちる恐れがあるのでなるべく借入金を減らした方がいいでしょう。ビジネスローンの残高が多い場合には、ビジネスローンからファクタリングに切り替えて貸借対照表の見栄えを良くしてから、銀行融資の申し込みをするのがおすすめです。
銀行融資は、対外的な信用の証にもなります。ただし、銀行は審査が厳しいので、財務状況が悪いと評価されれば融資を受けることができません。もし、ビジネスローンなどを利用して借入金が多過ぎる状態になっているのであれば、ファクタリングを利用した方が決算書の見栄えを整えることができます。ファクタリングを利用すればオフバランス化できて、財務状況が改善します。
財務状況が良くなれば、銀行から低金利かつ長期間の融資が受けられる可能性もあります。ビジネスローンを借り続けるより、負担を減らすことができるでしょう。借入金を抑えるためにファクタリングの利用をしてみてはいかがでしょうか。
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