「請求書支払い」とは請求書を使った後払いのことです。BtoCだけでなくBtoBでも用いられ、取引回数が多い場合は、販売側の請求業務・購入側の支払い業務の簡便化を実現できます。利用の流れやメリット、トラブルを回避するポイントを解説します。
請求書支払いとは、請求書を使った後払いのことです。「請求書払い」や「掛売」と呼ばれることもあります。
請求書支払いは、BtoCでも使われることが多い支払い方法です。たとえば、個人の場合は、公共料金や通販サイトの支払いにおいて請求書支払いを使うことがあるかもしれません。請求書が郵便やメールで送付され、コンビニや金融機関の窓口で現金払いをしたり、クレジットカードや銀行振込で支払ったりします。
日本ではBtoBにおいても請求書支払いを用いることが多いです。ただし、企業間取引は取り扱う金額も多くなることから、信頼関係が構築できていることを前提として用いられます。信用のうえで取引が成り立っていることから、請求書支払いを「与信取引」と呼ぶこともあります。
請求書支払いは、次の流れで実施します。
なお、通常は「入金確認・消込処理」で取引は完了です。入金されなかった場合のみ、「督促・回収」の過程に進みます。
初めて請求書支払いを利用する相手に対しては、与信審査が必要です。取引相手に支払い能力があるのか、どの程度の金額まで支払えるのかを与信審査を通して調べ、取引の可否を決めます。なお、取引ができると判断する場合は取引可能な最大額を決定します。
与信審査は、販売側が実施することもありますが、信用調査会社に依頼して実施してもらうこともあります。信用調査会社に与信審査を依頼するときは、別途費用が発生する点に注意しましょう。
また、与信審査は初めて請求書支払いを利用するときだけでなく、定期的に実施することが望ましいです。経営状況は常に変動しているため、取引を開始してから一定期間が経過したタイミングや取引額が増えるタイミングなどにおいて、再度与信審査を実施しましょう。
企業間で実施する請求書支払いでは、一定期間の取引をまとめて請求することが一般的です。たとえば、1ヶ月に1回請求することに決めているなら、「2024年8月分」のように当月内に発生した取引額を合算して請求します。
請求書は従来は紙タイプが一般的でしたが、近年ではオンラインで送付できる電子タイプも使われています。いずれの場合も、次の要素を記載し、取引相手がスムーズに支払えるようにしておきましょう。
請求書を発行した後は、取引相手に送付します。電子データとして送付する場合は、電子印鑑や電子署名などを活用して、請求書が信用できるものであることを担保しておきましょう。
支払い期限後に入金確認を行います。振込で代金を受け取る場合は、金融機関側で入金を反映するのにタイムラグがあることも考慮し、数営業日待ってから入金確認するほうが良いでしょう。
正しく入金されていた場合は、消込処理をします。企業会計の根幹に影響を与えることもあるため、取引件数が多い場合でも、入金有無・入金額・取引相手を1件ごとに正確に確認してから消込処理をしてください。
取引相手から期日までに入金されないケースもあるかもしれません。単に入金忘れのケースもありますが、取引相手の経営状況が悪化したことから入金されていないケースも想定されます。経営状況の悪化の場合、時間が経過するとさらに状況が悪化する可能性も高いため、迅速に督促を行うことが必要です。
まずは電話やメール、手紙などで、入金がまだであることを知らせ、支払いの意志があるのかを確認します。支払いの意志があるときは、新しい支払い期日を定めましょう。また、支払いの意志が見えないときや新しい支払い期日を過ぎても支払われないときは、法的手段を検討することを相手側に伝え、早急な対応を促すことが必要です。
請求書支払いを利用すると、取引が発生したときに代金を受け取るケースとは異なり、請求書の発行や送付、入金確認などの業務が必要になります。
しかし、請求書支払いには多くのメリットがあり、実施により取引の幅が広がることも少なくありません。請求書支払いのメリットを請求側・支払い側に分けて見ていきましょう。
請求側の主なメリットは以下の通りです。
請求書支払いは取引先にとっては支払いが簡便化できる方法のため、商品やサービスを購入しやすいと感じてもらえるでしょう。ニーズに応えることで取引先が増えるだけでなく、購入頻度も増え、売上増につながるかもしれません。
また、請求業務・回収業務をまとめられるのもメリットです。取引先が多く、請求・回収業務の負担を感じている場合にも、請求書支払いの利用を検討してみましょう。
支払い側のメリットとしては、次の点が挙げられます。
商品やサービスを購入したタイミングではなく後日支払うため、資金繰りに余裕が生まれやすくなります。また、インターネットバンキングを利用したり、複数の取引先にまとめて支払ったりできることから、支払い業務が効率化する点もメリットです。
請求書支払いにはデメリットもあります。主なデメリットを、請求側・支払い側に分けて紹介します。
請求側のデメリットは以下の2点です。
その場で代金を受け取らないため、未回収リスクが発生します。期日までに入金されない場合は、督促や回収の業務も必要です。また、取引相手の経営状況が悪化しているときや倒産したときなどは、貸倒れになる可能性もあります。
支払う側のデメリットとしては、次の2点が挙げられます。
その場で代金を支払わないため、支払いそのものを忘れてしまうかもしれません。これにより信用を失い、取引継続が難しくなる可能性もあります。また、請求書の管理負担が増えることも、デメリットに感じる場合があるでしょう。
請求書支払いをトラブルなく利用するためにも、次のポイントに注意が必要です。
それぞれのポイントを解説します。
支払う側によって請求書が偽造されるケースも想定されます。万が一に備えるためにも、通し番号や捺印などによる偽造防止対策が必要です。電子請求書を作成する場合は、電子署名や電子印鑑なども利用し、偽造や二重発行を防ぐようにしましょう。
支払う側に混乱を与えないためにも、内税・外税を明記しましょう。また、請求書内で内税・外税を統一しておくだけでなく、消費税額についても明記しておくと、支払う側の会計業務の負担を軽減できます。
金融機関への振込によって代金を受け取る場合は、手数料の負担者を決めておきましょう。また、どちらが手数料を負担する場合でも、請求書に明記しておくと混乱を回避しやすくなります。
代金を回収できないリスクに注目すると、請求書支払いは請求側にとって負担が多い方法といえます。リスクを軽減するためにも、請求代行サービスを利用してみてはいかがでしょうか。
「マネーフォワード ケッサイ」は、請求書の発行・送付から入金確認までをワンストップで対応するサービスです。督促業務にも対応しているため、取引相手から期日までに入金がない場合でも直接相手に請求する必要がなく、時間的・精神的な負担を軽減できます。
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