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ファクタリングと債権譲渡登記

ファクタリングと債権譲渡登記

ファクタリングは売掛債権を売却するサービスのため、債権について知っておくと取引をスムーズに進められるでしょう。

本記事では、債権譲渡について解説すると共に、ファクタリングにおける債権譲渡登記の必要性などご紹介していきます。

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目次

債権譲渡とは

債権とは、相手方に特定の行為をさせる権利のことで、例えば、売掛債権は期日に相手方から約束の資金を受け取る権利を有しています。この権利は原則として譲渡できることになっており、債権が譲渡された場合、譲受人にその権利が移ります。

ファクタリングは売掛債権を売却する取引のため、ファクタリング利用者からファクタリング会社に売掛債権を譲渡する、債権譲渡の一種だということができます。

▼より詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
「ファクタリングとは?仕組みやメリットなどを図解で解説」

ファクタリングを利用するのに債権譲渡登記は必要ないのか

債権の譲渡は、口約束でもできることとなっています。しかし、口約束だけでは何かトラブルが起こったときに言った、言わない、の水掛け論になってしまう可能性があります。このため、債権譲渡の内容について契約書という形で残すことが必要です。

また、契約書を交わしたとしても、それだけでは第三者に対抗できないこととされています。

例えば、悪意のある人がある債権をAとBという2人に対して同時に譲渡するという契約を結んだ場合、AとBのどちらが真の債権の所有者なのかという問題が生じます。

こうした問題を解消するのが対抗要件という法制度です。

対抗要件とは

対抗要件とは「当事者間(上記AとB)の間で取り決めた法律関係を第三者にも主張するための要件」だと考えるとよいでしょう。

例えば、ファクタリングに関する契約をAとBで結んだ場合、例えば口約束であっても、その契約は成立します。

しかし、Cという第三者がいた場合、CはAとBがどのような契約を結んでいるのか確認することができません。

仮にAが悪意を持って、Bと契約したのと同じ内容でCとも契約したとしましょう。

AからBに債権を譲渡する代わりに、BからAに500万円支払われたとしても、AはCに対してさらに「債権を譲渡する」と言ってCから同じく500万円受け取るといったことは十分に可能です。

仮に、こうなった場合、Aが悪いのは明白ですが、BとCのどちらが優先されるのかは判断できません。

こうした状況で、法的に守られる制度が対抗要件なのです。

例えば、Bが登記など対抗要件を備える手続きを済ませていれば、仮に上記と同じことが起こったとしても法的に守られるのはBの方です。

Cは取引前に登記を確認しなかったという過失があるため、この場合は法的に守られません。
(ただし、Aが不法行為を行っているのは明らかなので、この場合CはAに対して請求することになります)

以下、対抗要件の一種である債権譲渡登記について見ていきたいと思います。

2者間ファクタリングにおける債権譲渡登記

債権譲渡登記がないと二重譲渡時に他の第三者に対抗できない危険性があり、ファクタリング会社にとってリスクが高くなります。3者間ファクタリングであれば、売掛先企業とファクタリング会社が直接やり取りすることができますが、2者間ファクタリングではファクタリング会社とファクタリング利用者が直接取引し、ファクタリング会社が売掛先企業と直接やり取りする機会が原則としてないため、債権譲渡登記をしなければ対抗要件を具備することができず、ファクタリング利用者により債権を二重譲渡されても他の第三者に対抗する手立てがありません。

こうしたこともあり、2者間ファクタリングでは債権譲渡登記なしの契約はNGとしていることが多いです。

一方で、2者間ファクタリングの最大のメリットは、売掛先企業に売掛債権の譲渡を知られないということですが、登記をすると、誰でもその情報を知られてしまうことになるため、登記を見られることで、売掛債権の譲渡が知られてしまう可能性はございます。

中には、2者間ファクタリングでも債権譲渡登記なしで利用できるサービスもあるため、上記が気になる場合には、探してみるとよいでしょう。

ただし、債権譲渡登記なしの債権譲渡はファクタリング会社にとってもリスクが高くなるため、手数料が高くなりやすい点に注意が必要です。

3者間ファクタリングにおける債権譲渡登記

3者間ファクタリングでは債権譲渡登記をせずとも、売掛先企業に対して売掛債権の譲渡を確定日付のある証書により通知するか、売掛先企業から確定日付のある証書により承諾を得ることで第三者に対抗できることとされています。

このため、3者間ファクタリングでは債権譲渡登記をせずとも対抗要件を具備することができます。

債権譲渡登記には登録免許税として7,500円(債権個数が5000個以下の場合)、司法書士報酬として50,000円~100,000円程支払う必要があるため、この登記費用分を安くできる点は大きなメリットだといえるでしょう。

債権譲渡登記のメリット・デメリット

上述の通り、債権譲渡登記は義務ではありませんが、2者間ファクタリングでは多くの場合で債権譲渡登記をする必要があり、3者間ファクタリングでは不要となっています。
以上を踏まえて、ここでは、債権譲渡登記のメリット・デメリットを見ていきたいと思います。

債権譲渡登記のメリット

債権譲渡登記のメリットは、ファクタリング会社が債権未回収となるリスクが下がるため、手数料を安く抑えられるという点が挙げられるでしょう。また、しっかり登記することから、詐欺的なファクタリングに巻き込まれる可能性は低くなるといえます。

債権譲渡登記のデメリット

債権譲渡登記のデメリットとしては、売掛先企業に知られてしまう可能性がある点や、登記費用がかかってしまう点が挙げられます。

登記されると誰でもその情報を見ることができるため、万が一の可能性として取引先が債権譲渡について知ってしまうというリスクがあります。

債権譲渡について知られることで、取引先に資金繰りの悪化を懸念されて、その後の取引に悪影響が及ぶ可能性があるでしょう。

どうしても取引先に知られたくないという場合には、債権譲渡登記なしの取引をお願いする必要があります。

債権譲渡禁止特約とは

実は、最近まで企業の売掛債権については多くの場合、債権譲渡禁止特約がつけられており、債権譲渡禁止特約のついた債権の譲渡は原則無効とされていたことから、ファクタリングが実施しづらい状況にありました。

債権譲渡禁止特約とは、その名の通り債権の譲渡を禁止する特約のことで、債権にこの特約がついている場合、債権の譲渡は原則無効とされていたことから、債権をファクタリング利用者からファクタリング会社に譲渡する契約であるファクタリングに多大な支障がありました。

この商慣習は、これまで日本においてファクタリングがなかなか広まらない一つの理由となっていました。債権譲渡による資金調達が特に中小企業の資金調達手法として活用されることが期待され、2020年に施行された改正民法により債権譲渡禁止特約がついている債権であっても債権譲渡できることになりました。

これは、ファクタリングを念頭においた法改正だということができ、政府もファクタリングにより企業が債権を活用していくことを後押ししているといえるでしょう。

まとめ

ファクタリングについて債権に関する基本的な内容や債権譲渡登記のメリット・デメリット、債権譲渡登記の必要性などご紹介しました。

債権譲渡登記の有無は契約ごとに異なりますが、債権譲渡登記するかどうかについてはメリット・デメリットがあるため、それぞれを把握したうえでどうするか総合的に判断するようにしましょう。

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