まず、手形割引とはどんな資金調達方法なのかについてご説明します。
手形割引とは、売掛債権の決済手段として利用する約束手形を期日前に銀行などに買い取ってもらうことで、早期資金化が可能な資金調達方法です。銀行は、手形割引にかかる手数料を差し引いた金額を期日より前に入金します。手形取引が主流だった日本では、中小企業の資金調達方法として利用されてきました。銀行以外にも、手形割引業者に買い取ってもらうことが可能です。
手形取引は、手形で取引をしている場合にしか利用できません。企業間の手形取引は一時期に比べると減少しており、その分資金調達方法に悩む中小企業が増えているのも事実です。
手形の不渡りを半年間に2回発生させると、銀行取引停止処分を受けます。具体的には、処分の日から2年間当座勘定取引および融資取引を行うことができなくなり、実質的には会社経営ができません。そのため、売掛先企業は手形の不渡りを出さないように対応する可能性が高いので、銀行としても割引に対応しやすいのです。
ここでは、ファクタリングを利用した資金調達方法についてご説明します。
ファクタリングの魅力は資金化までが早いことです。ファクタリング事業者の中には、最短即日で資金化が可能なところもあります。即日でなくとも、数週間での調達が可能なケースが一般的で、銀行融資等と比較すると、資金調達までの期間は短く、緊急の資金ニーズに対応することが可能です。
買取型のファクタリングには、2者間ファクタリングと3者間ファクタリングがあります。ファクタリング利用者・ファクタリング事業者が契約する2者間ファクタリングは、資金調達までの期間が早いというメリットがあります。
一方で、3者間ファクタリングでは、ファクタリング利用者・ファクタリング事業者で契約をする点では2者間ファクタリングと同じですが、売掛金の入金を売掛先からファクタリング事業者へ行います。そのため、ファクタリング事業者としては、売掛金の未回収リスクが少ないので手数料率が安くなるという点がメリットです。
ファクタリング利用者のニーズに合わせて、利用するファクタリングを選ぶことができます。
▼より詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
「2者間ファクタリングと3者間ファクタリングの違い」
ファクタリングを利用すると、貸借対照表の売掛金の科目が現金に振り替えるだけなので、負債が増えるわけではありません。負債が多いと、今後、銀行から融資を断られることもあるでしょう。そのため、決算書の見栄えを良くしておき、銀行からの融資枠を残しておきたいという場合にも使えます。
ここでは、手形割引とファクタリングの違いについてご説明します。
手形割引の場合、売掛先企業が倒産などの理由で債務不履行になった場合、裏書人にも遡及して請求されます。簡単に言うと、裏書を行った手形割引の依頼者は、銀行に対して弁済の義務が発生するのです。
しかし、ファクタリングの場合、万が一売掛先企業が倒産して支払いができなくなったとしても、ファクタリング事業者に対して弁済の必要がない契約がほとんどです。ファクタリング事業者は、売掛金が回収できなくなった時のリスクも勘案して手数料率を決めています。
手形割引は、その他の融資と比べれば資金化が早いですが、必要書類の提出や銀行内の手続きによって、スムーズに利用ができません。一方、ファクタリングは新規の利用でも、最短即日~1週間以内に資金調達ができる場合があります。緊急の資金ニーズが発生しており、迅速に資金調達を行いたいという場合には、ファクタリングの利用が有効です。
資金調達にかかる利息や手数料は、利用者や売掛先企業の信用力によって異なりますが、手形割引の手数料のほうが安い傾向にあります。銀行の手形割引の手数料は年利約1.5%~5.5%で、日割り計算で徴収されます。
一方、ファクタリングは、1回の買い取りで売掛債権額の数%~数十%が徴収される仕組みです。ファクタリングは貸金業に該当しないので利息の上限もないのですが、中には常識を超えた手数料を請求する悪徳な業者もあるので注意しましょう。
▼より詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
「ファクタリングのメリット・デメリットとは?」
ファクタリングに関するお役立ち情報を、マネーフォワードケッサイ株式会社が提供いたします。ファクタリングサービス「マネーフォワード アーリーペイメント」は、お客様の所有する売掛債権(売掛金)を売却することで、一定の手数料を差し引いた金額を受け取ることができる2者間ファクタリングサービスです。
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