資金調達の方法として「ファクタリング」を検討したことがある方もいらっしゃるでしょう。この記事では、ファクタリングの契約の流れについて2者間ファクタリング、3者間ファクタリングそれぞれの契約形態ごとにご説明します。
2社間ファクタリングのご契約までの主な流れは以下の通りです。
2者間ファクタリングの特徴は、売掛先企業にファクタリング利用の事実を知られることなく、売掛債権を譲渡することができることです。
ファクタリングの利用を決めたら、ファクタリング事業者に売掛債権の買い取りを相談して(審査・お見積り依頼)、審査に必要な書類提出や質問への回答を行います。以前は、ファクタリング事業者と面談のうえ利用の申し込みをすることが多かったですが、最近ではオンラインで完結する仕組みを提供するファクタリング事業者も増えています。
審査は早ければ即日~1週間程度で、ファクタリングの可否と手数料が提示されます。審査内容に納得したら、契約書類の記入をして契約という運びです。契約を締結したら、手数料を差し引いた売掛債権額がファクタリング利用者の銀行口座へ入金されます。
すべての2者間ファクタリングで行うわけではありませんが、債権譲渡登記を行うこともあります。債権譲渡登記とは、債権が譲渡されたことを登記することです。債権譲渡登記を行わないと、複数のファクタリング事業者と契約を結ばれてしまい、売掛債権が回収できなくなってしまうリスクを防ぐために、一部のファクタリング事業者では債権譲渡登記が行われます。債権譲渡登記が行われた場合には、誰からも債権の登記状況が確認できます。今後の取引への悪影響を懸念して、取引先へファクタリングの利用を知られたくない場合もあるかと思うので、利用前に債権譲渡登記の有無は確認しておくようにしましょう。
▼より詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
「ファクタリングと債権譲渡登記」
また、ファクタリングは貸金業ではないので、金利の上限のような手数料の規制がなく、数十%という高い手数料を請求する業者も存在します。申し込みをする前には、なるべく多くのファクタリング事業者を比較し、サービスのご利用条件やホームページ上での情報開示が多く信頼できる運営会社を選んだほうが良いでしょう。
なお、2者間ファクタリングで必要になる書類は、主に以下の通りです。
必要になる資料は、各ファクタリング事業者によって異なります。申し込みをする前に、希望するファクタリング事業者に必ず確認をしましょう。早期に資金調達をしたいのであれば、資料を揃えてから相談したほうが良いです。
3者間ファクタリングの契約の流れは以下の通りです。
3者間ファクタリングは、2者間ファクタリングと異なり、売掛先企業にもファクタリング利用の事実を知られることになります。
ファクタリング事業者は、売掛先企業に対して、「債権譲渡通知」を発行するほか、内容証明付き郵便の発送、債権譲渡登記といった手続きを行うこともあります。
また、本来であれば売掛先企業からファクタリング利用者(債権者)へ入金する売掛債権をファクタリング事業者へ入金することになるので、入金にあたる手続きの確認なども行います。
ファクタリングの利用は場合によって、売掛先企業に「業績が危ないなら取引を引き上げよう」と思わせてしまうリスクがあります。3者間ファクタリングを利用する際には、ファクタリングについての説明を慎重に行い、尚且つ、信頼が確立している売掛先企業との売掛債権のみで利用したほうが良いです。
▼より詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
「2者間ファクタリングと3者間ファクタリングの違い」
2者間ファクタリングでは、申し込みから契約までの時間は1日~1週間程度です。
一方、3者間ファクタリングでは、2者間ファクタリングに比べると日数がかかります。
2者間ファクタリングのほうが3者間ファクタリングに比べると、ファクタリング事業者としては回収リスクがあるので、一般的に手数料率は高いです。ただし、オンライン完結の2者間ファクタリングは手数料率が1%~と、従来よりも低い手数料のサービスもあります。
それぞれのメリット・デメリットを見比べて、どちらのファクタリングを利用するか決めましょう。
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